小説『ひまわりの笑顔』
作者:櫻井音羽(音羽.Com)

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私はふと、窓に目をやった。

外は夜と見間違えてしまいそうなほど薄暗い。

雨つぶがコンクリートにおちて、弾けていく。

時々地をも震わせそうな雷が轟(とどろ)く。

朝からの嵐で、花壇の花々は荒らされた後のようである。

数ある花の中、ある花が私の目についた。

背丈は1メートル足らず。

今度、小学生になる娘の百花くらいだろうか。

―ひまわりである。

写真や絵のそれが笑っているのだとしたら、泣いているような。

頭(こうべ)を垂れて、がっくり肩を落として、それでもまた太陽が昇ることを切望しているようだ

いつの間にか、私と重ねてひまわりをみていた。


「真知子さん?私の話を聞いているのかしら」

苛立ちげな姑(しゅうとめ)の声。

あぁ、またこの人の説教がはじまるのか。

心のなかでため息を漏らす。

隆史さんが気になるのは分かるけどいい加減放っておいて欲しい。

何が悲しくて夫婦間の口喧嘩に口を挟まれなくてはいけないのか。

おせっかいもほどほどにして。

そりゃあ、家事を手伝ってくれるのは嬉しいけど、

私がパートで稼いだお金を当たるかもわからない宝くじやロト6につぎ込まないで欲しい。

イライラしてきたっ!


「・・・はい」

夫の隆史さんと姑を少し睨む。

「なんですか」





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