「舞羅…」
私は思わず口にその名前を出してしまった。
「あ…ら?自分のお母様に呼び捨てなんて…なんて子なの?そんなふうに育てた覚えはありませんことよ」
なんだか、いまさらいい人ぶって出てきた女はウザかった。でも、舞羅の美しさは…変わっていなかった。
「ふんっ!私は、あんたのこと母親だなんて思わないわ。お父さんを裏切ったくせに!!」
私の怒りはもう、絶頂にたしていた。
「それは、あなたのお父さんが悪いのよ」
舞羅は涼しい顔をして一言そういったのだ。
「なんだって?」
私の目はつりあがる。
「しらないみたいね?あなたのお父さんは…人殺しなのよ!!」
舞羅は最後を強調して言ったあと、大声で笑った。私はショックを受けてたっていられなくなった。