「あいつらちょっと野放しにはできねぇ」
タケ坊が立ち上がり、二人のもとに近づいていった
「あーぁ。どうなってもしらねぇぞー」
カイトは呆れながらもタケ坊の後ろからついていくと呑気に鼻歌なんかを歌っている
「おいお前ら」
タケが双子に話しかけると同時に、いきなり男の一人が殴りかかってきた
敵だと勘違いしてるようだ
あれ?敵に入るのかな?
タケが相手を交わすとすぐさま後ろに回り込み、男を抑えた
「くそっ」
ショウは小さくそう言うと悔しそうに顔を歪める
「お前らさっさと陣地に帰れ」
「あ?てめぇ知ってんのか俺らのこと」
ショウはキッと睨みつける
「知ってるよー♪君たち、いちょ有名じゃん」
「族でいう2番目ぐらいに大きいチーム、騎士龍の総長だろ?」
タケはショウを手放すと、ゆっくりと話しかける
ショウはエミの隣に行くと何か耳元で話している
すると、エミの方から近づいてきて
「もう用は済んだ。明日からはもういないから安心しろ」
エミのハスキーな声は清純そうにみえる顔に似合わない
「何の用だったんだよ」
「チームの奴らがこの学校に流れ込んだようだからな。制裁だよ」
「制裁・・・ね」
しかし、よくもまぁ暴れたもんだよな
「なぁ、お前らもしかして」
タケが何か言いかけたとき
エミはタケに背を向け、ショウとともに歩き出した
まるで何も聞く気がないかのよう
「タケ、何言おうとしたんだ?」
「ん?ああ・・・もしかしたらあのチーム、潰れたんじゃないかって思って」
「は?あんなおっきいチームが潰れねぇよ」
「だといいけど」
最近、この学校の荒れようときたら半端なかった
生徒の数も明らかに増えた感じがしたし・・
後は、他校にも流れ込んでいるような気がしてならない
「ケイに頼んでみるか」
タケはケイに、騎士龍のチームに関して調べてもらうことにした