小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第九話


 現在場所は翠屋。そして床に正座させられています。

 目の前には、

な「これはどういうことなのかな?」

フェ「葵。私一緒に寝たこともキスされたこともないよ?」

アリ「葵。私もそうだよ? なんではやてちゃんたちばかり優先されるのかな?」

 目の前には魔王こと高町なのはさん。そして金色の死神姉妹ことアリシア・テスタロッサさんとその妹のフェイト・テスタロッサさん。

 この状況に至るまでの回想は・・・




―葵が八神家の女性にキスし終わった数分後

葵「翠屋?」

は「そや。何でもリンディさんが今日にでもなのはちゃんの御両親に魔法に関してお話しするそうや」

葵「なるほどな」

は「で、それに関して葵君も説明するんやろ?」

葵「まぁな。それに私がいきなり翠屋に行って葵ですといっても高町家は大パニックだろ」

シ「確かに。私たちでも驚いたのだ。高町家でも神無月=子供としか思っていなはずだ」

葵「まぁ、魔法で子供になっていましたといってら魔法の説明後だったら納得するしな」

 そして、八神家総出で翠屋に行く。ちなみに今日の格好はハイネックの服を選んだ。

 なぜかって? 簡単だ、首筋までキスマークがあるんだ。これを隠すのにハイネックはちょうどいい。
 



 さて、翠屋に到着するとハラウオン家とテスタロッサ家がすでに到着していた。

葵「お邪魔します」

 そういって翠屋に入ると、

士「いら・・・しゃい?」

桃「あ、あら? どこかでお会いしました?」

美「えっと・・・・どちら様?」

 まぁ、こうなるわな。

な「あ。葵君!」

恭「久しぶりだな。クリスマス以来か?」

士・桃・美・「「「葵君!?」」」

葵「はい、神無月葵です。リンディ提督。どこまでお話は?」

 すると、紅茶を飲んでいたリンディ提督が、

リン「大体のお話は済んだところよ。あとは葵君ね」

 出来れば私がついたときに話を始めてほしかったが、まぁ、いいか。そして話をし始めた。

 今さらだが何回過去の話をするんだ私は。いい加減慣れた。

葵「――というわけです。で、こちらの姿が本来の姿です」

 そういって話を終える。まぁ、所詮は今までしてきたことと大差ないが。

士「つまり君は魔法使いで、別の世界の別の地球から来たと?」

桃「な、なんとも御伽話みたいな話ね・・・」

美「う、うん」

葵「で、ここからはリンディ提督のお話ですが、何を話そうとしていたんですか?」

 すると、リンディ提督が仕事使用になった。目が明らかに今までとは違う。

リン「・・・なのはさんを管理局への入局を認めてほしいんです」

恭「なっ!? 子供を働かせるつもりか!? なのははまだ小学生だぞ!?」

士「確かにそれに関しては私も反対だ」

 まぁ、そうなるだろうな。

 それから数十分説得に回り、さらになのはも自分のやりたいことを見つけたといって自分自身の意思を話した。

な「それに葵君もいるから大丈夫なの!」

 ・・・この子は・・・

士「君もその、管理局だったか? それに入ったのか?」

葵「えぇ。先ほど話した人間がこちらにイレギュラーとしているという情報をつかんだので。そいつを殺すために」

 その直接的な表現に場が静かになった。

葵「まぁ、そのために局に入ったんですがね」

士「まぁ、葵君がいるなら大丈夫か。同じ新人何だろ?」

葵「えっと、同じ新人であることは間違いないですがね。まぁ本当なら私もなのは達には極力管理局に入ってほしくは無いんですがね」

 理由は士朗さんや恭也さんと同じだ。子供が非殺傷設定とはいえ武器を持って戦うなんて見たくもないしさせたくもない。

葵「でもまぁ、彼女たちの意思を遵守するのであれば仕方がないのかもしれないがな・・・」

 そう言って半ばあきらめた。

葵「ちなみに試験などはどうするんだ?」

リン「なのはさんは武装隊に、フェイトさんは執務官を、アリシアさんは技術系を目指すみたいよ」

