小説『主人公総受け物語〜アニポケ編〜』
作者:天の河()

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第40話『漆黒の酷寒世界』

前書き

タイトルに深い意味はありません。←オイッ!


バトル終了後に、ちょっとした争奪戦要素があります。





マニューラ「マニュウウウラ!」


バイバニラ「バァイィ!」


 バトルフィールドに出るや否や、かなり好戦的な表情になるマニューラとバイバニラ。


ハンナ「サトシ君、アイリスさん。このマニューラとバイバニラは私達のポケモンの中で特に自信を持ってバトルに出せるポケモンよ」


カトリーナ「あらかじめ言っておきますが、この2体を倒すのは並大抵のことではできませんわ」


 ハンナがマニューラに、カトリーナがバイバニラに掛ける期待はかなりの自身の表れである。そんな二人に対して、サトシとアイリスは、


サトシ「まだ出会って間もない俺達に、そのようなポケモンでバトルしてくれるなんて光栄です!」


アイリス「こっちも全力でぶつからせていただきます!」


カトリーナ「ふふふ、そう仰っていただけるとこちらもバトルにより熱が入りますわ」


 サトシとアイリスは、相手の自慢のポケモンに立ち向かう不安とプレッシャーよりも、期待と興奮のほうが勝っていた。


マニューラ「マニュウ…」


バイバニラ「バイバァ〜」


 まず動きを見せたのはマニューラとバイバニラ。‘あられ’の天候を利用して、ピカチュウとドリュウズの目の前から姿を消す。


ピカチュウ「ピカァ!?」


ドリュウズ「ドリュ!?」


 突然の事に驚きを隠せないピカチュウとドリュウズ。なんとか冷静さを保ったまま周りを見回すが、マニューラとバイバニラの姿はどこにも見えない。


マニューラ「…マニュ」


ピカチュウ「ピカァ!?」


 ピカチュウは瞬時に気配を感じて後ろを振り返ると、そこにはマニューラが再び姿を現していた。


サトシ「い、いつの間に!?」


 誰にも気づかれずにピカチュウの背後を取ったマニューラ。サトシは驚きを隠せなかった。


ハンナ「マニューラ、れいとうパンチ!」


マニューラ「マニュ、マァァァァァニュウ!」


サトシ「!? ピカチュウ、アイアンテールで受け止めろ!」


ピカチュウ「ピカ! ピカピカピカァ!」


 マニューラの‘れいとうパンチ’を辛うじて‘アイアンテール’で受け止めるピカチュウ。ここまで0コンマ単位刻みで進んでいる。サトシのピカチュウもかなりの素早さを誇るが、ハンナのマニューラもそれと同等または格上の素早さの持ち主のようだ。


カトリーナ「バイバニラ、全てを呑み込むゆきなだれ!」


バイバニラ「バイ! バァァァイィィィィィ!」


ドドドドド!


ピカチュウ「ピカ!?」


ドリュウズ「ドリュドリュ!?」


 大きな轟音と地響きとともに、‘ゆきなだれ’が猛スピードで襲い掛かる。ピカチュウとドリュウズは一瞬躊躇した反応を見せるも、何とか自らの身を守った。


バイバニラ「バァイ〜」


ドリュウズ「ドリュ!?」


 ‘ゆきなだれ’を回避するのに精いっぱいのドリュウズの隙をついて、バイバニラが瞬時にドリュウズの背後に回る。


カトリーナ「今ですわ! バイバニラ、ぜったいれいど!」


バイバニラ「バァァァイ〜」


 バイバニラはドリュウズに向けて、至近距離で一撃必殺技‘ぜったいれいど’を発動。背後を取られたドリュウズには回避の術はない。


ドリュウズ「ドリュ!? ドリュリュ…」


 ドリュウズの身体はみるみるうちに凍っていき、そのまま倒れ込んでしまった。


アリア「ドリュウズ、戦闘不能! バイバニラの勝ち!」


 ドリュウズが戦闘不能状態になったことで、アイリスの手元に戦えるポケモンはいなくなった。ここから、サトシのピカチュウ1体でマニューラとバイバニラにバトルを挑むことになる。


サトシ「ピカチュウ、バイバニラにエレキボール!」


ピカチュウ「ピカァ! ピカピカピカ、ピカァ!」


 攻撃技を繰り出したことによる隙が生まれたバイバニラに、‘エレキボール’で攻撃を仕掛けるピカチュウ。だが、直撃する寸前のところで黒い物体が当たって‘エレキボール’を相殺した。


サトシ「何!?」


ピカチュウ「ピカァ!?」


マニューラ「マニュ」


 驚きが隠せないサトシとピカチュウに対して、不敵な笑みを浮かべるマニューラ。どうやら、マニューラが放った‘あくのはどう’が‘エレキボール’を相殺したようだ。状況が分かったのもつかの間、マニューラは持ち前の素早さでピカチュウに急接近する。ちなみに、マニューラの不敵な笑みは‘わるだくみ’というれっきとしたポケモン技である。


