小説『僕は勇者ではなく騎士だ』
作者:餓鬼()

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 スケィスが完成して俺の気分は最高だ。

「これであいつを超すことが出来る」

 そう言って自分の右手を握りしめる。

「その力を過信するのは危険でござるよ」

 ダルキアンが水を差す。

「何がだよ」

 ユウはせっかくの喜びに水を差されてイラついた

「その力は強大過ぎて危険でごあることを覚えてほしいでござる」

「わーったよ」

 軽い返事で返すユウ

「その油断が悲劇を起こすでござるよ」

 その言って

「それでは修行を再開するでござるよ」

 そう言って武器を取り出した。

「実戦で行くのか」

 そう言ってユウも武器を出す。

「実戦の練習も必要でござろう」

「あぁ、いいぜアンタとの練習は身体を鍛えるのに丁度いいからな」

「では、行くでござるよ」

 そして、実戦訓練が始まり日が暮れた時に終わった。

「それにしてもここは空気が良くて休憩もしやすい」

 館に戻り縁側で黄昏ていた。

「元に戻ったか」

 ヴァレリーが縁側に現れた。

「どうも」

 ユウはお茶を飲みながら挨拶をした。

「はぁ、そのお前の方が話しやすいぜ」

 そう言ってヴァレリーは縁側に座った。

「それでどうしたんですか?」

 ユウが聞くと

「お前のスケィスの事だよ」

「手伝ってもらってありがとうございます」

「いや別にそんなのを聞きに来たんじゃなくてな身体の調子はどうだ」

「調子が悪くなることはないですよ」

 それを聞くと

「そうかならいい」

「それだけですか?」

「あれを使って何も異常はないのか」

「無いですね全く」

 本人は全く気付いてない

「記憶が飛んだりはしないのか」

「しませんが?」

 首をかしげるユウ

「自分が使わない言葉を使っていることはないか」

「ありませんが」

 そう言ってお茶を啜るユウ

「それならいいが自分の本心ぐらいは誰かに言ってやれよ」

 そう言ってどこかに行った。

「僕の本心か」

 そう呟き夕焼けを眺めながらお茶を飲む。

「そろそろ」

 自分はシンクみたいに鈍感じゃないから分かっているが二人の女性から好意を抱かれているのを知っている。

「どうしよう」

 片方は僕が好きだった相手、もう片方は国の領主様だ。

「早く決めないと」

 そう言ってお茶を飲み干す。

「えっと、出てきてくれませんか」

 その声を聴いてか後ろからお館様が現れた。

「いつから気づいていたでござるか」

 その質問に

「そうですね、結構前から気づいていました」

「それも気配でござるか」

「そうですね気配で感じ取れました」

 本当にこの人にはお世話になりった。

「この世界に来てから色々とありがとうございました」

 僕はお礼を言った。

「なにを言っているでござるかそこまで力を付けたのはユウ殿、自分の力でござるよ」

「それでもあなたが居たから僕は強くなれたのかもしれません」

 何だか僕がお館様に告白しているようだな。

「貴方の様な強い方が居たから僕はまた……」

 そこで間を開けて

「また、シンク達と笑って遊ぶことができました」

 ここに来てあなたの様な人に会うことが無ければ、僕はあの時のままだったと思う。

「僕は貴方の様な強い人に出会えてよかったです」

 そこまで言ったら。

「いやぁーそこまで言われたら照れるでござるよ」

 とお館様は後ろでそういった。

「今度の戦いはあなたとの決着の時です」

 勝負の付いてない僕とお館様の戦い。

「そうでござるな、次はお互い本気で戦いたいでござるな」

 そんな会話をして夜を過ごし次の日の朝に僕はガレットに戻った。

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