小説『テンプレなオリ主モノ』
作者:アゲハ()

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「誰かの為に」

「どうやら、君の生徒達の時間切れのようだね」
 勝ち誇っった顔がウザイ。さらにこいつ、ドヤ顔してやがる。レアですねー。
「はっ!!なに、俺の活躍する場面が増えたに過ぎんよ。主役は俺だ!!脇役の人形はすっこんでろ!!」
 しかし、こちらが劣勢なのは変わりない。俺が拘束術式を解放すればいいが、京都崩壊に繋がるしなぁ。
「だが、時間がないのも事実だ。悪いが、そこにいな」
―自由縛鎖、構築完了
―展開
 地中と水中と空中から魔法陣が展開される。それも一個や二個ではない。百は超える。石柱も拘束完了。
「自由縛鎖。てめーの障壁ごと捕縛させて貰ったわ、時間がないんでね。俺は行くな」
 これで時間稼ぎにはなるだろう。まだ『自由縛鎖』も完璧じゃねぇ。精々60%とといったところかな?
「これは!?」
「じゃーね、今度会うときゃ、『答え』を聞かせて貰うぜ。フェイト」
―テレポートプログラム、構築完了
―対象、フェイト・アーウェルンクス
―転送完了
 さってっと、鬼神殺しを始めますか。

「さて、それじゃ皆さんはこのか救出をお願いね」
「先生は?」
「俺は鬼神を殺す」
「「「「え?」」」」
 全員が理解出来ていないのか。
「まぁ少し唄を詠うから、まずは足止めからかねぇ」
 詠唱時間は欲しいからな。飛び切り頑丈な拘束魔法を作ろう。
「だから、少しの間お前らで頑張ってくれよ……」
―テレポート発動


 背後に移動したものの
「鬼を殺す、かぁ。喰うほうが楽な気がするんだが…」
 喰って、いいですか?いいんですかねぇ。
「……原作?なら確かエヴァが殺すんだが……」
 それすらも危うくなっている。俺が乱しすぎた。
「ふむ、やはり、戦力確保の為、喰らったほうがいいのだろ」
 鬼神の腕だけでもかなりの利用価値がある。それに、向こうにも脅しとして使える。
「さて、決まったなら、攻めよう。こちらが劣勢なのは変わりない」
 戦局は、此方に傾いたとは言え、未だむこうが有利なままだ。
「アブラ・ガダブラ」
 分身を使い、鬼神を七方向から囲う。
「拘束魔法術式、多重展開」
 魔法陣を一斉に展開し、
「行使」
 放つ。勿論、宝具も使う。使う宝具は、『天の鎖』。贋作とは言え、神性が強い鬼神には丁度いいだろう。
「どうだ、鬼神よ。近距離戦なら、俺が負けるかもしれねーが、遠距離からの拘束魔法なら勝手が違うだろ?」
―永続魔法行使陣、追加
―多重拘束魔法、常駐化
「こいつは俺の特製魔法だ。受け取れ、鬼神…」
 拘束術式、『クロムウェル・改』現在第一号まで解放中。
―敵完全沈黙確認後、自動封印設定
―再生能力封印、限定大幅解放を承認
―魔力制限機能、八割まで解放を承認
―膂力制限機能、全設定解除
―魔力解放により、固有結界『無限の剣製』が解放可能

―固有結界『無限の剣製』の発動を選択

「エヴァ、見ているか」
「なんだ、バレていたか……」
 当たり前だ。そんなにデカイ魔力が傍にいたら、いやでも気付くさ。
「俺は本気を出す。少しだがね。故に見ていろ、最強の魔法使いよ」
「ほう、貴様が本気か」
「少し、お行儀の悪い神様に躾さ」
「ならば、任せよう」
 あぁ、任された。

「さぁて、暴れるか……」
 詠唱を始める。
 概念を込め、誰かが為に葬々の唄を歌う。
―他数名の魔力及び生命反応を感知
 気にするな。さぁ、詠おう。

「I am the bone of my sword.」
―――体は剣と化していた

「Monsteris my body,and broken my heart.」
―――心は壊れ、姿は化物

「I have created over a thousand genocide.」
―――幾度の殺戮を経て腐敗

「Unbroken to Death. 」
―――心を壊し

「Nor killing to life.」
―――人を外れる

「Have withstood pain to create many weapons.」
―――化物は人を喰らい武器と成す

「Yet,those hands will never hold anything.」
―――故に、障害を喰らい尽くし

「So as I pray, UNLIMITED BLADE WORKS.」
―――その化物はきっと、剣に成りたかった

 歪な炎が、結界となり、世界を区切る。

「なッ!?これはッ!?」
「俺の世界だよ」
 無限の剣製にしては、酷く無様だ。
 何故なら、空は満月が輝いているだけだ。雲一つなく、満月が孤独に孤高に輝き続ける。屍の上に剣が突き刺さり、屍の山が所々見える。それが彼方遠くまで続き、黒い炎が周囲を区切っている。勿論、無限に剣は存在する。

