小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第二十話


SIDEはやて

 さて、みんなの朝食を作らな。

 いつも通りベッドから車いすに乗りリビングに向かうといつもと違う光景が映った。

は「あれ? シグナムにヴィータ。今日は早いな」

シ「・・・え、えぇ」

ヴィ「そ、その、はやて」

 すると二人は何かを言いたそうやけど、その、何が言いたいのかがわからん。すると、

シ・ヴィ「「申し訳ありません(ごめんなさい)」」

は「は?」

 何言っているのかわからん。謝られるようなことをしたんか? でも、それやったら渡しに心当たりがあるはずなんやけど何もない。

は「二人とも何をしたん? 私には二人に何かされた覚えはないんやけどな?」

ヴィ「はやて。はやては葵が好きなんだよな?」

・・・・・え?

は「えぇええええええええええ!?」

 いきなりの衝撃発言にびっくりや!

は「そそそそ、そりゃ、確かに、私は葵君のこと好きや/// でも、なんで今さら?」

シ「それ、のことなのですが・・・・私たちもその、神無月のことが・・・好きになりまして///」

ヴィ「はやてに、そのことを報告しようと///」

 そ、そうなんか・・・・でも!

は「別にええけど」

シ・ヴィ「「え!?」」

は「そやけど、うちが正妻やで!? そこはええか!?」

シ・ヴィ「「は、はい!!」」

作者:のちに二人は語る。はやての後ろに鬼が、夜叉がいた。と。

 黙り。必殺! シャマルの料理! 行けぇええええ!

作者:え!? どこからそれをグボォ・・・・うぎゃぁぁぁぁぁぁああ・・・・(昇天)

 さて、悪も滅んだし。葵君にこのこと聞かなね。

シ「あと、それとですね」

 すると、次のシグナムの発言が私の心の中にすむ何かを呼び起こした。


SIDE Out


――ブルッ

 なんだ、今の寒気は。背筋が凍るようなあの変な寒気は。あ、やばい。今変な汗が背中に。とりあえず起床時間なので起きるか。

 寝巻から普段着に着替え、そのままリビングに向かうと、

葵「ん? どうしたんだはや――――!?」

 目の前には黒いオーラを纏った誰かがいる。いや、はやてなのは間違いない。なにせこの家で車いすに乗っているのははやてだけだ。だが、はやてから出ているオーラが何とも・・・

は「おはようさん、葵君」

 そういってこちらに振りかえって満面の笑みで朝の挨拶をしてくるはやて。だが、その笑みが何とも・・・・怖い。

葵「あ、あぁ、お、おはよ・・・」

 ひ、久しぶりだこんな恐怖は。いや、下手をすればあの戦時下におかれた方がまだましだ。

は「なぁ、葵君? 今さっき二人から聞いたんやけど二人とキスしたっていう話・・・ほんま?」

 なぜその話を!? シグナム、ヴィータ!?

 二人の方に視線を向けると、部屋の隅で二人が抱き合いガタガタブルブルとふるえていた。

そ、それよりも今はこれを回避せねば。

葵「あのな、はやて。確かに二人とはした。だが、それはあくまでも【事故】と【おまじない】だ」

は「へ?」

シ「〈おい神無月。あれを事故で済ませるのか!?〉」

ヴィ「〈おまじないって何だよ!?〉」

 ご丁寧に念話で何か意見を言っているが、

葵「〈今のはやてに真実を伝えると、その私を含めお前ら二人も・・・・天に召されるぞ? しかもその昇天方法がシャマルの料理かもしれないのだぞ〉」

 すると、彼女たちの顔がさらに青くなった。おそらく【昇天】と【シャマルの料理】というのが効いたのだろう。しかもあり得る話だ。

シ・ヴィ「「〈・・・・・回避しよう〉」」

 誰だってそうだ。真実捻じ曲げるor命が取られる。どっちがいい? て聞かれたらもちろん前者だろう。

葵「事故はシグナムだ。私が帰って来たのを知って急いで玄関に来る途中に何かに躓いてその拍子にだ。ヴィータはそのまま寝ようとしたんだが恐い夢を見たらしくおまじないでキスした。それだけだ!」

 そう言って回避する。いや、するしかない!

シ・ヴィ((く、苦しい。苦しすぎるいいわけだ!!))

 なら、君たちが考えてくれ!!

シ・ヴィ((無理だ!))

は「そっか、それなら仕方ないなぁ〜」

葵・シ・ヴィ(((ごまかせたぁーーー!?)))

