小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第七話


 試験も終わり今日は一日ゆっくりしよう。そう思い心の世界に行くと、

葵「・・・・だれだ?」

 コロッセオから魔法とも違う力を感じてそちらに足を運んだ。

 そこには顔見知りもいた。だが、見知らない女性が約七人いた。・・・いや、この感じどこかで・・・

 考えていると後ろから、

ウ「葵様?」

葵「ジェイルにウーノか? この子たちはウーノ、君の妹か?」

 そういってコロッセオで訓練している

 すると、ウーノがかなり驚いた表情をしていた。

ウ「え?えぇ? あ、葵様なのですか!?」

 これは珍しいな。横のジェイルを見ると腹を抱えて笑っている。

葵「はぁ、ジェイル、お前教えていなかったのか?」

ジェ「はははっはっはっは!!!」

 この反応はわざと教えていないのか。・・・それにしてもうるさい。

葵「フンッ!!」

―ガベキッ

ジェ「ゲブラッ!?」

 バカはさっさと始末すべきだろう。

ウ「あ、あの・・・葵様?」

葵「大丈夫だ。こいつは死んでいない。友人としてバカを矯正するのも仕事だろう。それより彼女たちは?」

ウ「そ、そうでしたね。彼女たちは私の妹達です。あと、貴方のことも多分知らない妹もいると思います。ですから、妹たちに教えてあげてください」

葵「分かった」

 さて、このバカもつれて行かねばらないか。ジェイルの白衣と服の襟元をつかみ、そのまま皆がいる場所に下りた。

???「てめぇ、何もんだ!?」

 赤髪で金色の瞳、えらく元気のいい子が拳を構えてこちらをにらんだかと思うと、

???「管理局の人間っすか!?」

 今度はまた違う子か。元気は先ほどのこといいぐらいだが、明るい子だ。

 なにやらその二人の子の合図と同時に私を知らない子たちが武器を構えるが、

チ「・・・・こ、この魔力は」

クア「・・・ま、間違いありませんわ・・・」

ト「だ、だがあいつは子供だったぞ!?」

ドゥ「確認するわね。あなたは葵?」

 私を知っている者たちはどうやらすぐに分かったみたいだな。

葵「答えはイエスだ。さて、はじめましてといった方がいいか? 私の名は神無月葵。この世界の保有者。とでも言っておこう」

???「では、姉さまたちを助けたと言うのも」

葵「まぁ、そうなるな。気にするな私の気まぐれだ」

 あれ? 空から降って来たときに出会っているはずなんだが・・・・あっ。そうか確かウーノ、ドゥーエ、トーレ、クアットロ、チンク以外は寝てたな。

 すると、チンクが、

チ「まぁ、気まぐれでも助かったのには違いが無い。それよりも自己紹介をしろ」

ウェ「はいはーい! あたしはナンバーズ11、ウェンディっす! よろしくっす!」

セイ「私はナンバーズ6、セインだよ」

オ「・・・ナンバーズ8、オットーです・・・」

ディ「ナンバーズ12、ディードです、よろしくお願いします」

セッテ「ナンバーズ7、セッテです」

ノ「ナンバーズ9、ノーヴェだ。さっきはすまなかった」

ディエ「ナンバーズ10、ディエチです」

 自己紹介も終わり、ノーヴェが先ほどのことを謝っている。

葵「気にするな。こちらもいきなり現れたのだ。こちらこそ済まなかった」

 そういって頭を下げる。

ノ「い、いやいいって!! あ、あたしが悪いんだから!!」

 その光景を見ていたクアットロが、

クア「相変わらず不思議な方ですねぇ〜。私たちが戦闘機人だと知っていていも普通の人として扱ってくれるのですから」

 その言葉にナンバーズの子たちが驚いていた。

セッテ「知っているのですか? ・・・私たちは人ではありません」

葵「は?」

ウェ「そうっすよ! 普通はこう恐がるもんじゃないのかって思うっす・・・・」

