第二十話
あれから二年がたった。なのは達も中学校三年。管理局との同時並行でかなり悲鳴をあげていた。主に勉強で。そのため出会ったらテスト対策のための勉強会をしている。
で、現在なのは、フェイト、はやて、シグナム、ヴィータ、リインは別任務にあたっており私とは別行動をとっている。
終わり次第パーティーをするといってきているので少し早目に終わらせようと思っている。
ちなみに私は、ベルカ自治区にある聖王教会を訪れていた。
理由はというと、何でもクロノの友人である聖王教会の騎士、カリム・グラシアが脅迫を受けたらしく護衛を務めてほしいと言うことだ。
何でも若くして騎士の座についたらしい。だがその若輩者の分際でと思い妬むバカもいるからおそらく
その辺から脅迫を受けたのだろう。
???「失礼ですがどちらさまでしょうか?」
葵「時空管理局三提督直轄独立機動部隊ガーディアン所属。神無月葵二等空佐であります」
ヴェ「同部隊所属。ヴェル一等空尉であります」
あの後、ヴェルと孤狐をガーディアンの副隊長に任命した。現在着用しているのはガーディアンの制服(某プラントの白服)。で、なぜかレジアスのはからいで表向き使っている階級が一個昇格。裏の中将という階級も大将へと昇格。あと、レジアスと三提督がまだ裏で何か企んでいるみたいだ。
???「!? よ、黄泉路への案内人!?」
葵「え、えぇ。それよりあなたは?」
シャッハ「し、失礼しました! 私の名はシャッハ・ヌエラと申します。シャッハとお呼びください」
葵「分かりました。シャッハ。あと私のことも葵でいいです。名字は呼びにくいでしょうから」
そういって騎士カリムのいる執務室に案内される。
―コンコン
カ「はい」
シャッハ「騎士カリム。今回護衛を務める方をお連れしました」
カ「そうですか。どうぞ、入ってください」
シャッハが扉を開け、入室する。
葵「失礼します」
SIDEカリム
クロノが私の事情を知り護衛に知り合いを送ると言ってきた。
別に断る理由もないが、彼曰く今回護衛にあてる人間を敵に回すぐらいなら管理局を敵に回した方が楽だと言っているほどだ。
本当に誰なのかしら?
―コンコン
どうやらきたみたいね。
カ「はい」
シャ「騎士カリム。今回護衛を務めるお方をお連れしました」
カ「そうですか。どうぞ、入ってください」
扉を開け、部屋に入ってくるのは綺麗な黒髪に、海のように深い青の瞳をした女性。
???「失礼します」
そして、彼女から続いて入ってきたのは、
カ「リインフォースさん?」
でもどこか雰囲気が違う。
葵「はじめまして騎士カリム。独立機動部隊ガーディアン所属。神無月葵。階級は二等空佐です。名字が読みにくいので名前で結構です」
ヴェ「同部隊所属ヴェル。階級は一等空尉だ。ちなみにリインとは同じ書物の同胞だと思っていただければいい」
葵さん・・・・そう言えばいましたね。三提督直轄の部隊の隊長・・・・あれ? 確かあの方は男性では。
カ「失礼ですがあなたは男性ですか?」
葵「えぇ。そうですよ」
カ「・・・・(なんだろ女性として負けてはいけないはずなのに負けたような感じが・・・)」
そしてもう一方は確か、ヴェルさん・・・彼女が闇の書の防御プログラムで誰も認めたなかった・・・でも今彼女は彼を皇として認めている。
カ「はじめまして。私はカリム・グラシア。はやてからいろいろとお話を聞いています。かの有名な黄泉路への案内人が護衛についていただけるとは心強いです」
そうか。彼女が・・・違う違う。彼は男性よ。でも予想外ね。彼が、護衛についてくれるなんて。地上と白は強固な関係を築いているからてっきり本局から来ると思っていたのですが。
カ「葵さん、ヴェルさん。私のこともカリムで結構です」
葵「そうですか? ではお言葉に甘えて。ではカリム。護衛を任された以上は我が身体を盾にしてでもあなたをお守りいたしますのでご安心を」
え!?
