小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第二一話


SIDEフェイト

 学校から帰ってなのはとアルフと私は今私の部屋にいます。携帯電話などの使い方や昨日についてはなしています。

あと、葵はどうやら私と入れ違いでこの地球の別の国に【不の者】の調査のために行っているみたいです。でも国外にいても連絡手段として仕えるようなのであとで教えてもらおう。

フェ「そっか。アリサとすずかはヴァイオリンやってるんだね」

な「うん。メールでよくお稽古のお話してくれるんだよ」

フェ「そうなんだ」

―ガチャ

エイ「たっだいま〜」

 どうやらエイミィが帰ってきたみたいだ。

 私となのははお手伝いをするためにキッチンに向かった。

―がさがさ

エイ「艦長、もう本局に出かけちゃった?」

 そういってエイミィは私にかぼちゃを渡した。

フェ「うん。アースラの武装追加が終わったから試験航行だって。アレックスたちと」

エイ「武装ってぇと・・・アルカンシェルか。はぁ、あんな物騒なモノ最後まで使わずに済めばいいけど」

な「クロノ君もいないですし。戻るまではエイミィさんが指揮代行だそうですよ?」

ア「責任じゅ〜だ〜い」

 アルフの言うとおり結構責任重大だ。でも、エイミィなら出来ると思うな。

エイ「うっ・・・それもまた物騒な」

 エイミィはかぼちゃをなでるようにして、鷲掴みにするようにかぼちゃを片手でつかんだ。エイミィって見た目によらず握力すごいんだ・・・

エイ「ま、とはいえそうそう非常事態なんて起こるわけ・・・」

―ウーッ ウーッ ウーッ

 非常事態の警告音が鳴り響いた。なんか葵が言ってたけど嫌な予感ほどよく当たるって・・・・。このことかな。

エイ「・・・あっ」

―ごとっ 

 あ、エイミィがかぼちゃ落とした・・・。

―モニター室

エイ「文化レベルゼロ。人間は住んでいない砂漠の世界だね」

 モニターにはシグナムとアルフが戦ったあの守護獣もいた。

エイ「結界を張れる局員の終結まで最速で45分。・・・うぅん、まずいなぁ〜」

 シグナムが相手なら。そう思いアルフと視線を合わせ、

フェ「(うん)エイミィ、私が行く」

アル「私もだ」

 シグナムが相手なら私が! おそらくアルフもあの守護獣が相手だからだろう。

エ「・・・うん、お願い!」

フェ「うん」

アル「おう」

エイ「なのはちゃんはバックス。ここで待機して」

な「はい」

 私は部屋に戻りカードリッジと待機状態のバルディッシュを手にした。

フェ「行くよ。バルディッシュ」

(Yes Sir)

 今度こそ、彼女を・・・


SIDE Out

SIDEシグナム


―ウォオオオオオオオ!

 目の前にいる魔法生物は頭から体液が流れ出ているが、それでもまだ生きている。

シ「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・フゥ、ヴィータが手こずるわけだ。少々厄介な相手だ」

 葵はこれを一撃で倒したのか。さすがというかなんというか。私も負けてられん!

―ウォオオオオオオオオオン!!!

シ「っ!?」

後ろからだと!?

―フォン ヒュッ ヒュヒュッ

シ「っ・・・しまった」

 回避が間に合わず、魔法生物の触手につかまり縛られた。

―ギリギリギリ

シ「あぁぁっ!」

 締めつけられ身動きが取れない。そしてもう一匹が襲いかかって来た。

???(Thunder Blade)

―ズガァアア! バチバチバチ!!