 あまりにも予想外の方に転がったが・・・まぁ、そっからは、普通といっていいのかそのような朝食を食べた。

 が、

シャ「あらシグナム。その傷・・・それって!」

は「どないしたん? あ! シグナム入れ墨はアカンよ!?」

シ「え!? ち、違います!」

ザ「ヴィータにもあるな」

ヴィ「こ、これはその・・・」

 これは助けるか。またさっきみたいになるかも知れんが。

葵「はやて、さっき話したことは覚えているか?」

は「ん? シグナムとヴィータとキスしたこと?」

シャ「えぇええええええええ!?」

ザ「・・・・本当か?」

 シャマルが悲鳴みたいな叫び声を出し、ザフィーラは二人に確認をとるように見ると、

シ・ヴィ「「///」」

ザ「なるほど、本当のようだな」

葵「あとはやて。私がシグナム達とは違う魔法使いというのも知っているな?」

は「うん。しっとるで。あ、それ関連か?」

葵「察しが良くて助かる。まぁそういうことだ」

 そういって紅茶を飲みながら簡単な説明をする。まぁ途中ではやてが

は「うちもそれほしい!」

 と、言ったがまだ不明な点が多く全てが解明できたらな。と、あしらっておいた。

 さて、場所は変わり心の世界・・・といいたところだったんだが携帯が鳴ったようなので一旦スイスに来た。シグナムとヴィータには待っているように言った。

葵「どうしたんだ。急に電話なんて」

ク『あぁ、君に一つ相談でな』

葵「管理局への勧誘は断るぞ。それ以外なら良いが」

ク『君みたいな人間が管理局へ入ってくれるのはありがたいが無理強いはしない。まぁそれとは別なんだがな。実は――』

 どうやらクロノたちいわく闇の書の目的がわからないらしい。蒐集が目的なのは分かっているが、それ以上のことが何もわからないらしい。

葵「(まぁ、話すわけにもいかないからな)なるほど。なら、【不の者】事件と同様のことをすればいい」

ク『どういうことだ?』

葵「足を動かせ。つまり地道に資料探しだ。誰かそう言うのに適する者はいないのか?」

ク『そう言えばスクライア一族は・・・そうか! ユーノがいた!』

葵「あと、クロノ。すまんが集めたデータは私にも渡しくれないか。力になれるかもしれない」

ク『あぁ、分かった』

葵「それと今回はお前ら単独行為なのか?」

ク『いや。グレアム提督が協力してくれる。でもどうしてだ?』

葵「いや、もしリンディ提督以外の協力者がいるのであればその者の了承を得てさらに調べれる範囲を拡大できると思ってな。だが一人いるのであればそのものにも頼んでみろ」

ク『あぁ。ありがとう』

 そういって通信が切れた。

葵「グレアム。何かきな臭いな」

 そう言って私はギル・グレアムについて調べると、

葵「ほぉ。面白いな。あってみるか」

管理局本局に座標を合わせ、

葵「どうも。ギル・グレアム提督」


SIDEグレアム


???「どうも。ギル・グレアム提督」

ギ「な!?」

 一人の少女がたっていた。

葵「彼女たち、あなたの猫から聞いていると思いますが、自己紹介を。神無月葵です。以後お見知りおきを」

 そうか、彼女、いや彼は男の子だったな。彼が今回の計画のイレギュラーか。

ギ「ここがどこだか分かってるのかね?」

葵「えぇ。だから不可侵の結界を張らせていただきました。この中ではいかなるものでも入ることができません」

 いつの間にそんなものを・・・・

葵「さて、あなたに言っておきます。闇の書の蒐集の妨害をしないで頂きたい」

ギ「それはできない相談だ」

葵「・・・・復讐のため。ですか?」

ギ「!?」

葵「クロノの父、クライド・ハラウオンのため、その者の弔い合戦でもしようというんですか?」

ギ「・・・・・」

葵「ばかばかしい」

ギ「なんだと!?」

葵「一つだけ言っておきます。死んだ者が、クライド・ハラウオンが今回のことを知って喜びますか?」

ギ「・・・・例え彼が喜ばなくても、いつかしなければ世界が滅ぶ! 君もそれぐらいは知っているだろ!?」

葵「えぇ。ですが世界が滅ぼうが私は大切な物を傷つけてまで助かりたくはない。助かるのであれば皆が喜ぶハッピーエンドを迎えたい。そのためならあらゆる手段を探す。あなたはたった一つの方法しか見つけなかった。この十一年間その一つだけにかけてきた。でも、探せば他にもあったのではないのですか?」