葵「カリム? 顔が赤いようですが、風邪ですか?」
カ「い、いえ! ち、違います///(体を盾にしてでも護るって、そんなこと男性から言われたことないし・・・それに、この胸の動悸が速いような///)」
ヴェ(またライバルが増えた・・・)
SIDEout
その後今後のカリムのスケジュールを確認すると、一番の確立があるとすれば聖王教会が運営している病院への訪問が一番危険性が高いと思われている。
シャ「・・・病人やけが人を巻き込むなんて」
カ「ですがどうやって捕まえるんですか?」
葵「相手が来ないなら来るように仕向ければいい。ここで来なかったら怪しまれるためこちらで捕まえればい。来たら来たで策を練ってあるのでそちらを使用すればいい。まぁ簡単言うと――」
現在は白服ではなく黒一色のスーツを身にまとっている。白服だと目立つためこの格好にしている。
そして、予定通りに病院の入り口に来ると、
葵「ここですか?〈ちゃんと呼んでいただけました? 疑わしい者たちを〉」
カ「はい。設備もすごいんですよ?〈はい。右にいる司祭たちです〉」
ちらりと見るぐらいだが五人ぐらいか。
すると、一人の少女がこちらに近づき、
少女「これを渡すように言われました」
カ「ありがとう」
少女「開けてみて!」
???(これで邪魔な存在はいなくなる。後はこれで私が・・・)
そして、カリムがそれを開けようとすると、
―ポォーン
と、軽くはじけるような音がして、紙吹雪が舞い散った。
???「なっ!? バカな!?」
ヴェ「あなたですか? フルンフィル司祭」
フル「なっ、貴様は何者だ!?」
ヴェ「独立機動部隊ガーディアンの者です。あなたを殺人未遂で連行します」
フル「はっ、どこに証拠が?」
葵「これですよ」
そういって私は今回爆弾を作った犯人と司祭が交渉する姿を映った写真を出す。
葵「証拠写真です」
フル「くっ」
そう言って逃走しようとするが、
葵「往生際が悪いですよ。チェーンデストトクレッシェンド」
すると、鎖がその司祭を捕縛する。
ヴェ「公務執行妨害も加わりました」
フル「貴様に何ができる!? たかだが二等空佐の分際で!?」
葵「おやおや。私はこういう者でしてね」
そういって身分証を出すと、司祭の顔がだんだん青くなり、
フル「・・・・黄泉路への・・・・案内人!?」
葵「はい。あなたを社会的に抹殺します。あと、収賄罪などもありますので局でしっかり聞かせいただきます。すでにこちらに白のメンバーが・・・来ましたね」
白局員「葵さん」
葵「こいつだ。埃まみれだからたたけば出てくるはずだ。そこから管理局員との関連性も探れ」
白局員「はっ! ほら、さっさと歩け!」
葵「ミッションコンプリート。ヴェル、かえるぞ」
ヴェ「はい」
カ「あの! ちょっと待っていただけますか? お礼がしたいので」
その後、手招きをされたので近づくと、
カ「今日はありがとうございました」
―チュっ
―シュゥゥゥ
カ「痛っ・・・これは?」
葵「・・・・・・・」
カ「あ、葵さん?」
葵「・・・はぁ〜。ついに聖人にまで手を出してしまった・・・あぁ、私はどうしてこうなんだ・・・」
ヴェ「あ、葵様・・・・」
その後数分ぐらいうつ状態に入った。その後なぜか聖王病院の精神科で色々と愚痴というか自分のふがいなさを語り、ちょっとすっきりした。
葵「というわけです」
その後はパス契約について説明。だが、見た限りカリムは戦闘向きではない。つまりそっち方面の強化だった。
SIDEカリム
その後のカリム
カ「ふふ〜ん♪」
シャッハ「騎士カリム。なにやら機嫌がいいですね。何かいいことがあったんですか?」
カ「実は――」
私にとっての初恋の始まりをシャッハに告げるとシャッハが彼にはライバルが多いと知った。その中にははやてやその騎士たちもいると知った。
でも、それぐらいでは諦めません! たとえ相手がはやてでも!
SIDE out