小説『主人公総受け物語〜アニポケ編〜』
作者:天の河()

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第51話『海上ポケモンゲットで大丈夫!?』

前書き

サトシ達男性陣が良いスタートを切った頃、女性陣はというと…


※ ちなみに、他の入園客もちゃんといますのでご安心を。←何の安心!?





 サトシ達がパルパーク内の草原エリアを歩き回っていたその頃、カスミ、ハルカ、ヒカリ、アイリス、ベル、リュウカの女性陣は、海エリアを回っていた。


リュウカ「…ところで、何故みなさんは水着着用なのですか?」


 話し合いの結果小型ボートで海に出ることになったのだが、海に出る直前にヒロインズとベルは各自持参した水着に着替えている。


ヒカリ「何故って、気分的に水着になりたかったからかしら」


アイリス「ここの海エリアは自由に泳げるみたいだし、せっかくだから水着来てみようかなって」


リュウカ「なんですか、その「そこに海があるから」理論は(汗)」


 彼女たちが水着着用の理由、簡単に言えば「ただなんとなく」である。ちなみに、何故パルパークの海エリアが遊泳自由になっているのかは不明である。


ベル「とか言いながら、リュウカちゃんだって水着に着替えているじゃない」


リュウカ「それはまぁ、そうですけれど…」


 気分で水着に着替えたヒロインズとベルにツッコミを入れつつも、ちゃっかり自分も水着に着替えていたお茶目なリュウカ。そういうわけで全員水着着用なのだが、「小型ボートに乗るのだから水着は意味ないのでは」というツッコミは無しの方向で。というかこの後、水着を着た意味があることが分かるので…


カスミ「あたしがこの小型ボートを操縦するからみんな乗って」


ハルカ「乗ってって、カスミ免許持っているの?」


カスミ「えぇ、この間取ったのよ。ていうか、姉さん達に無理やり取らされたといったほうが正しいかしら…」


アイリス「あぁ、そうなんだ(カスミのお姉さん達って一体…)」


 沖合に出るために女性陣が選んだのはクルージング用の小型ボートで、操縦するには小型船舶操縦免許(何級かは忘れたが…)が必要である。カスミの話によると、姉達にせがまれて取得する羽目になったとのことである。

※ ちなみにリアルでは、15歳以上でないとこの免許を取得することが出来ませんので悪しからず。この作品では、カスミの年齢でも特例が認められた際に取得できるという設定でいきます。


カスミ「姉さん達ったら、「水ポケモンを知り尽くすには、小型ボート位操縦できなきゃね」とかなんとか言って。別に操縦できなくたって水ポケモンを知り尽くすことは出来ると思うけれど…、まぁ言われるがままに免許取ったあたしもあたしだけどね」


ヒカリ「あぁ、ハハハ…」


 カスミから次々と出てくる姉達に対する愚痴に、ただ苦笑を浮かべるしかない面々。


ベル「でも、ボート操縦できるカスミちゃんってなんだかカッコいいわ」


カスミ「ありがとう、ベル。あたしもこの免許のおかげで、ハナダ岬の海風に当たりながらクルージングするという癒しのひと時が出来たけどね」


 カスミの意外な変貌(?)が見られたひと時であった。その後女性陣は小型ボートに乗り込み、カスミ操縦の下ボートを走らせる。ある程度沖に出たところでブレーキをかけて、そこで各人釣り糸を垂らしながら、ポケモンを待つことにした。


カスミ「これを使うのも久しぶりね」


ヒカリ「あっ。それ、以前シンオウを旅していた時サトシから聞いたことがあるわ。確か、『カスミちゃんスペシャル』だったかしら?」


カスミ「えぇ。ヒカリが知っていたことには驚きだけど、いつもこれを使ってポケモンを釣り上げていたの。ただ、最近は水中ショーとジム戦の方が忙しくてなかなか自由に釣りをする時間なんてなかったけどね」


アイリス「それと同じようなの、デントも持っているわ。でも、久しぶりの釣りで大丈夫なの?」


カスミ「う〜ん。感覚の問題とかあるから自信はないけれど、ここまで来たからにはやるしかないわ」


 カスミはここ最近の釣り不足から起きる感覚の鈍りに不安を覚えつつも、ボートから海に向かって釣り糸を垂らす。カスミに続けて、その他の面々も同じように水中へと釣り糸を垂らす。


