小説『黄泉路への案内人』
作者:楽一()

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第一一話
 

 さて、ツヴァイ誕生から数日がたち、今日は急な連絡によって翠屋にいます。どういう連絡かというと、

桃『あ、葵くん! 今日暇!?』

葵「え? まぁ暇ですが」

桃『なら悪いんだけどお店手伝ってくれない!? アルバイトの子が急に熱を出して今日お休みなの! バイト代も出すから!!』

 バイト代か。魅力的だな。あれ? でも、

葵「なのははどうしたんですか?」

桃『それがフェイトちゃんのところに遊びに行っちゃって・・・・』

 運が悪いとしか言いようがないな。

葵「分かりました。お引き受けしましょう」

桃『ホント!? ありがとう、助かるわ』

 はやてにこのことを伝え翠屋に向かった。


SIDE八神家


は「という連絡を葵君から頂きました」

アイン「主よ。それとこれから翠屋に赴くことと何か理由でも?」

リイン「葵パパはただお手伝いに行っただけじゃないのですか?」

は「甘い! 甘いでアイン、リイン! 砂糖に練乳をぶっかけ蜂蜜を投下した甘味料並みに甘いで」

ヴィ「おぇ。聞いただけで胸やけが・・・」

 あの甘党のヴィータでもこの甘さはきついようや。

は「・・・うん。私も言とってい気分が悪い。まぁ、それは置いといて。えぇか? よう考えてみ。葵君が今行く場所は?」

シ「翠屋。高町の御両親が経営する喫茶店ですね」

は「そうや。で、なのはちゃんの御両親は?」

ヴィ「確か高町士朗と高町桃子」

は「それで桃子さんの趣味は?」

シャ「・・・・は!? まさかはやてちゃん!!」

ヴェ「おぉ。計算高い!」

ヴィ「どういうことだ?」

孤「簡単に言うと桃子さんの趣味は着せ替え。で、葵にも何かするんじゃないのかっていう話」

は「それを見んわけにはいかんやろ! というわけで皆行くで!」

全員「おーっ!!」


SIDE out


―ブルッ

葵「・・・何だ今の悪寒は・・・」

桃「どうかしたの?」

葵「い、いえなんでもありません。それより桃子さん。本当にこれを着なければならないんですか?」

桃「えぇ。もちろん!」

 はぁ、とりあえず着替えるか。

 そして数分後。着替えも終わり接客をし始めるが、

葵「いらっしゃいませ。お嬢様」

女性客「ひゃ、ひゃい///!!」

葵「ご案内します。こちらへどうぞ」

 そういって礼儀正しく接客をする。周りから「本物の執事!?」「どこの人!?」などと言われている。御三家の方々になぜかたたきこまれた。特に蓮鏡様がかなりノリノリだったっけ。

 で、言葉から推測されるように桃子さんが渡した服は執事などが着る燕尾服だ。

葵「メニューのほうをどうぞ。御注文がお決まりでしたらお声をおかけください」

女性客「は、はい! ど、どうも///」

葵「では失礼します(ニコッ)」

女性客「〜〜〜〜〜ッ///」

 営業スマイルなんだが。

 その後も同じようなサイクルでやっているとなぜか女性客の割合がだんだん多くなり全員が全員顔が真っ赤だ。風邪か?