葵「なるほどな。はやてたちは?」

は「クロノ君がなんとかしてくれたおかげで罪はないんやけど。というより事件そのものがなかったことになかっとるし」

 するとクロノが、

ク「一つだけ言っておこう。今回の事件と【不の者】事件において裏から手をまわしたのは葵だ。僕は名前を貸したに過ぎない」

フェ・は・な「「「そ、そうなん(なの)!?」」」

葵「まぁ、一応入局して三提督と与えられた権限をフルに利用してな。反対する者は黙らせたがな」

 汚職した上層部の屑どもたちの罪を見せつけ情報機関に流させるぞと脅したら黙った。まぁそれで終わるわけもなくその後は社会的に抹殺してやった。

士「まぁ、葵君がいるから大丈夫じゃないか?」

葵「まぁ、全力で護らせてもらいますが」

桃「そう。じゅあなのはをよろしくお願いね」

プ「フェイトとアリシアも護ってあげてね」

葵「え、えぇ。もちろんそのつもりですが」

 なぜいきなりこんなことを頼まれているんだ?

な・フェ・アリ「「「葵(君)に護ってもらう・・・///」」」

 三人ともなぜか顔が赤いし、八神家の視線は痛いし・・・何この空気・・・。

士「しかしもう今年も終わりだと言うのに暑いな。葵君は暑くないのか?」

葵「まぁ、少し暑いですね。というか暖房のきかせすぎでは?」

 そういって腕を少しまくりあげると、

な「あーーーー!?」

葵「どうした?」

 なのはが何かに驚いたため周りを見渡すが驚くような要素は何もない。

な「あ、葵君その腕はんなの!?」

 腕? そういって自分の腕を見ると。そうだった!? 今朝のあれを忘れてた!? 

 すぐに袖を元に戻し、

葵「ナ、ナンノコトデショウ?」

 すぐにこの場を立ち去ろうとしたが、

フェ「どうしたのなのは?」

な「フェイトちゃん! 葵君の腕にキスマークの跡があったの!!」

フェ「!?」

アリ「葵、本当なの?」

 や、やばい・・・これは非常にヤバイ!!

は「あぁそれ? 私らがつけたんや!」

 はやてぇええええ!!

な「これはどういうことなのかな?」

フェ「葵。私一緒に寝たこともキスされたこともないよ?」

アリ「葵。私もそうだよ? なんではやてちゃんたちばかり優先されるのかな?」

 で、現在に戻ると。

 傍から見れば異様な光景だ。小学生の前に大の大人が正座させられているのだから。

ク「・・・何ともシュールな光景だな」

 えぇ。私もそう思う。正坐しても大して視線がなのは達と変わらない。

な「葵君! わたしにもキスしてなの!」

フェ「あ、ずるい! 葵! 私にも!!」

アリ「二人とも抜け駆けはいけないよ!! まずお姉ちゃんである私から!!」

 ときどき思う。私はだんだんロリコンになっていないか? 止めよう、自分のことな
がら哀れになってきた。

 その後ははやてやヴィータ達も加わり余計に悪化した。ただ私はその隙に抜け出し大人側に行った。

葵「・・・はぁ士朗さん。コーヒーを頼んでもいいでしょうか?」

士「あぁ。分かった。後君にならなのはを任せれそうだ」

葵「年齢を考えてください! 11歳も年が離れていますよ!?」

孤「その辺は大丈夫だと思うよ?」

葵「なぜに?」

孤「葵、不老だもん」

 おぉ。ここにきてまた新たな設定が・・・

孤「なんでも御三家がおまけでくれたみたいだよ? ただ不老不死にすると神の領域、神聖領域に入るためそこまではできないって言ってたっけ」

葵「いや、十分不老でも神聖領域に入っていると思うが・・・」

ク「その神聖領域って何だ?」

葵「簡単に言うと不老不死や生命の創造、惑星(ほし)の構築などといった神の身業と呼ばれる物を総称してそう呼ぶ」

士「君のところの魔法もかなりでたらめな力だな。はいコーヒー。君はブラックだったね」

葵「ありがとうございます。まぁ神族も魔族も精霊もいますからね」

 今さらながら確かにでたらめな世界だ。だが、私が生まれたときにはすでに魔法があると言うのが普通。そこに人、神族、魔族、精霊がそばにいるのも普通。御伽話やSF のような世界が普通になっているのだから。