ギ「そ、れは・・・」

葵「もう一度考えてみてください。本当にそれが世界のためなのか、死んでいった者のためなのか。あなたならできるのではないのでしょうか」

ギ「・・・もう、遅いんだよ」

葵「諦めるな!」

 彼は私を鋭く睨みながら叫ぶ。

葵「諦めればそれで終わりだ。何もかも。全てが。諦めず、前を向いて進め!」

ギ「まるで、経験したような口だな」

葵「経験したよ。諦めたがために友が死んだ。それでも人々は世界が助かるための犠牲といった。でも私は違う! 彼が死んだことによって不幸に突き落とされた人がいたのを知っている! その人は嘆き、悲しんだ! あそこで私が諦めなければとなども後悔した! 犠牲なくして世界は助からないと言うやつがいるがそれは違う! それはただ探すことを諦めたやつのいいわけだ! 探せばあるんだ! それを忘れるな!」

 そういって彼は私を突き放し、消えるように去っていった。

ギ「諦めるな・・・か。他に方法があるのかも知れんのか・・・」

 私はすぐにロッテとアリアに調べ物を頼んだ。他の方法を探るように。


SIDE Out


 話してわかる相手ならいいが。

 まぁ、それは置いといて私は心の世界にいます。一旦家に戻りシグナムとヴィータと合流しましたしね。今回の目的は、

葵「ヴィータのこのわけのわからない状態」

ヴィ「わけのわからないって・・・。でもそんなに不可思議なのか?」

葵「普通はその状態のままだ。私と孤狐がいい例だろう」

シ「確かに」

葵「まぁ、それを確かめるためと実力をはかるためというのある。というわけでヴィータ。少しこちっに」

 そういってヴィータをこちらに呼んだ。

ヴィ「なんだ?」

葵「執行の方法を教える」

 そういってやり方を教える。

ヴィ「なっ///!? ま、まじなのか!?」

葵「・・・・はい。嫌なら行いません」

ヴィ「(でもこれで・・・)わかった」

 そういって私はヴィータに抱きついた後、私の右手、ヴィータの左手、つまり模様がある手を握る。

葵「我、汝に問う。汝何のために力を欲す」

ヴィ「・・・・えっと」

葵「思ったことを言葉に。それだけでいいんだ」

ヴィ「はやてを、みんなを守るために!」

葵「それにウソ偽りはないか?」

ヴィ「ない!」

葵「汝の意志しかと受け止めた。契約執行。執行者神無月葵、契約者ヴィータ」

 すると、赤い光が周りを包み、そこから出てきたのは。

ヴィ「うぉ! すげぇ! ほんとに視線が高い!」

 大体18ぐらいだろうか。シグナムより少し低いぐらいの身長ぐらいにまでなっている。それに体格が何というか・・・

ヴィ「おぉ! 胸もシグナムに負けてねぇなこれ!」

シ「ヴィータ・・・なのか?」

(間違いなくな)

シ「そう言えば葵はどこにいるんだ!?」

(えーっと簡単に言うとユニゾンデバイスってわかるか?)

シ・ヴィ「「あぁ(うん)」」


(簡単に言うと私がそのユニゾンデバイスみたいにヴィータの中にいるとでも考えてくれ)

シ・ヴィ「「えぇえー―――!」」


SIDEヴィータ


(簡単に言うと私がそのユニゾンデバイスみたいにヴィータの中にいるとでも考えてくれ)

 そうか。だからさっきから胸がぽかぽかと暖かいんだ。

(ヴィータ。早速だがグラーフアイゼンを展開させてくれ)

ヴィ「あ、うん。グラーフアイゼン」

 いつも通りにアイゼンを起動させると、いつもの騎士服じゃなかった。何と言うか多少露出もある。何と言うか葵の黒騎士とよく似ている。だけど黒じゃなくて赤だ(某弓兵女バージョンの全赤)。でも帽子はそのまんまだ。

(飛翔・・・鉄翼展開)

 するとあたしの背中に鉄の翼が広がった。それは赤い翼の形をしたビット。ただ一一見は何なのかは見当もつかない。

(ヴィータはいつも通りアイゼンに集中してくれ。サポートは私が全力でする)

ヴィ「おう! シグナム! そっちは良いか?」

シ「あぁ。来い!」

 そして赤と紫の魔法色がぶつかった。やっぱ剣と鉄槌っていうのは相性が悪い。こっちは大きく振りかぶるが剣はそれを必要としない。

(ドラグーン分離。攻撃対象から防御のため魔法攻撃開始。照準よし。ファイヤ!)

 すると赤い部分の羽がいきなり分離した。

ヴィ「おぉ!」

シ「あれは分離するのか!? 魔法陣・・・攻撃!?」

―バシュウ バシュン バシュ

 すると、無数の赤い光がシグナムを襲う。

ヴィ「今のうちだ!」

シ「させる―――なに!?」

 シグナムもこちらに向かって切り込んでくるが、それを防ぐようあのドラグーンが攻撃をしシグナムの攻撃を停止させる。

(これのコントロールは私がしている。つまりヴィータは攻撃に専念しやすい環境を作るのが私だ)

―ガキィン

 シグナムは避けようにも避けるとドラグーンの餌食になるらしい。こりゃ確かに戦いやすい!

