小説『真剣で私に恋しなさい!inガキ大将』
作者:ぷるたぶっち()

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第三話 〜経験は最良の教師である。授業料は高くつくが。〜



よくテレビや学校の先生から小さい時は頭が柔らかく、記憶力はもの凄いと聞いたことが意外に多くある。

今思うとそれはもの凄く同意だ。

二度目の生誕から6年と8ヶ月、実際に体験中である。

『ステータス』の分の能力も差し引いいてもこれは二十歳の時とは比べ物にならない。

すらすらと頭の中に入ってくる。

これほど勉を学ぶという事に興味を抱いたことがない。

前世の分も合わせても今が一番勉強に熱心になっている。

え?『ステータス』で知力を上げたのに勉強するのかって?

そりゃするさ、いくら能力で知力を上げても0、つまりは無の状態だとせっかくの知力も意味がなくなってしまう。

一を聞いて十を知る、と言うことわざがある。

今の俺を表すならばこのことわざがもっとも的確だろう。

だが、一を聞かなければ何も知ることができない。

これを聞いて何を当たり前な事を、と思う方もいるかもしれない。

だが人間という生き物はそう完璧にはできていない。

例えば、「何であんな難しいことが分かるのにこんな簡単なことが分からないの?」と言ったような事を経験したことはないだろうか?

片方の難しい事は基本を学んだからこそ応用がわかる。

だがもう片方の簡単な事は基礎を知らない、だから分からない。

それを人は時折忘れ、思い出したらまたそれを当たり前だと思う。

それの繰り返しだと最近思うようになってきた。

完璧な人間なんていない、もしいたのならば…、それは人ではないのだろ。

少しばかり恥ずかしい事を思い描いたが、要は勉強は無駄では無いということだ。

それは勉強に限らず、運動や武術、人とのコミュニケーション。

すべてに経験が必要だ。

いくら『ステータス』で知力を上げようが勉強をしたという事実、これは習ったという経験。

いくら『ステータス』で筋力を上げようが体を動かしたという事実、こうすればこう動くという経験。

いくら『ステータス』で気力を上げようが気を使ったという事実、こうすれば気が出るという経験。

これらに事実と言う経験がなければ豚に真珠、猫に小判と言ったような宝の持ち腐れである。

だから経験をすることの『努力』は欠かせないし、惜しまない。

カーライルと言う偉人が言っていた。

『経験は最良の教師である。授業料は高くつくが。』

良い言葉だ、これからは偉人の言葉をよく引用してみようか?

こんな感じの事を考えた後に実際に筋力を上げてみて試してみた。

DランクをCに、たった一つランクを上げただけでスチール缶を潰せるようになった。

たった6歳のガキがだ。

前世の6歳の時なんて公式の野球ボールを持つので精一杯だ。

俺は少しばかりこの能力を舐めていたのかもしれない。

早急に何か対策、つまりは加減の仕方を知る必要がある。

運がいいことにここはマジ恋の世界だ。(最近忘れがちだが

この世界は武術が深く浸透している。

父親に頼んでどこか道場にでも通わせてもらうか。








SIDE 〜父親〜

どうも、今年で30歳になる神崎 将也だ。

24歳で妻の秋恵と出来ちゃった結婚をした不届きものだ。

その時は嬉しいことと残念な事が同時に起きた。

それは秋恵の両親、お義父さんとお義母さんが結婚に大賛成だったこと、そしてその反面うちの両親は大反発だった。

親からの反対を押し切り結婚をした途端に親子の縁を切ってきやがった。

うちの実家は代々武術を嗜むように教育している。

俺もその教育を受けた。

だが俺は不出来だったららしく、長く続かずに破門にされた。

その代々のせいでうちの家系は頑固者が多く、少しばかり昔風な考えだ。

それのせいかわからないが、俺はあまり家族からはよく思われていなかった。

昔は除け者にされ、少しグレたりもしたが、その時に秋恵に会い、一目惚れした。

結婚に後悔もなく、子供も無事生まれ人生順風満帆だった。

しかも俺の子供、将は俺と秋恵の良いとこ取りをしたかのようなカワ格好良いと言うやつだ。(親バカ

夜泣きはしないし、お漏らしも最初の頃少ししてただけで今はもうそんな様子は欠片もない。

それに加え頭も良いと来た。

俺の書斎に入ってはいろいろな分野関係なく、様々な物を読んでいる。

将来は学者か、学校の先生だな。

だが政治家にはなって欲しくはない。

今のこの日本は正直な話腐っている。

腐りきっている訳ではないので救いはまだあると思うが…。

俺の仕事関係で知り合った親友、あいつが言うにはこの国はもう駄目だ、救いがないと言っていたがな。

全く、あのままだと外国にでも高飛びするんじゃないか?

あまり心労を増やさないで欲しいもんだが…。

仕事は何をやってるかって?

それはな、昔の同級生の友人が興した会社で働いているのさ。

最初はその友人が余りにも無茶ばかりするので嫌々手伝っていたのが始まりだ。

まったく、何が帝王学だよ。

まぁ、意外にも俺は結構な地位にいる。

九鬼家政治部門統括だ。

要は九鬼財閥を政治にも大きく顔が効くように日夜暗躍しているのさ。

それが結構ハードな内容でな?

もう毎日ヘトヘトだよ。

俺も家族連れて外国に高飛びしようかなー。

そんな事を休日に考えてた時だった。

「お父さん、今平気?」

「ん?おう、いいぞ」

「うん、僕武術をやってみたいんだ」

な…んだ……と?

「将…、それは本気で言ってるのか?」

「え?、う…うん、本気だよ?」

そうか…、まさかまた武術に関わることになるとは思いもしなかった。

これも血筋なのだろうか。

だが、息子の顔を見る限り中途半端な説得は逆効果だろう。

何せ頑固だからな。

ここら辺にどっか道場あったかな?




















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後書きです。

お読みいただきありがとうございます。

ぷるたぶっちです。

軽い気持ちで始めたこのSSですが意外にも多くの方に読んでいただいて感無量です。

できればコメント欄に感想やら、こうした方が良いなどのご指摘をください。

それ通りにするとは限りませんが…。

このSSはタグにあるようにヒロイを多数設定しております。

しかしメインを誰にするか決めかけているところです。

誰が良いとか言ってくだされば方向として思考錯誤いたします。

ですが作者が暴走して勝手にメインを決めたらごめんなさい。

-4-
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