小説『青春の別れ』
作者:ミカエル()

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翌日

タケはカイトと一緒に学校に向かっている途中

「「やめろッ!!!!!!!!!!!!!!」」

いきなり裏通りからの悲鳴にちかい声に進めていた歩を止めた

「なぁ、なんか聞いたことある声だったよな?」

「タケ坊も思った?俺もー」

二人は顔を見合すと、聞こえてきた方向に足を進めた

ばれないようにヒョッコリと顔を覗かせると、汚い倉庫の広場の中には
埋め尽くすほどの人数がそこにいた

「うわぁー喧嘩かな」

カイトが興味本位で群れの中に混じる
それをタケも後を追う感じでばれないように視察する

「「あ」」

二人は同時に声を発した

二人が見ている視線の先には、あの双子がいた

ショウが地面に倒れこんでおり、エミは一人の男に両手をふさがれていた

やばい状況であることは見てわかる

「タケ坊、どうする?」

「見て見ぬふりはできねぇーな。でもよ、この数はなぁ」

タケでさえ躊躇するほどの数
ただ喧嘩がつよくとも、数では負けてしまう確率が高すぎる

「しゃーねぇ。」

おもむろにタケが携帯で誰かと話し始めた
携帯を閉じると

「よし、暴れるぞ」

ボキッと指を鳴らしたかと思うと、思いっきり双子のいる場所へと走りだす

「あー行っちゃった」

カイトは呑気に背伸びをしながら群れの外へと移動した




タケは最初に、エミを掴んでいた男に殴りかかると、手当たり次第に周囲の男共を殴っていった

「お前!」

エミは驚いた表情でタケを見た

「ショウとかいったっけ?アイツを連れて逃げろ」

「でもお前がっ」

エミはタケの心配をしている様子だ

「心配すんな。やられる前には助けがくるからよ」

余裕の笑みを浮かべるとエミとショウをかばうようにタケの喧嘩が始まった

エミはショウを肩に担ぎながらタケの助けを借りながらなんとか群れの中から脱出した

双子から、次はタケへと標的が変わる

しかし、タケが囲まれると、バイクや車の吹かし音が聞こえた

車から降りてきた人たちはいかつい顔で、しかも刺青が大きく見えている

ヤクザの人たちであることがすぐにわかる

囲んでいたチンピラ共は逃げる者や茫然としているものに分かれた

「タケ坊ちゃん、無理しないでくだせぇ!俺らが組長に叱られますから!」

サングラスをかけた男がタケの肩を揺さぶりながら叫ぶ

「あーあーわかってるよ!だから呼び出したんだろうが!」

「タケ坊ちゃんには世話がかかるぜ。さて、誰が俺の相手をすんのかな?」

一瞬にして態度が変わる男をみて、びびった奴らは全員走り出し逃げた

「さっすがチョウヘイさん!威圧感じゃ誰にもかてねぇなw」

後からカイトがシャシャリでてきてチョウヘイの丸坊主の頭をぺしっと叩く

「おうカイト!てめぇ殺されたいのか」

チョウヘイがサングラス越しに不気味な笑みを浮かべる

「怒んなよ。あ、あいつら車に乗せといたけどどうする?」

「ん?病院にでも行かせろ。親父が診察してくれるだろ」

タケは肩を鳴らしながら車に乗った




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