な「葵君! キスプリーズなの!」

フェ「はやてたちばかりずるい!!」

アリ「私たちにも愛を平等に欲しい!!」

は「だーから! 葵君は私らのもんやと何度言えば分かるねん!?」

 まだあきらめてなかったのか・・・・。まぁ一番驚いたのは今どきの子供は発展しすぎだろいろいろな意味で。

葵「どうすればよろしいのでしょうか?」

な・フェ・アリ「「「キスちょうだい(なの)!!」」」

葵「下手をすれば私警察に呼ばれるよな」

ク「黙秘権を行使する」

リン「息子と同じ」

 目線を士朗さんと桃子さんに向けるとすっごい満面の笑み。そしてプレシアさんも。

 ただ一人恭也さんだけはすっごい殺気を飛ばしている。
 
 すると、なのはが私の目の前まで来て、

な「葵君・・・・わたしのこと嫌いなの?」

葵「い、いやそんなことないぞ!?」

 いきなり泣き出しそうななのはをなだめるためになのはの視線まで腰を下ろす。そう言って頭をなでた。だが、これが判断ミスだった。

な「なら大丈夫だね♪」

―ちゅっ

葵「・・・・・・はっ?」

 今唇に何か触れませんでした?

―シュゥゥゥゥ

な「痛っ! これが葵君との契約の証し・・・」

フェ「な、なのは何を!?」

アリ「そ、そうだよ!!」

な「じゃあ二人ともキスをすればいいの! 今が絶好のチャンスなの!」

フェ・アリ「「そうだね!」」

葵「はっ!! 私はなn「いただきます!」「フェイトに続いて!」は?」

―チュ

―ちゅっ

―シュゥゥゥ

 そして二人に刻まれた模様。

・・・あぁ、なんかだんだん私が・・・鬼畜に・・・

は「ずるいで二人とも!? 私かてする!」

ヴィ「あたしもだ!」

シ「なら参加しよう」

シャ「そうね」

リ「私も行くとしよう」

ヴェ「もちろん私もだ」

 その後八神家も介入。あぁ、本当に私は幸せ者なんだろうが・・・子供に手を出すなんて・・・

葵「あぁ、なんということをしたんだろう・・・」

 私は部屋の隅で暗いオーラを出しながら。

士「あ、葵君? 大丈夫かい?」

葵「あぁ、そう言えば士朗さん。あなたは何か流派に入っていましたね?」

士「あ、あぁ」

葵「介錯お願いします・・・・」

士「いやいやいや。その必要はないから! だから頼むからそのどこから出したか分からない包丁をしまいなさい!!」

 士朗さんの必死の説得と恭也さんによる包丁没収により切腹は諦めよう。

葵「・・・・はぁ、なぜ私はこんなことを・・・」

恭「そんなにオレの妹は不満か?」

葵「・・・想像してみてください。なのはぐらいの、あなたの妹と同い年の女の子にキスされた自分を」

恭「・・・・罪悪感があるな」

葵「まぁ、それよりも確認しますか。聖夜の書」

 久々の登場聖夜の書。

 そしてなのは達の項目を確認すると、

【閃光の騎士 高町なのは】【雷鳴の騎士 フェト・テスタロッサ】【轟雷の騎士 アリシア・テスタロッサ】

 なんともまぁぴったりな称号で・・・・・。

 その後はなのは、フェイト、はやて、アリシアの試験と、シグナム達の嘱託魔導師としての試験を受ける日時の通達が行われた。まぁこちらの文化や風習も考え三が日以降に実施することとなった。

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