カスミ「……!? 来たわ!」


ヒカリ「! あたしのも引いてる!」


 釣りを始めてからわずか数秒後、カスミとヒカリの釣竿に当たりが来る。2人は慎重にリールを巻きながら、自らの竿に引っかかった何かを近くへと引き寄せる。


カスミ「この懐かしい感覚…。これは大物よ!」


ヒカリ「今よ! いっけぇぇぇぇぇ!」


 ある程度リールを巻いたところで、カスミとヒカリは勢いよく竿を高く持ち上げる。


ママンボウ「ママァン〜」


ママンボウ「ママァ〜」


ベル「見て! ママンボウよ!」


リュウカ「しかも2体います!」


 水面から2体のママンボウが姿を現す。


カスミ「あたしにとって、これはゲットあるのみよ! 出てきて、ミロカロス!」


シュッ! ポォォォォォン!


ミロカロス「ミロォ〜!」


ヒカリ「あたし達も行くわよ! ポッチャマ!」


ポッチャマ「ポチャ!」


 カスミはミロカロス、ヒカリはポッチャマをママンボウとの戦闘に送り込む。それと同時に、より近くでミロカロス、ポッチャマに指示を与えるために、カスミとヒカリも海に入る。結果論ではあるが、ここで水着に着替えていた意味があったというわけだ。


ママンボウ「「ママァ〜!」」


 まず、2体のママンボウが‘アクアリング’を張る。


ママンボウ「ママァン〜!」


ママンボウ「マァム!」


バシャア!


バシャシャシャシャ!


 そして、片方は‘アクアジェット’でポッチャマとミロカロスに向かって猛突撃、もう片方は‘ダイビング’で水中へと身を潜める。


ヒカリ「ポッチャマ、ハイドロポンプで迎え撃って!」


ポッチャマ「ポチャ! ポォォォォォッチャアアアアア!」


カスミ「ミロカロス、水中で迎え撃つわよ!」


ミロカロス「ミロォ!」


バシャン!


 ポッチャマは‘ハイドロポンプ’で‘アクアジェット’のママンボウに、ミロカロスは自らが水中に潜って‘ダイビング’のママンボウに対抗する。それに続いて、カスミも懐中へと潜水する。


ママンボウ「マッ…ママンボゥ」


ポッチャマ「ポチャ!」


 ポッチャマの‘ハイドロポンプ’で進行を妨げられた格好のママンボウ。かなりの体格差のある相手を自らの攻撃技で押し勝ったポッチャマ、パワー面での成長ぶりが見て取れる。


ヒカリ「良いわよ、ポッチャマ! そのまま、れいとうビーム!」


ポッチャマ「ポォォォォォチャアアアアア!


 続け様にポッチャマの‘れいとうビーム’が炸裂。身も凍る白い光線がママンボウ目がけて向かっていく。


ママンボウ「ママッ。マァァァァァ!」


 ‘れいとうビーム’はそのままママンボウに直撃。だが、攻撃が当たる直前にママンボウが口から何かの物体を吐き出して、それがポッチャマに直撃する。


ポッチャマ「ポッ、ポッチャア…」


 物体を浴びたポッチャマは急に顔色を悪くして、さらに息も絶え絶えになる。


ベル「今のって、どくどく?」


リュウカ「恐らくそうでしょうね」


アイリス「まずいわ。早いところ決着をつけないと、ポッチャマの体力が持たないわ」


 押せ押せムードでママンボウにダメージを与えたポッチャマであるが、‘どくどく’で猛毒状態にされて不利な立場に立たされる。一方、水中のカスミとミロカロスはというと、


ミロカロス「ミ、ミロォ」


ママンボウ「ママァ」


 水中へ移動した直後に猛突進してきたママンボウを何とか迎え撃っていたところである。ちなみにカスミは持ち前の水泳技術を駆使しながら、ミロカロスから自らの姿が見えるように移動している。その理由はというと、


カスミ(ミロカロス、アクアテールでママンボウを跳ね上げて!)


 カスミはミロカロスに身振り手振りのジェスチャーで、ミロカロスに‘アクアテール’を指示する。実はこのジェスチャーは水中戦において重要なものなのだが、そのことに関しては後程触れる。


ミロカロス「ミィ、ミロォォォォォン!」


ママンボウ「ママッ!?」


 ミロカロスは素早く尻尾を下から上へと振り上げて、ママンボウを攻撃。攻撃を受けたママンボウは、海面へと向かって跳ね上げられる。


カスミ(ママンボウを追って! 次は、ハイドロポンプ!)


