小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第一話


 あの後、ジェイルが展開した魔法によって目的地に送られた。

葵「痛っ・・・まったく変な送り方してくれたな」

 おそらく着地の際打ったのであろう。お尻に鈍痛が走ったのを覚えている。周りを見ると遊具やら遊んでいる子供がいるところを見ると公園みたいだ。しかも結構さびれた。

リイン「・・・・・・」

アギト「・・・・・え?」

 ん? 何やら先ほどからリインとアギトの視線が 信じられない物を見ているような感じがする。それよりも先ほどから視線が低いのだが?

葵「どうかしたのか?」

リイン「えっと・・・葵パパですよね?」

葵「他に誰がいる?」

アギト「えっと、落ちついて聞いてくれ兄貴。いま兄貴の身長――というか兄貴自身がまるっきり子供だ」

 ・・・・・・ハァアアアアアアア!?

葵「な、ななななななに言ってるんだ?!」

 するとリインがどこから取り出したのか手鏡渡して来たので確認する。

葵「・・・・・何故に!?」

 人生三度目の子供化・・・・・なにが起こった!? というか何故子供!? と、とりあえずあいつらと連絡を取ろう。

葵「・・・・」

 神姫を使って連絡を取ろうにも先ほどから砂嵐聞こえない。

葵「エクス、ルミル・・・これって故障か?」

(いえマスター正常稼働してますよ?)

(どうやら私たちだけでなく全員の通信が出来ないようだな。あっちで何かがあったと考えるのが良いだろ)

 たしかに一理ある。さて、どうするか・・・・あ!

葵「〈道実? 道実!? 聞こえるか!!?〉」

 道実はまずデバイスをISもどきとするためISが発表される時代に送り込まれているはず。なら、道実になら連絡は通じるはずだ。

道「〈はいはい。こちら道真さね〉」

葵「〈(通じた!)道実。いまどれぐらいの時代かわかるか?〉」

道「〈分かるさねがどうかしたさね?〉」

葵「〈身体が縮んだ〉」

道「〈某子供探偵さねか?〉」

葵「違うわ!!?」

 とりあえず事情を説明するとどうやら道真の方もあっちと音信不通になったみたいだ。原因も不明。あと時代はISが発表される数年前。具体的な年齢まではわからないとのことだ。

葵「・・・・雨か?」

 話しているとぽつぽつと水滴が空から降ってきた。まだ小雨だが雲雪から見ると危ないな。

葵「リイン、アギト。ポケットの中に入っておけ」

 そういって二人を胸ポケットの中に入れこの場を立ち去ろうとした瞬間、

???「ちょ、ちょっとそこどいてぇ〜〜〜〜〜!!?」

葵「へ?」

―――ドスン!! ゴチィン!!

葵「――グフェッ・・・・」

 何か、全力的な何かを腹部に受け、身体が後ろに倒れた瞬間後ろにあった遊具か何かを頭にぶつけ気絶した。


SIDE一夏


 わたしの名前は織斑一(おりむらいち)夏(か)。今日は日曜日ということもあって幼馴染の篠ノ之(しののの)箒(ほうき)ちゃんと公園で遊んでいました。

箒「・・・・一夏、この子どうしよう!?」

 あ! この黒い髪を後ろでポニーテールにしてる女の子が箒ちゃん!

一「と、とりあえずわたしの家が近いからそこに行こう! 多分お姉ちゃんも帰っていると思うから!」

箒「そ、そうだな! とりあえずそっち持って! わたしが頭を持つ」

一「うん!」

 そういって私は女の子の足を持って箒ちゃんは彼の頭を持ってわたしの家に向かいました。

一「ただいまー!」

???「一夏か。おかえ・・・・り・・」

 そこに立っていたのは、猛禽類をほうふつさせる鋭い目をした女性。彼女がわたしの姉、織斑(おりむら)千冬(ちふゆ)です。でも、今その鋭い目線は驚愕の目で影もありません。

千「一夏・・・それは・・・いや、その少女はどうしたんだ?」

一「うん。実は―――」

 そういって起こったことをそのまま話す。すると、千冬お姉ちゃんはあきれた様子で額に手を当て大きくため息をついた。

千「とりあえずソファーに寝かせておけ。私は氷を持ってくる」

 そういってキッチンに向かう。

 その後、無事ソファーに寝かせて千冬お姉ちゃんが頭に氷を乗せる。その冷たさのせいなのかな? しばらくしたらその子は目を覚ました。

???「・・・・起きたら知らない天井・・・・あるんだなぁ〜」

 うん。冗談言えるほど余裕はあるみたいだ。すると、その子は額にのせた氷を手に持って、体を起こす。

???「・・・って、そんなギャグ言ってる暇じゃないか。それにしてもここはどこだ?」
 

SIDEout


 目が覚めると知らない天井。以前にもこんなことあったな。見たところどこかの家みたいだ。

葵「〈アギト、リイン。ステルスモードになっておけ〉」

アギト・リイン「〈了解!〉」

 一応はやてとシグナムの許可をもらってステルスモードを搭載させてよかった。

???「えっと・・・大丈夫ですか?」

 目の前にポニーテールの女の子とショートカットの女の子。そして、ショートカットの女の子とよく似た女性。多分この二人は姉妹だろう。

葵「あぁ。おかげさまで。公園から記憶が無いんだが、わざわざここまで運んでくれたのか?」

???「そうなるな」

 ポニーテールの子が腕を組んで盾に首を振った。

葵「すまん。おかげで助かった。えっと」

箒「篠ノ之箒だ」

 ポニーテールの子は箒ちゃんと。

一「わたしは織斑一夏!」

 ショートカットの子は一夏ちゃん。

千「一夏の姉で千冬だ」

 で、こちらが千冬さん。

葵「神無月葵だ」

 すると、向かいのソファーに箒ちゃんと千冬さんが座り、隣に一夏ちゃんが座った。

 そして、口を開いたのは、

千「さて、葵ちゃん。君はどこの家の子だ? 近いなら送っていくが?」

 あぁ。もうこんな時間か。送ってもらおうにも家もない。先ほど道実と確認したがあいつの拠点はどうやらフランスにあるようだ。国籍は日本のようだが。

葵「いえ。結構です」

千「そうか。わか「ねぇ、葵ちゃん」どうした一夏?」

 千冬さんの言葉をさえぎり一夏ちゃんが割って入ってきた。

一「もしかして葵ちゃんはお父さんとお母さんがいないんじゃないの?」

葵「・・・・(鋭いな)いえ、いまs「ウソだね」どうしてそう言い切れます?」

一「だって服が汚れている。あとブカブカ」

 あぁ〜服はどうやら体が縮んでも服は縮まないようだ。あと、汚れているのはお天道様から落ちたからなんだが・・・あれ? 説明不可能じゃないこれ!?

葵「・・・・(さて困った困った。どうしよう・・・)」

千「どうやら一夏の言うとおりみたいだな」

箒「どうするんですか?」

一「うちにいればいいよ! 葵ちゃんもそれでいいよね!?」

葵「いえいえちょっと待ってください。あと先ほどから言おうとしていたのですが私は男です」

 その瞬間時間は止まった。そして、

三人「「「えぇえええええええええええええ!!!?」」」

 驚愕の声が上がった。

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