ヴィ「なぁ、葵。必殺! みたいなやつないのか?」

(あるにはあるが・・・試してみたいか?)

ヴィ「もちろんだ!」

(じゃあ少し待て。ドラグーン円形)

 するとドラグーンが円を作りその中心に赤い魔力球を作りだす。

(まぁ、簡単にいえばあれをアイゼンでぶつけ砲撃にするんだ。リヴェル・ライトっていうあっちの世界じゃヴィータみたいな武器を使うやつが使う魔法だ)

ヴィ「じゃあ行くぞ! グラーフアイゼン!」

(Eeplosion)

葵・シ「(へ・・・)

(Raketenform!)

シ「待てヴィータ! それはまずい!?」

(それはオーバ「ラケーテン!」って聞け!)

 葵が何言ってるかはしらねぇけど!

ヴィ「リヴェル・ライトォオオオオオ!!!」

 ラケーテンハンマーの要領でそのまま赤い魔力球をぶん殴る。

(シグナム逃げろ! 明らかにオーバーキルだ!!)

シ「言われなくても!」

―キュゥウウウウイン

 ラテーケンハンマーの影響なのか一旦魔力が収束し、そして

―ズガァアアアアアアアアア!!!!

 赤い光が砲撃となりシグナムがいた場所に放たれる。それが収まると、コロッセオの観客席の一部に大きな丸い穴が開いた。そしてその砲撃の通り道似あったであろう森林がク先一本越さず無くなっていた。

(・・・・想定外だ)

シ「これはお前の魔法で言うどれ位に想定するんだ?」

(私で例えるよりもっといいモノがあるぞ)

ヴィ「なんだそれ?」

葵「高町ってわかるか? あの白い子だ」

シ「あぁ。分かる」

(単純に威力だけならあの子が結界破壊にはなった魔法。スターライトブレイカーの二倍)

シ「・・・・」

ヴィ「ちょ、ちょっと待て!? それ明らかにオーバーキルだろ!?」

(だな。後契約を解除する)

 そう言うと光と共にあたしの身体も元に戻り、葵も出てきた。

葵「多分だがラケーテンハンマーの威力が相乗効果をもたらしたんだろ。ある意味あれは封印指定なるぞ」

ヴィ「き、気をつける・・・」

 すると、葵が白書のあたしのページに目を向けていた。

葵「ほぉ。ヴィータ。今雷系の魔法を使えるか?」

ヴィ「使えるわけねぇだろ。あたしは「良いかイメージしてみろ」わかったよ」

 そういってあたしがイメージすると、

―バチッ

ヴィ「うおっ!?」

シ「なっ!?」

葵「なるほど。これはキープされるのか」

ヴィ「あたしは変換資質なんて持ってねぇぞ!?」

葵「付属でそのまま維持されたんだろ。私とヴィータが契約を執行されたときについた騎士称号にならってな」

ヴィ「なんだそれ?」

葵「これだ」

 そういって葵はあたしのページを見せてくる。

―白書 【ヴィータの項目 神雷(しんらい)の騎士 ヴィータ】

葵「神の雷とはすなわち裁きの鉄槌だ。多分それにならって神雷というわけだろ。まぁヴィータにはぴったりだろ」

シ「それは私にもつくのか?」

葵「あぁ。何がつくかはわからんがな」

 そういって葵は白書をしまう。

葵「それより今日は蒐集はいいのか?」

シ「いや。一時間ぐらいなら時間ができるからな。それが終わり次第だ」

葵「そうか分かった」

ヴィ「な、なぁ葵!」

葵「ん?」

ヴィ「今日の蒐集あたしといこうぜ///!」

シ「なっ!? ヴィータ抜け駆けするつもりか!?」

ヴィ「へっ、シグナムは今日ザフィーラといくんだろ?」

シ「ならザフィーラをそっちに渡す! だから葵、私と来い!」

 なんだと!?

シ・ヴィ「「ぐぬぬぬぬ」」

―パンパン

 葵の方を見ると手を叩きやめるように促していた。

葵「それまで。私はヴィータといこう。あとシグナム。ザフィーラと行く予定ならちゃんと行け」
ヴィ「よっしゃー!」

シ「仕方あるまい。だが今度は!」

葵「あぁ約束しよう」

 まぁその後は葵の料理を食べて心の世界で一日経つのを待ち、あたしと葵は管理が異世界に向かった。


SIDE out

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