小説『不良少女』
作者: ()

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なんで、お父さんがいるんだろう?一番最初の感想だった。



「凛、大丈夫か?」



相変わらずの声。私にとって、一番安心できる声がお父さんの声だった。



「ふぇ…グスッ…大丈夫なわけ…無いじゃん!」



お父さんは泣いてる私を抱きしめてくれた。その時気づいた。



「お父さん…痩せた?」



お父さんは驚いて私をパッと離した。



「そ、そんなこと無いよ!気のせい。」



そうは言うけど何か隠してるみたいだった。明らかに。



「なら…いいけど。でも、どうしたの?私に会いに来るなんて…。」



そう、私に会いに来ると母親が怒るはず。なのに、なんで?

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