小説『不良少女』
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優雅は狂いだした。


「今なんて!?もう一回!!もう一回言って!!」



はぁ…。おかしくなってる。


「だから…私も好きです。」


すると優雅は突然私を抱きしめた。


「じゃあ…これからはさ…不良少女奈美なんてやめろよ。俺が守るし。」


いや…堂々と私に負けたやつに言われましても…(笑)


「ごめん…それだけは無理。ケンカしないと私が私じゃなくなるから…」


優雅は悲しそうにうつむいた。



「実はさ、あの日のケンカ俺勝てたんだよ。でも、奈美みたいな美人の顔に傷をたらっておもって殴れなかったんだよ。だから抵抗もなしにまけたんだ。」



その瞬間胸がかすかに痛んだ。私のことをこんな風に思ってくれる人がいたなんて…。確かに愛紫氏天龍の皆も私を守ってくれたけど…。なぜか胸がいっぱいになってしまって涙が頬を伝っていた。

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