葵「・・・・君たちはよっぽどのバカか、それともあほか?」

ノ「んだと!?」

葵「いいか。戦闘機人だろうが、一般人だろうが結局は同じ命の下に成立しているんだ。出生や経歴など関係無い。命は何においても平等に扱われなければならない」

クア「でも、それは所詮綺麗ごとなのでは?」

葵「だろうな。偽善だろうと綺麗ごとだろうと言われても結構だ。でもな。君たちが生きているのに偽りはないのだろ?」

 すると、全員が首を縦にふる。

葵「ならそれで理由になるんじゃないか? もう私の口癖みたいになっているが生きているならそれだけで幸福になる権利も未来をつかむ権利もある。君たちには特にな」

 そう言うと、皆が唖然としていた。

ウェ「あ、あの葵兄は恐くないんすか? 私たちは人じゃないっすよ?」

葵「上の五人の姉にはいったが私も人ではない。正確には半分人だがな」

オ「では残りの半分は?」

葵「精霊だ」

ディ「・・・精霊?」

 まぁ、過去話は好きではないが私のことを説明するとやはりこうなるか。過去のことを話し、

葵「これでも化け物だと思うか?」

 すると、全員が首を横に振るう。今さらだが私でさえ自分のことを化け物と思っている。だが、私が出会った者たちはそのことを否定する。本当に救われているのは私なのではないのか。

葵「ありがとう。それと一緒だ。恐いという恐怖感情はない。それに君たちのようなかわいい子たちがそんなことを気にするな。君たちは君たちだ」

 そういって近くにいたノーヴェとウエンディの頭をなでながら言った。

全員「・・・あ、ありがとう(ございます)(っす)///」

 その後はジェイルと他愛もない世間話や、彼女たちの訓練につきあったりと色々とした。

 そして今はジェイルとウーノと話をしている。

ジェ「しかし、なぜ君は管理局に入ったりしたんだ?」

葵「簡単にえば即戦力が必要であると言うこと、そして、偽りの正義を掲げる屑どもを排除するためだ」

ジェ「はははっ! 管理局を崩呼ばわりとはえらい直球だな!」

ウ「偽りの正義?」

葵「正義を掲げる者が子供を戦場に送るか? そもそも正義を語っているのに非人道的な行為をするか? そう言った屑以下の者たちを排除するためだ」

ジェ「それはいい! ぜひその排除作戦には私も加えてほしいものだ!!」

葵「そのつもりだ。まぁ今はあの四人が全力で君の罪を消すのに働いているだろうし、君の罪が消えれば私の下で働いてほしい。それに君の技術力はとても素晴らしい物だからな」

ウ「・・・再び戦乱を起こすのですか? そのためにドクターを?」

葵「違う。彼の技術は方向性を変えれば医療の方で役にたつ。介護、義手、義足そう言ったものへのな。それに人はすぐに確保できそうだ」

 そういって私は何枚かの書類を見る。それは上層部の勝手で罪をなすりつけられた管理局員だ。

葵「この者たちは屑とか言われたり、無い罪で管理局を退職に追い込まれたものたちだ。だが、実際は違う。可能性を十分に秘めた者たちだ。これなら戦力の心配をする必要性はない」

 ジェイルとウーノはその書類を見ると、一件ただの局員ばかりのような感じがする。といってたが、

葵「こう言ったものは確かに魔法には才能がないのかもしれないが他のモノへの可能性がある。それを見つけだし適材適所におけばいい。それをするだけだ」

 余談だが、この計画の結果、葵が率いるガーディアンは海、陸、空と並ぶ第四勢力として十分やりあえるほどの実力をつけた。そして空や海が引き抜きをしようとスカウトを開始するが、恩を仇で返すものはゼロで、返り討ちにあうと言うことが多々あったとか。

まぁ、これはあと少しあとの話である。

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