「これが俺の世界、『無限の剣製』だ」
 これはもはや別物だがね。アーカードと『暴王の月』が混ざり合っている。正しく混沌と矛盾が両立している、矛盾した世界だ。

「さぁ、鬼神よ。場は整った。戦おう」

 鬼神が叫び、世界が震える。
「さぁ、剣よ踊れ」
―中空待機
―待機
―待機
―待機
「層写」
 俺の声と共に、剣が飛ぶ。鎖に繋がれ、自由を失った鬼神は叫ぶ事しか出来ない。
「魔法よ、踊れ。剣と共に、踊り狂え」
 両手を翳し、魔法陣を作り出していく。十では足りない。百をも超える、魔法陣を作り出す。
「手加減無しだ」
 遠慮と容赦もないしな。
―魔法構築
―魔法展開
―魔法構築
―魔法展開
―魔法構築
―魔法展開
「そら、喰らえ」
―全魔法陣、連続発射
 あれ?ノリで魔法ブッパしたけど、向こう側にアイツらいるんじゃね?
「……まっず」
―テレポートプログラム、構築
―構築完了
―発動

「……ダイジョブ?」
「死ぬかと思いましたよッ!!」
 刹那様、ご乱心ですぅ。このか抱えてる辺り、無事に救出出来たようだな。しかも翼がある。刹那たん、マジ天使。
「アンタ先生なんでしょ!?もうちょっと、生徒の事考えなさいよ!?」
 明日菜さん、ごめんなさい。俺かて必死やったんやて。
「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダ」
 ネギが壊れている。何げに一番重症だな。
「アニキィ……」
「……マジでごめん」
 どうやらネギが俺の剣と魔法の嵐を、ギリギリで防いだようだ。さっすが英雄の息子!!俺達に出来ない事を平然とやってのけるッ!!そこに痺れるッ!!憧れるッ!!本当にトラウマものです、ありがとうございます!!
 つか、防御魔法無視系統あったんだけどなぁ。あぁ、明日菜か。
「それより、先生。さっきの詠唱は……」
 現在、明日菜とカモはネギを慰めてます。このかも横で寝ている。
「あれは、俺の歌。俺が俺であれる証明」
 あの歌こそ、俺である。
「感想は?」
「……悲しかった、です……」
 泣きそうだねぇ。

「それでいい。それでいいよ、刹那。お前は、俺の様に成るな。俺の様に、成り果てた―――文字通り成って果てた―――正真正銘の化物に。
 俺は人間でいられなかった、ただの弱虫だ。それでも、泣きたくないから、鬼に。化物に成ったんだ。これが、末路だ」
 お前はまだやれる。人間だ。

「故に、あの歌だ。人を守りたかった化物は、剣にも成れず、ただの化物のままさ。お前はきっと、守る剣に成れる。けれど、それ以上に、人として生きてくれ。
 俺はもう遅い。今も、昔も、ただ、殺しただけ。変わらず、変えれない。だから、俺の願いを代わりに、叶えてくれ」
 誰かを守りつつ、人として。それは難しい。けれど、遅すぎた俺ととは違う、この娘なら、きっとそうあってくれる。

「きっと、お前なら大丈夫だよ。幸せに成れる」
 確信を持って言える。
 もしダメでも、俺がそうする。邪魔するモノは、一切合切壊し尽くす。
(なぁそう、思うだろ?エヴァ……)
(……フン、そいつ次第だ)
 そうかい。まったく、素直じゃねーな……
「エヴァにゃん無事?」
(あぁ、貴様の御蔭でな……)
 うん。完璧怒ってるお。もう、怒気が孕んでる声って感じだしな。さっきまで空気読ん
でた可愛いエヴァニャンはどこへやら……
「それとこっち来れる?―――面白い魔法見せてやるよ」
 俺の特別製魔法、と言うかグロ魔法ですが。
(言ったな……?ククッ、私を満足させてみろ)
 アイアイサー。俺に出来ない事はない(キリッ(`・ω・´)
「さぁて、鬼神は大分弱ったな。これなら使えるか……」
 もともと、捕喰するには元気が良すぎたからな。弱らせ、捕まえる。ポケモンバトルの基本である。
「……魔力残量は充分だ」
 位置も把握している。もとよりここは俺の世界。逃れれる筈はない。
「見に来たぞ。貴様の言う、面白い魔法とやらを……」
「あぁ、コレが、俺を化物たらしめる、化物のマジックさ」
 俺が不死身に見える理由。種も仕掛けもありましたよ、まったく。
「化物の御技、とくと御覧有れ」
―死の河、擬似的に展開
―魔法陣からの発動
―拘束魔法、解除

「喰らい喰らわれ、喰い尽くせ。お前はその為にある。
 生命を奪い、奪い尽くせ。お前はその為にあるだから。
 さぁ、我が糧よ。跪け。王がお前を喰らって、奪って、貪り尽くす!!」

―『混沌と生命の沼』、発動
 今回は前回と出来が違う。前回は即効で放ったが、今回は概念をジックリコトコト込めて作った、特別性だ。
 この為に、七方向から円を描く容量で拘束魔法を展開したんだ。
―捕喰
―捕喰
―捕蝕、完了

「御馳走様」
 鬼神殺し、完了。

「まったく、とんだ戯言だ」
 世界が壊れ、世界が見える。
「それでは、皆さん。サヨウナラ」

 長い夜は、終わりを告げた。

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