 すると、団体客が来た。席は・・・あるな。

葵「いらっしゃいませ。お嬢様方」

な「あ、葵君!?」

フェ「ど、どうしたのその格好!?」

アリ「カッコいい///」

葵「あれ? なのは、フェイト、アリシア?」

ア「どうしたのよ・・・って葵!?」

す「うわぁ〜。似合ってるよ! 葵君!」

葵「ありがとな。さて、では小さいお姫さま方をお席までご案内いたします」

全員「・・・お、お姫様///」

葵「こちらへ」

 そういって五人を案内し、メニューを渡し、

葵「では、御注文がお決まり次第お呼びください。では、失礼します」

 一礼し一歩後ろに下がり、その場を去る。


SIDEなのは・フェイト・アリシア・アリサ・すずか


な「あ、葵君の執事姿にあってたね///」

フェ「う、うん///」

アリ「か、カッコよかった〜///」

ア「それに無駄のない動き。ほしいかも///」

す「アリサちゃん!? ダメだよ。私もほしいもん///!」

な「な!? だ、ダメだよ!!」

フェ「うん。葵は私たちに必要だもん!!」

アリ「フェイトの言うとおりだよ!」

 なのは達の席はなにやらギャーギャーといい争っていると、


SIDEout


は「葵君! 来たで!!」

 いきなり扉を開けて入ってくるのは八神家の皆様。

葵「・・・い、いらっしゃいませ」

 あまりの元気の良さにわたしも若干引いていた。

 後ろの方を見ると孤狐やヴェルまで来ていた。

葵「ではお席の方までご案内いたします」

 流れ的にはさほど変わりはない。だが、

葵「お決まりになりましたらお呼びください」

は「なら!」

 食べるものが決まって来たのか?

は「葵君をオーダーするで!」

葵「・・・・はい?」

ヴィ「あたしもだ///!」

シ「わ、私も///」

シャ「な、なら私も///」

アイン「そうさせてもらおう///」

ヴェ「う、うむ///」

孤「じゃあボクも〜///」

リイン「リインも葵パパと一緒が良いです!」

 リイン・・・・おそらくお前が考えているのよりもはるか上をお前たち考えている。だって、お前以外みんな顔赤いもん。

葵「待て・・・じゃなくて。お待ちくださいお客様。そのような品は当店では扱って「あら? 葵君。休憩に入ってもらっていいわよ」OH! なんというタイミング・・・」

 思わず本場並みの声で驚いてしまったじゃないか桃子さん!?

葵「・・・あっちもあっちで恐いし・・・」

 後ろからはなのは達が黒いオーラを漂わせながらこっちを睨んでいた。

葵「ちょっと、待っててくれ」

 そういって桃子さんに相談した結果一応OKをもらった。

葵「ちょっといいか」

 そういってなのは達の席とこちら側の席をくっつけた。

葵「これで文句はないだろ」

な「おぉ!」

 その後は皆と仲良く休憩時間を満喫し、休憩が終わるとともにすぐに戻ると、

不良「そこの彼女達」

不良2「今暇? なら一緒に遊ばないか?」

 おいおい。翠屋でナンパとはいい度胸しているな。士朗さんを見てみろ。恐い笑顔でこっちを見てるぞ。しかも相手はシグナム達か。まぁ分からんでもない。なのは達はまだ子供だし。

葵「・・・お客様。申し訳ありませんが他のお客様の邪魔になりますのでおやめください」

不良「アァン? テメぇ何様のつもりだ?」

葵「ここの店員でございます」

不良2「店員はすっ込んでろ! 痛い目見たくないならな!」

 そういって折り畳み式のナイフを出す。

シ「葵!?」

葵「・・・邪魔だといっているのが聞こえなかったか?」

 正当防衛だよなこれ。

不良「邪魔だっつってんだろ!」

 一人が突っ込んでくるが、

葵「邪魔はお前らだろ」

 相手の懐に入り、ナイフの腕をつかみ一本背負い。そして背中からもろに食らい、

不良「がっ」

葵「フン!」

 ナイフの持っている手を踏みつけ、ナイフを手放せさせ奥の方へ蹴る。

 そしてもう一人が突っ込んできたので、顔面に蹴り一発入れ、同様にする。

葵「おいガキども。次馬鹿げた行動を起こすというのであれば今度はただでは済まさない。肝に銘じておくんだな」

 心の奥底から底冷えする殺気を屑ども二人だけに当て、

不良二人「ひ、ひぃいい!」

 まぁ逃げる屑。

葵「申し訳ありません。お見苦しいところをお見せして」

客「おぉおおおおおおお!!!」

 するといきなりあちらこちらで拍手の嵐。

葵「ど、どうも。それよりもお前ら怪我はないか?」

シ「あ、あぁ(あ、あの葵はとてもかっこよかった///)」

シャ「お、おかげさまで(はぅ〜。とても頼りなんル姿でした///)」

アイン「む、無傷だ(カッコよかった///)」

ヴェ「さすが葵様だ///!」

孤「うんうん///」

その後はあの屑ども二人がくるよりも注文が殺到して翠屋始まって以来の売上高だったらしい。



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