・・・・・・ここは・・・・どこだ・・・?
なんか・・・・体が軽くて・・・・暖かくて・・・・気持ちいい・・・
??『・・・いち・・・』
どこからか声が・・・聞こえる・・・
??『・・・ゆういち・・・』
この声は・・・・・・忘れることができない俺の愛しの女の子の声・・・
優奈「裕一・・・」
俺の彼女・・・坂本優奈・・・
優奈「久しぶり・・・裕一」
裕一「・・・久しぶり・・・元気か・・って、お前は元気だけが取り柄だもんな」
優奈「なによそれ?!ひどいなぁ!」
・・・そう・・・この笑顔・・・・この笑顔を俺はまた見たかったんだ
でも・・・なんで今になって俺の中にこいつは・・・現れたんだ・・・?
優奈「・・・元気にしてる?」
裕一「そうには見えないか?」
優奈「うん。見えない」
裕一「ひ、ひどい奴だなぁ・・・俺はお前にあえて今嬉しいんだぞ!ほれほれ〜〜」
・・・俺はこいつに会えてほんとに嬉しいのに・・・なんでこいつは・・・そんな悲しい顔をしてるんだよ・・・
優奈「・・・裕一・・・話があるの・・・」
裕一「そんなことよりいっぱい話そうぜ!俺はお前にいっぱい話したいことが」
優奈「裕一!!」
俺の愛しの彼女の顔は・・・真剣だった
優奈「・・・裕一・・・もう・・・いいよ」
そして今にも泣きそうな顔で俺に言ってきた言葉は・・・胸に突き刺さるほど重みのある言葉だった
裕一「・・・・・・」
優奈「裕一・・・もう他に好きな人ができたんでしょ?・・・今日言ってたもんね・・・」
裕一「・・・ちゃんと聞いてくれてたんだな」
優奈「当たり前じゃない・・・私を誰だと思ってるのよ」
裕一「・・・そうだな・・・」
優奈「あなたに好きな人ができたのは知ってる。でもそれは私のせいでできる恋もできないんだよね」
裕一「そうじゃない!・・・ただ・・・その・・・」
優奈「・・・優しいのね裕一は・・・・・でも・・・もう我慢することはないの」
そう言って優奈は俺を優しく抱きしめてくれた
優奈「もういいの・・・いつまでも私に縛られてちゃいけない・・・あなたはあなたの今を好きなように生きて」
裕一「・・・優奈・・・」
優奈「その代わり・・・」
優奈「あなたが死んだら・・・その時はおもいっきり甘えさせてもらうからね」
これまでで一番の笑顔を俺だけに見せてくれた
裕一「・・・ああ・・・ああ」
優奈「ふふ。裕一、泣いてやんの」
裕一「お前だって泣いてるだろ」
優奈「これは・・・その・・・目から汗が出てんのよ!」
裕一「気持ち悪い奴だ。離れろ離れろ」
優奈「ひどいっ!!」
俺たち2人は一緒に大きく笑いあった
それから何時間と経っただろうか・・・
優奈「・・・じゃあそろそろ・・・逝くね・・・」
優奈は俺から離れて言った
裕一「ああ・・・」
優奈「・・・私・・・あなたに会えてほんとに良かった・・・幸せだった・・・」
裕一「俺もだよ・・・優奈」
優奈「裕一は今からも、でしょ?」
裕一「そう、だな・・・まぁ俺が死んだら思う存分かまってやっから覚悟しとけよ」
優奈「じゃあそれまで、上で鍛えとかないと」
優奈「じゃあ・・・ほんとに逝くね」
優奈はどんどん俺から離れていく・・・声もどんどんかすれてきた
裕一「また会えるよな!!!」
優奈「・・・・・・・・」
消える前、最後・・・笑顔を見せて消えていった・・・・
ピピピピ・・・ピピピピ・・・
裕一「ん・・・」
時計のアラームを止め、ゆっくりと起き上がる。今日は12月12日、日曜日。
裕一「・・・ありがとう・・・優奈・・・」
裕一「よしっ!」
裕一はベッドから出て1階へと降りていった。