 上空から無数の雷の剣が降り注ぎ、魔法生物に襲いかかった。

―グァアアアアアアアウオオオオオ

 上空を見るとテスタロッサがいた。

フェ「ブレイク!」

―ズドォォォン

 テスタロッサがそう告げると剣が爆発し魔法生物は倒れて行った。


SIDE out

SIDEザフィーラ


 あの雷。誰かが介入したか。

アルフはフェイトと別れ、ザフィーラの元に現れる

アル「ご主人様が気になるかい?」

ザ「・・・おまえか」

アル「ご主人様は一対一 こっちも同じだ」

そう言い、彼女は構える

ザ「シグナムは我らが将だが・・・主ではない」

 私も身構え臨戦体制に入る

アル「あんたの主は、闇の書の主って言う訳ね」

ザ「・・・・・・」


SIDE out

SIDEフェイト


エイ『フェイトちゃん! 助けてどうするの!? 捕まえるの!』

フェ「あ、ごめんなさい・・・つい」

シ「礼は言わんぞ。テスタロッサ」

フェ「お邪魔でした?」

シ「蒐集対象をつぶされた・・・」

 シグナムはデバイスにカードリッジを装填した。

フェ「まぁ、悪い人のじゃまをするのが私の仕事ですし」

シ「そうか。悪人だったな・・・私は」

―ガシュゥ

 弾を装填し終えると彼女はデバイスを構えた。


SIDE Out


―モニター室

 再びアラームが部屋中を鳴り響く。

 そしてモニターに映ったのは、葵と闇の書を持ったヴィータだった。

エイ「本命はこっち!? なのはちゃん!」

な「はい!」

 力強くなのはうなずいた。


SIDE シグナム・フェイト


シ「預けた決着は今しばらく避けたいが・・・速度はお前の方が上だ。逃げられないなら戦うしかないな」

フェ「はい。私もそのつもりできました」

 互いにデバイスを構え、そして

―タッ ガキィン

フェ「てえ!」

シ「ふっ!」

―キュゥィン ガチバチガチバチ

 お互いの攻撃をぶつけあうが障壁によって防がれる。

―ガシュゥン

レヴァ(Schlangeform)

シ「はぁぁ!」

 シグナムはレヴァンティンを連結刃にしフェイトに追い打ちをかける。

フェ「っ!」

 フェイトは何とかシグナムの攻撃を飛ぶことによって回避した。

―ガシュゥン ガゴン

(Load Cartridge Haken form)

―ガチャ!バチバチ!

 フェイトもバルデッシュをハーケンフォームに変型させ構える。

フェ「ハーケンセイバー!!」

シ「はぁぁぁ!」

 シグナムは連結刃をフェイト囲むように螺旋状態にする。

フェ「はぁぁ!」

―ブフォン

 フェイトはハーケンセイバーの魔力刃を連結刃の間を抜いて撃ち出す。

シ「てぇぇい!」

 シグナムも魔力を込めると、フェイトの周りを囲っていた連結刃が一気にフェイトに迫る。

(Blitz rush)

 さらに加速をし、

―ヒュン ズガァアアアアン

 シグナムは上空に飛ブことによって加速された魔力刃をかわすが

シ「なっ!?」

フェ「はぁぁぁぁ!」

 上空には、シグナムの攻撃を回避したフェイトがバルデッシュを振り下ろしてきた。

(Haken slash)

―ガキッ!

 しかしフェイトの攻撃は・・・

フェ「さ、鞘っ!?」

 鞘でシグナムに遮られた。

シ「はぁああああああ!」

 すると、一瞬で来た隙にシグナムがフェイトに向け蹴り飛ばす。

だが、フェイトも障壁でそれを耐えた。そして、

(Plasma lancer)

―バシュゥン!

 飛ばされているにもかかわらずプラズマランサーでシグナムを撃った。

シ「なぁっ!?」

 予想外の攻撃にシグナムも驚き反応が一瞬遅れる。

―ズガァアアアアン!

(Assault form)

 バルディシュをアサルトモードに変化さえたフェイト。

―ドカァアアン

 攻撃を受けたモノのすぐに態勢を立て直したシグナム。

レヴァ(Schwert form)

 そして互いにデバイスを再び構え、 互いに魔法陣を展開させた。

フェ「プラズマ・・・・」

シ「飛龍・・・・」

フェ「スマッシャァアアアアアアア!」

―ドガァアアア!

 フェイトからは黄色い砲撃が放たれ、

シ「一閃!!」

―ズガァアアア!

 シグナムはレヴァンティンに魔力を込めた連結はを放った。

―ズガァアアアン!!!

 だが、互いに互いの攻撃を相殺しあった。

―ヒュウン

 そしてすぐに空中に飛び立ち、

シ・フェ「はぁあああああああ!」

 互いのデバイスを再びぶつけあう。


SIDE Out

SIDEアルフ・ザフィーラ


―キィィィィ ドガァッ!

 一方アルフとザフィーラは互いの拳をぶつけ合っていた。

ザ「てえぇぃぃっ!!!」

アル「うっ!」

 そして、距離をとって息を整えるとアルフが、

アル「あんたも使い魔、守護獣ならさあ、ご主人様の間違いを正そうとしなくていいのかよ!?」

ザ「闇の書の蒐集は我らが意志。我らが主は・・・我らの蒐集はご存じない!」

アル「なんだって!? そりゃいったい!? それじゃあ孤狐は闇の書の主じゃないのか!?」

ザ「孤狐は我らが背負うはずの罪を共に背負うと言ってくれた。自ら罪に手を染めてまでも!」

―グッ

 ザフィーラの拳は今まで以上に強く握られていた。

アル「じゃ、あいつは・・・・」

ザ「自らの手を血に染め、罪に染め、それでも主のためになるならといって自ら協力をしくれている! それに、主が為ならば血に染まることも厭わなず。我と同じ守護の獣よ、お前もまたそうではないのか?」

