「かぜのこえ」
走ってる時、聞こえる
歩いてる時、聞こえる
春には優しい歌が聞こえる
花の宴が そこかしこで開かれる
台風という 大きな声の中で
ボクは生まれた
声が大きすぎて停電になって
真っ暗な中で生まれたボク
でも 決して怖くなかった
子守唄と同じだったから
寒い空の中で、聞こえる
木枯らしという名で歌ってる
たまに雪の子と一緒に踊ってる
ボクは寒いのは嫌いだけれど
風の声は嫌いじゃない
そして また春になって
再び舞う花弁と一緒に奏でる声
懐かしい記憶と匂いを運んでくれる
新しい門出や新生活
いつもそばで感じてた
人は、生まれてから死ぬまで 風の声を聴いている