あれから3年が経ち、○○は死んだ。
大概誰かが死ぬと、ご家族の方が引き取り、葬儀屋に依頼して葬式を開いてから燃やす。
彼に関しても同じであった。奥さんは涙を流していたが、2人の娘さんは無表情であり、
全く心を痛めている様子は見られなかった。
お孫さんたちはなにが起きたか分からないような顔をしていた。
○○が死んだ日の夜、ちょうど私は見回りで彼の死に出くわした。
私は、菜箸を使って彼の胃に老人ホームの庭に咲いている「地獄の花」である「ヒガンバナ」を押し込んでやった。
むろん、ご家族や老人ホームの人たちには秘密である。
もし死後の世界があるのなら、
たっぷり死んだ後にも苦しんでもらいたいと思う、
私の自己満足である。
そして、死後の世界にあるはずである「地獄」の管理人へのメッセージでもある。