 そういってザフィーラは拳を構える。

アル「そうだよ・・・でも・・・だけどさ!」

 アルフは悲しい目でザフィーラを見つめていた。


SIDEOut

SIDEヴィータ・葵


ヴィ「〈シグナム達が!?〉」

葵「〈まずいな。どんな状況なんだ?〉

シャ「〈うん。砂漠で交戦してるの。テスタロッサちゃんとその守護獣のこと〉」

 状況を聞く限り一対一。状況は均衡するだろうな。

ヴィ「〈長引くとまずいな。葵、どうする?〉」

葵「〈蒐集が終わり次第援護に向か・・・いや、こちらにも来た〉」

シャ「〈葵君? まさか、そっちにも管理局が!?〉」

ヴィ「〈・・・あいつか〉

 視線の先には、なの「高町なんとか!!」なんとかって失礼だな。

葵「〈・・・・ヴィータ、帰ったら日本語を学ぼうな〉」

ヴィ「〈教えてくれるのか!?〉」

葵「〈あぁ〉」

な「ふぇ! なのはだってばぁ! な・の・は! もぅ」

 すると、なのはが真剣な目になり、

な「ヴィータちゃん、孤狐ちゃん。やっぱりお話聞かせてもらうわけにはいかない? もしかしたらかもしれないけど、手伝えることがあるかもしれないよ?」

・・・・本気か? まず無理だろ。管理局は絶対に捕まえる。ましてや蒐集を手伝ってくれといってもまず不可能だ。

葵(なのはには世間の厳しさを教えるべきなのか・・・)

 すると、ヴィータが、

ヴィ「・・っ! うるせぇ! 管理局の人間の言う事なぞ信用できるか!」

な「わたし、管理局のひとじゃないもの。民間協力者」

 そういって手を広げ、優しく微笑む。

葵「・・・それでも信用できません。まず民間人であっても管理局に協力している。準管理局員の言うことですからね〈ヴィータ。確か蒐集は一人につき一回だったな?〉」

ヴィ「〈あぁ。だからこいつを倒してもページにはならねぇ〉」

葵「〈そうか。なら逃げるぞ。ヴィータははやてと合流。私はシグナム達の援護に向かう〉」

ヴィ「〈わかった〉」

葵「お話は終わりですか? ではこれで」

 手のひらに炎の球体を作り、

葵「炎孤流波(えんこりゅうは)!」

 そういってそのまま炎をなのはに向け投げると、津波のように炎がなのはを襲う。

葵「〈距離を取れヴィータ。出来るだけ森の中に隠れたあと転移しろ〉」

ヴィ「〈なんでそんなこと!?〉」

葵「〈森の中に入れば障害物が多く砲撃もまともに撃てない。行け!〉」

ヴィ「〈あぁ!〉」

 そういってヴィータは低空飛行を取り、距離を取った。

な「いくよ! 久しぶりの長距離砲撃」

(Load Cartridge)

―ガチャ ゴシュ ガチャ ゴシュ

 やっぱり来るか。

葵「我の声に応え、我の意に応え、我の命に従え(ヴィータはポイントについたか)」

ヴィ「次元転移・・・って葵が狙われてる!? 撃つのか、あんな距離から!? 葵!?」

―キィイイイイイン

 レイジングハートが魔力を集める。

葵(お手並み拝見と参ろうか)

(Divine buster Extension)

な「ディバイィィィィン・バスタアァァァァァァ!」

 放たれた砲撃は一直線に私に向かってきた。

ヴィ「葵!?」

 だけどこれぐらいなら、

葵「汝の力無力なり!」

 そう唱えた瞬間・・・

―シュパァアアアン

 砲撃は一気にただのピンクの粒子になった。

な「えぇ!?」

ヴィ「なっ!?」

孤「〈いやぁ、あれ直撃したらトラウマものだね〉」

葵「〈だな〉さて、高町なのはさん。話し合おうと言っているにもかかわらず攻撃をするなんていい度胸ですね?」

な「え!?」

葵「反撃の開始。粒子よ再び我が下に集え! あなたの技。そのままそっくりお返しします」

 私の突きだした手の前になのはと同じピンク色の粒子が再び集まる。

葵「聖なる光の砲撃!!」

 そういうとディバインバスターをそのままなのはに向けて放つ。

な「えぇええええ!?」

 なのは防御を選ばず回避を選んだか。まぁ、正しいがな。

な「・・・・・」

 自分の魔法の威力に唖然とするなのは。

葵「あなたはさっきの魔法を人に向けたんです。少しは反省してください」

 さて、ヴィータは、行ったか。ではシグナムの元へ行きますか。


SIDEなのは


 たしかに、あれはちょっとやりすぎたの。

(Sorry master)

な「ううん。わたしの油断だよ」

 わたしはレイジングハートにそう言って二人のいなくなった空を見上上げるしかできなかった。

 でも! 次こそはちゃんとお話を聞かせてもらうの!


SIDE Out

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