小説『僕は勇者ではなく騎士だ』
作者:餓鬼()

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いつものようにうるさい目覚ましで起こされ目を開ける。

「ふぅ、もう朝か」

 布団から出て制服に着替え一階に降りる。

「今日はパン一枚でいいか」

 親が海外に主張中で家には誰もいなく一人で朝食を食べる。

「そろそろ出た方がいいか」

 二回に戻って本棚から一冊の小説を取り出しそれを読みながら玄関に向かう。

「行ってきます」

 誰もいない家に一言言って外に出る。

「眩しい」

 面倒くさいが友人の家に寄ってから行こうか、そう思い本を読みながら向かっていると上の方から誰かが飛んだのか地面に影が映し出されていた。

「馬鹿か」

 そう呟きながら近づいていく。

「おはよう、ユウ」

 金髪の少年が挨拶をしてきた。

「おはよう、シンクにベッキー」

 挨拶をするが本を読むのは止めない。

「登校中ぐらい本読むの止めたら」

 ベッキーが話しかけてくるが

「これだけは止められない」

「ユウは本が好きだもんね」

 シンクが良いことを言ってくれた。

「それにこれ以外に趣味がないから」

 その言葉に反応したのかシンクが

「ならユウもアスレチックしようよ」

「一日で全身が筋肉痛になりそうだから止めとく」

 体を動かすのは別にいいが僕はシンクほど体を動かすのが得意ではない。

「そう言えばユウはイギリスに帰るんだよね」

「そうだな、途中で学校抜けるけどどうした?」

 何を言おうとしてるんだ?

「今年も別荘に行くんだけどユウもどうかなって」

「僕は行けるけど親は絶対に行けそうにないな」

 親の仕事は忙しくそうそう抜けてくることが出来ないらしい。

「ならついでにナナミも誘っといてよ」

 ナナミは僕らのもう一人の知り合いだ。

「まだ連絡してなかったのか?」

「連絡はしておいたんだけどユウも一応言って欲しいんだ」

 両手を合わせて頼んできた。

「わかったよ。一応、言っておくよ」

 話している間でも読んでいる本は閉じない。

「それにしてもユウはその小説好きだよね」

 読んでいるのは騎士が活躍する物語

「これは僕の中で一番のお気に入りだからね、シンクも読んでみる」

 そこで本を閉じて渡すしぐさをすると。

「そうだね、今度読ませてもらうよ」

「これは数回読み返した方が良い絶対に」

「本のことになるとシンクと同じくらいに興奮するよねユウは」

 ベッキーは呆れながら言った。

「しょうがないだろこれしか趣味がないんだから」

 そんな他愛もない話をしながら学校に向かう。

「ふぅ、やっと帰れる」

 学校に居た時は閉じていた小説を開いて再び読み始める。

「シンクと途中まで行くはずなのにな」

 クラスが違う僕らは玄関ホールで待ち合わせをしていた。

「遅い」

 五分以上待っても来ない。

「ちっ、迷惑がかかる奴だ」

 下足ホールを出て上を見上げたらシンクがいた。

「遅いぞ」

「待ってそこ危ないから」

 何か知らないが地面にピンク色の魔方陣みたいなものが出来上がってきた。

「?」

 出来上がった魔方陣みたいなものに少しずつ引きづりこまれていく。

「はっ?」

「うわぁぁぁぁぁぁ」

 下にどんどん落ちていき上からシンクが降ってくる、落下地点は僕の頭に直撃コースだ。

「死んだ」

 そう呟いた瞬間に頭に凄い衝撃が襲い目の前が真っ暗になった。

 死ぬのか?

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