小説『主人公総受け物語〜アニポケ編〜』
作者:天の河()

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第7話『ハルカ、ついにマサラタウンへ…』


前書き

前回のカスミとタケシ、前々回のハルカがようやくマサラタウンに到着する話です。


争奪戦の始まりの予兆!?















ここは、マサラタウン。サトシの部屋にて、


サトシ「ん〜。ふぅ、今日もいい朝だ!」


ピカチュウ「チャア〜!」


 サトシとピカチュウは今日はほぼ時間通りに起床し、同時に軽く背伸びをする。背伸びを終えたサトシとピカチュウは、リビングへと向かう。そこにはすでに昨晩サトシとハナコのご厚意でサトシ宅に寝泊まりしているヒカリが来ており、ポッチャマとともにくつろいでいた。


ヒカリ「あっ、サトシおはよう!」


ポッチャマ「ポチャ!」


サトシ「おはよう。ヒカリ、ポッチャマ。」


ピカチュウ「ピィカァ!」


 お互いに朝の挨拶を済ませた後、サトシはヒカリが座っているのとは逆のソファに座り込む。


ヒカリ「昨日は本当にありがとうね。あたし、昨日は日帰りで帰るつもりだったんだけど、サトシ達に会えたのが嬉しくてつい長居しちゃったわ。」


サトシ「いいって、ヒカリのママさんだって「俺の家だったら、大賛成!」って言ってくれたんだし。それにしても、なんで「それなら一生ヒカリのことよろしくね!」って言ってたんだけど何のことだろう?」


ヒカリ「!? サトシは気にしなくていいの///」


 ヒカリがサトシの家に泊まることはもちろんヒカリの母・アヤコに報告済みである。アヤコもサトシの仲間を思う優しさは熟知しているので、昨晩ヒカリがサトシの家に泊まることは二つ返事で承諾した。その際、サトシに対して意味深な発言を残していたのだが、これがオリンピック競技にあったら間違いなくメダルを獲得するほどの鈍感なサトシには何のことなのか分かるはずもなかった。


ヒカリ(もう、ママったら! 心臓に悪いこと言わないでよぅ〜///)


 ヒカリは心の中で、自分の母アヤコにこう思った。






ピンポ〜ン


サトシ「ん? 誰だろ?」


 サトシとヒカリが仲良く談笑しているところへ、突然玄関のチャイムが鳴る。


サトシ「ヒカリ、俺ちょっと行ってくる。」


ヒカリ「うん。(なんだろ、このもやもやは…)」


 ヒカリはもやもやした複雑な感情を抱きつつも、玄関へと向かうサトシを見送る。今ヒカリが感じているもやもや感はこれからサトシを巡る争奪戦の始まりの合図であることは、この時誰も気づく余地はなかった。


サトシ「どなたですか〜?」


玄関の扉を開けると、そこにはヒカリ同様にサトシと一緒に旅をした少女が立っていた。


ハルカ「久しぶりかも。サトシ。」


サトシ「ハ、ハルカ!? こんな朝早くから大変だったろうに…。」


ハルカ「サトシに会いたくなって、思わず来ちゃった。迷惑だった?」


サトシ「迷惑だなんて、逆に嬉しいくらいだぜ!」


ハルカ「ホントに!? それなら良かったわ。実はあと二人ほどマサラタウンに来てるんだけど、後で合流するってさ。」


サトシ「? 一体誰なんだ? 俺、結構思い当たるのはいるんだけど…。」


ハルカ「ふふふ、それは会ってからのお楽しみに!」


サトシ「なんだよ〜。勿体ぶって…。」


ハルカ「ごめんね、その二人からはサトシを驚かせたいって言われていてわたしも協力してるの。」


サトシ「そっかぁ、それならあってみてのお楽しみだな。」


 ハルカはあと二人ほどマサラタウンにいるというのだが、会話の内容からしてその二人はサトシのことをよく知っている人物のようである。前回の話、前書きを読んでいたら、いったい誰なのかは言わなくても分かるであろう。


サトシ「実は俺の方もハルカに是非会わせたい人がいるんだ。そいつに会ったら、ハルカびっくりするぜ。」


ハルカ「えっ、誰なのかしら?」


 このようなやり取りを経て、サトシはハルカを自宅の中へと招き入れ、リビングへと案内する。


ハルカ「おじゃましまーす。って、ヒカリ!?」


ヒカリ「嘘っ!? ハルカ!?」


 この2人、かつてシンオウで開催されたミクリカップ以来の顔合わせである。ハルカはヒカリがサトシの家にいたこと、ヒカリは突然の訪問者がハルカだったことに驚きの表情を浮かべる。


ヒカリ「ホント、久しぶり〜! 元気にしてた?」


ハルカ「もっちろん、元気いっぱいかも! ヒカリも元気そうで何よりだわ。ポッチャマも久しぶり。わたしのこと覚えてるかしら?」


ポッチャマ「ポチャポォチャ!」


 ハルカに声をかけられたポッチャマは、元気よく返事をする。ハルカも加えてしばらくリビングで談笑していたが、ハルカはふと思い出したように、


ハルカ「あっ、そうだ。そろそろ待ち合わせの時間ね。ヒカリもいたから、ちょうど良かったわ。サトシとヒカリに会わせたい人がいるの?」


サトシ「さっき言ってた二人のことか?」


ヒカリ「えっ? なになに? 全く話が見えないんだけど…。」


ハルカ「あっ、ヒカリにはまだ言ってなかったわね。実はサトシの家に来る前にある二人の人物にばったり会ったのよ。その二人は既にマサラタウンにいて、一人はヒカリもよく知ってる人よ。」


ヒカリ「あたしがよく知ってる人って、心当たりがいすぎて分かんないわ…。」


サトシ「ハルカ、勿体つけて教えてくれないんだぜ。」


ハルカ「まぁまぁ、あってからのお楽しみということで。」


ヒカリ「ん〜、まぁ、それもそうね。」


サトシ「じゃあ、早速会いに行ってみるか。あっ、上で出かける準備してくるから少し待っててくれ。」


ハルカ・ヒカリ「「えぇ、分かったわ。」」


 そういうと、サトシは出かける身支度を整えるために、ピカチュウとともに一旦自分の部屋へと戻っていった。リビングに残されたのは、ハルカとヒカリ、そしてヒカリのポッチャマである。


ハルカ「ヒカリもサトシに会いたくて、マサラタウンに来たんでしょ。」


ヒカリ「うん。ということはハルカもサトシに会いたくて来たのね。」


ハルカ「えぇ。」


 ハルカとヒカリ、お互いにマサラタウンに来た目的を確認しあう。そしてしばしの沈黙がサトシ宅のリビングに流れる。


ヒカリ「あたし、サトシのことが好き。だからハルカには負けられない!」


ハルカ「わたしだって、サトシのことが好き。ヒカリには絶対に負けられないわ!」


 そして、サトシを巡る恋の戦いの火ぶたが切られる。ただ、サトシを好きな女性はヒカリやハルカだけではない。2人とも知っている範囲でそれは熟知している。だから、尚更想い人と結ばれたいという気持ちが強い。


ポッチャマ「ポチャア…。」


 ポッチャマは、ヒカリとハルカが醸し出す雰囲気に圧倒され唖然としている。サトシを巡る恋のバトルは混迷を極めそうな予感だ…


続く…






後書き

次回以降、サトシ争奪戦に新たなる参戦者登場!?

-9-
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