小説『FAIRY TAIL PSIを使って大暴れ』
作者:OR()

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第63話 ギルドの怒り


━Side アゲハ━


キュイン


アゲハ
『うおっ!!?ンだよこのシェイドの数!!』

魔力を使い果たしてギルドで眠っているレナの保護のため妖精の尻尾の目の前にテレポートしてきたオレは目の前に広がる光景に思わず声を出して驚いた。

いや、仕方ないんだって。目の前にシェイドがうじゃうじゃいるんだぜ?そりゃびっくりするだろ。

カナ
「アゲハ!!?アンタ何でここに!!?」

カナが目を見開いて驚きながら聞いてきた。

アゲハ
『お前らの方がヤバそうなんで加勢に来た!!けどその前にレナはどこだ!?』

カナ
「まだギルドの中で寝てる!!避難させたいけどシェイドが強化されて人手が足んないんだ!!アンタが安全な場所まで避難させてくれ!!」

アゲハ
『分かった!!すぐ戻るからそれまで持ちこたえてくれよ!!』

カナ
「当たり前!!!」

アゲハ
『頼んだ!!』

オレはカナと別れてレナの元へと駆け出す。ギルドの門をこじ開け、レナが寝ているテーブルへと向かった。

アゲハ
『レナ!!』

眠っているレナに呼び掛けるが目覚める気配はない。

アゲハ
『すぐに目を覚ますのは無理そうだな……』

こんな小さな体でギルドを守ったんだよな。

アゲハ
『よく頑張ったな、レナ。お前がみんなを守ったんだ』

レナの頭を撫でながら、そう言った。その後、自宅へとテレポートしようとした時、背中をツンツンとつつかれた。

アゲハ
『ん?お前……』

振り返ると敬礼のポーズをとったダメQがいた。オレがダメQに向き直るとダメQは自分の胸を叩いた。

アゲハ
『プッ、くくっ…自分に任せろってか?』

コクコク、と首を振るダメQ。本当に人間味のあるやつだな。そして、思ったよりも頼れるやつだ。

アゲハ
『分かった。お前も一緒に家に転送するから、レナの事……よろしく頼むぞ』

最後にビシッと敬礼したダメQと一緒にレナを家に転送した。


ゴゴォン


アゲハ
『うおっ!!』

轟音と共にギルドが揺れる。カナやみんなの悲痛な叫びが聞こえてきた。

アゲハ
『加勢にいかねえと…!!』

割れた窓から外に出て、みんなの元へ急ぐ。

アゲハ
『!!あんにゃろうども…!!!』

外に出た瞬間、ギルドを壊そうとしているシェイドたちを発見。

アゲハ
『オレたちのギルドに手ェ出すんじゃねぇ!!!』


ドガガガガガガガガ


ありったけの力でシェイドたちを殴り飛ばした。バーストエネルギーを纏っての攻撃なので呪われる心配はない。

カナ
「アゲハ!!」

アゲハ
『待たせたな!!お前ら、大丈夫か!!?』

見渡せばギルドのみんなは満身創痍だ。戦況も劣勢。だが……

「おおっ!!」

「まだいけるぜ!!」

「ギルドを守るんだ!!!」

みんなオレの問いかけに頼もしい答えを返してくれた。

アゲハ
『ははっ、頼もしいな。それじゃあオレもいくぜ!!創造【クリーチャーズ】!!!』

十数個のイルミナを取り出し、禁人種を作り出す。禁人種たちはそれぞれシェイドと戦い始めた

アゲハ
『ガッ!!痛ッ……』

頭が割れるように痛む。これまででPSIを使い過ぎた。

カナ
「アゲハ!?もしかしてアンタ相当無茶して…!!!」

アゲハ
『大丈夫だ、気にすんな!!』

カナ
「でも!!」

アゲハ
『目の前の敵に集中しろ。それよりオレはもう一回あいつ等んトコに乗り込む。ここは任せていいか?』

カナ
「………分かった。アンタも無茶すんなよ、ミラが泣くからね」

アゲハ
『ははっ、ミラにも無茶すんなって言われたよ。…………行ってくる!!』

カナ
「行ってきな!!こっちは任せて!!」

アゲハ
『おう!!』

オレは再びファントムへ向かって走り出した。

アゲハ
『はぁっ……はぁっ……』

ゼロギアのリバウンドが回復しきっていない上にここまでPSIを多用してきたせいでオレの体はもうボロボロだった。

アゲハ
『けど……原作と違ってジイさんが間に合う保証はねぇんだ……オレが行かなきゃ…!!!』

原作と違ってアリアの魔法を食らっただけでなく、心臓の病気まで襲いかかったんだ。間に合う保証はない。そうなるとジョゼと戦っているあいつらは……!!!

アゲハ
『急がねえと…!!もうあいつらはジョゼと戦ってる…!!!』

オレはファントムに乗り込み、ジョゼの魔力を感じる場所まで全速力で向かった。



━Side Out━



━Side エルザ━


ドゴォオオオオオオン


ジョゼ
「クク…よく暴れまわる竜だ」

ジョゼと向き合う中、ファントムのギルドが崩れていく。ガジルと戦ったナツがやったのだろう。ミラ、グレイ、エルフマンはすでに気絶している。

エルザ
「ナツの戦闘力を計算できていなかったようだな……わ…私と同等かそれ以上の力を持っているという事を……」

ジョゼ
「フン、謙遜はよしたまえティターニア。現にこの私と戦い…ここまで持ちこたえた魔導士は初めてだ」

ジョゼは肩を竦め、言葉を続ける。

ジョゼ
「アリアとの戦闘さえなければもう少しいい勝負をしていた可能性もある。そんな強大な魔導士がねぇ……」

ジョゼは私に手のひらを向け、魔力を集束させてきた。

来る!!

ジョゼ
「マカロフのギルドに他にもいたとあっては気に食わんのですよ!!!」


ズバァ


ジョゼが攻撃を放ってくる。くそっ、魔力が足りん。防げな……


バチィ!!!


エルザ
「!!」

ジョゼ
「なっ!!」

ジョゼの攻撃は弾かれ、私に当たることはなかった。私の目の前には普段は少しお調子者だが、いざというときは頼れるあいつがいる。私なんかよりも遥かに強い…あいつが……

エルザ
「ふっ、ジョゼ……お前の機嫌はさらに悪くなる。もう一人、ここに私よりも強い男がいるぞ」


ゴゥ!!!


魔力とPSIが高められ、風圧が起きる。

エルザ
「行け、アゲハ……」


ガッ


ジョゼの顔面に拳がめり込む。そしてアゲハはそのまま……


アゲハ
『うぉぉらぁっ!!!!』


ドォオオォォオオオン!!!!


思いきり、ジョゼの顔面を殴り飛ばした。

ジョゼ
「ぐぅっ…!!」

アゲハ
『こんなもんじゃ済まねぇぞ…!!みんなを傷つけ、ギルドを壊し、仲間を泣かせたお前をオレは絶対に許さない!!』

顔を押さえてうずくまるジョゼにアゲハが言い放った。

アゲハ
『立てよ……ギルドの…オレたちの怒りを思い知れ!!!』



暴王と聖十大魔導の一人との戦いが



今、始まった



━Side Out━

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