ミロカロス「ミィロ! ミィロォ!」


 跳ね上げたママンボウを追って、海上へと急浮上するミロカロス。それに続いてカスミも息継ぎと状況確認のために海上へと浮上する。


バシャア!


ミロカロス「ミィィィロォォォォォ!」


 ミロカロスの口から‘ハイドロポンプ’が発射される。


ママンボウ「ママァン!」


 だが、この攻撃はママンボウの‘まもる’で防がれる。


カスミ「あのママンボウ、まもるを覚えていたのね…」


ヒカリ「ポッチャマは猛毒状態にされているし、おまけにさっき‘ひかりのかべ’も使われたわ」


アイリス「ヒカリ! モモンの実よ!」


ヒカリ「! ありがとう、アイリス!」


 ポッチャマが猛毒状態のところを、アイリスが機転を利かせてモモンの実をヒカリに投げ渡す。モモンの実を受け取ったヒカリはそれをそのままポッチャマに食べさせて、状態以上を回復させた。


カスミ「ヒカリ、今からあたしが水中でのバトル方法を教えてあげる。ヒカリとポッチャマの絆の強さなら今からでも出来るものよ」


ヒカリ「便利なバトル方法?」


 今度はママンボウが2体とも水中へ身を潜めた為、同じようにカスミとヒカリもミロカロスとポッチャマとともに潜水する。ヒカリはカスミの言う『水中で便利なバトル方法』に疑問符を浮かべるも、そのまま潜水する。


ヒカリ(カスミ、一体どんなバトルを見せようというの…)


ポッチャマ「ポチャ…」


 ヒカリとポッチャマがそう思う中、カスミはミロカロスに近づいて先程のように身振り手振りのジェスチャーで指示を与える。


カスミ(さぁ、行って!)


ミロカロス「ミロォ! ミィィィィィロォォォォォ!」


 カスミから指示を受けたミロカロスは、次々と‘たつまき’を発生させる。生み出された‘たつまき’はあっという間に2体のママンボウを取り囲み、視界と行く手を狭める。


ママンボウ「「ママァ…」」


 ‘たつまき’が止んだ頃には、ママンボウ2体とも目を回して相手に攻撃を与えることはおろか、動くことすら困難になっている。


ヒカリ(す、すごい…。2体相手に効率的にダメージを与えているわ。これが、カスミの言う水中でのバトルなの?)


ポッチャマ「ポッ、ポチャア…」


 たった今繰り広げられたミロカロスの華麗な攻撃に、驚きのあまり呆然とするヒカリとポッチャマ。


ミロカロス「ミロォ〜!」


カスミ(ミロカロス、ママンボウの真下からハイドロポンプ!)


ミロカロス「ミィィィィィロォォォォォ!」


ママンボウ「「ママァァァンボ!」」


 さらにミロカロスはママンボウの真下に位置取り、‘ハイドロポンプ’を発射。‘ハイドロポンプ’はママンボウを海上へと跳ね上げる。


カスミ(…ヒカリ、今よ!)


ヒカリ(ん? あっ、ママンボウのゲットのチャンスね)


 あまりの驚きに呆然としていたヒカリだが、カスミによって我に返り、カスミ、ポッチャマ、ミロカロスとともに海上へと浮上する。そして…


カスミ・ヒカリ「「行くわよ! モンスターボール!」」


 海面へ姿を現したと同時にママンボウ目がけてモンスターボールを投げる。2体のママンボウはそれぞれのボールの中へと吸い込まれていき、海面でしばらく振動した後に制止する。


カスミ「まずは一体目。この調子でポケモンゲットしていくわよ!」


ヒカリ「えぇ!」


ポッチャマ「ポチャ!」


ミロカロス「ミロォ!」


 ママンボウの入ったボールを手にして、カスミとヒカリは祝福のハイタッチを行った。男性陣に負けず劣らず女性陣も幸先の良いスタートを切ることに成功。彼女達はここからどんなポケモンをゲットしていくのだろうか…


続く





後書き


最後のシーンが無理やりだったのは気のせいだろうか。そのせいでヒカリとポッチャマが空気になった感も…


次回は、ママンボウゲット直後からです。

-56-
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