ハンナ「マニューラ、バークアウト!」


マニューラ「マニュマニィ、マニュウウウラァ!」


ピカチュウ「ピッカァ!」


 続けて、マニューラは‘バークアウト’でピカチュウを攻撃。さらなるダメージがピカチュウに蓄積していく。


ハンナ「これでフィニッシュよ! マニューラ、こおりのつぶて!」


マニューラ「マニュ! マァァァニュニュニュニュニュ!」


ピカチュウ「ピッカァ!」


サトシ「ピカチュウ!」


 マニューラは、トドメともいえる攻撃をピカチュウに浴びせる。そして…


ピカチュウ「ピカァ、ピカァ…」


アリア「ピカチュウ、戦闘不能! マニューラの勝ち! よって勝者、ハンナ・カトリーナペア!」


 途中、善戦はしたものの、相手有利の展開を最後まで崩すことが出来ずに敗れてしまったサトシとアイリス。だが、世界レベルのトレーナーとバトルしたことでかなり充実した内容になったのは間違いない。バトルを終えた4人は、バトルフィールド中央に向かってお互いに歩み寄る。


ハンナ「ここまで追い詰められたバトルは久しぶりだわ」


カトリーナ「特にサトシ様のピカチュウ、アイリス様のドリュウズ、2体ともバトル好者というような印象を受けました。かなりの数のバトルを積まれたのですね」


サトシ「いえいえ、俺達なんてまだまだですよ」


アイリス「今回のバトルを通して、世界の壁を痛感させられました」


ハンナ「ふふふ。さぁ、早くポケモン達を休ませましょう。この寒さの中で頑張ったのだから、きちんと労ってあげなくちゃ」


サトシ「は、はい。」


アイリス「あっ、それとアタシ達にも何か温かいもの用意してくれませんか?」


カトリーナ「えぇ、そうするつもりですけれど…」


 カトリーナが最後まで言い切る前に、サトシとアイリスは、


サトシ「あぁぁぁぁぁ! さ、寒い!? と、とにもかくにも寒い!」


アイリス「うぅぅぅぅぅ! バトル中、ずっと我慢していた分より寒い!」


ハンナ「ふ、二人とも大丈夫!?」


 バトルに集中して紛らわせていた分押し寄せて来たのか、身体を異常なまでに震えさせる。かなりオーバーに寒がるサトシとアイリスを見て、ハンナとカトリーナは唖然とする。その後、サトシ達は別室へと移動し、現在観戦席にいた面々を加えてバトル中に冷えた身体を温めている。


サトシ「あ〜、生き返る〜」


アイリス「ホントだね〜」


 サトシとアイリスはストーブの前で何枚もの毛布に包まりながら、年寄りじみた会話をする。現在2人は、おしくら饅頭の状態で身を寄せ合っている。自分が好意を抱いている人物と身体を密着させている状態のアイリスであるが、寒さで思考が麻痺しているせいか恥ずかしがる余裕はなかった。


※ 毛布に包まってストーブの前に位置取る場合は、ストーブの火で毛布を燃やさないように気を付けましょう。


エルヴィーラ(うぅ、いくら仕方ないとはいえ羨ましい…)


カトリーナ(アイリス様、あんなにサトシ様と密着して…)


 この光景を学院公認のサトシFC所属の二人は、アイリスを羨望と嫉妬の念を抱きながら見つめていた。現在のこの状況に別の場所にいるサトシLOVEな面々が加わった場合を想定すれば、この程度で済んでいることだけマシな方である。


カスミ(なんだろう。このモヤモヤした感じ…)


ハルカ(なんだか、負けた気がする…)


ヒカリ(このイライラ感、放ってはおけないと思うのは気のせい?)


アヤコ(? 三人ともどうしたのかしら?)


 こんなオチがあったのは別の話。尚、次第に身体が温まって思考が回復したアイリスに恥ずかしさがこみ上げてきたというのは言うまでもない。


サトシ「ん〜、久々の外の空気は気持ちいいなぁ〜」


エリーサ「ふふふ、バトルの時間はそこまでかかっていないんだけれどね」


アリア「お二人とも、慣れない環境の下で我が学院が誇るタッグコンビにあそこまで健闘したのは称賛に値しますわ」


サトシ「いやぁ、さっきも言いましたけれど俺達なんてまだまだですよ」


デント「ん〜、それにしても今回はサトシとアイリスが上手くマッチングしたグレイトなテイストのバトルだったよ」


 身体が温まったサトシ、アイリス、デント、エリーサ、ハンナ、エルヴィーラ、カトリーナ、アリアは建物の外に出て歩き回っている。時折バトルの講評をしながら、他愛もない会話を楽しんでいる。


バサッ!


サトシ「!? な、なんなんだ!?」


 そんな時、サトシ達の目の前に猛スピードで何かの物体が落ちてきた。


エリーサ(あ、あれはもしや…)


ハンナ(はぁ、性懲りもなくまた来たのね…)


カトリーナ(こ、こんな時に…)


エルヴィーラ(…しつこい)


アリア(ここ最近来ませんでしたから、いつか来るとは思ってましたが…)


 ポケヴェールの面々はこの展開をあまり良く思っていないようである。この後、サトシ達に一体何が待ち受けているのだろうか…


続く





後書き

オチが酷い、オチが酷い、オチが酷い、オチg(ry)


ポケヴェール女学院編、まだまだ続きます。

-45-
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