4話 裏切り、衝撃、発見
次の日、12月13日・・・
朝から外は薄暗い雲が掛かっていた。天気予報によると今日は昼から雨らしい。
さて、今日からまた一週間の始まり。そして・・・黒澤瑞樹の誕生日。
裕一「・・・ヨシッ!」
裕一はいつもの手提げ鞄、そして小さな紙袋を一つ持って1階に降りた。リビングでは毎朝のように三咲が朝のニュースを見ていた。
裕一「先に行くからな」
三咲「お兄ちゃん、その紙袋どうしたの?」
裕一「これは・・・秘密だ」
そう言う裕一の顔には少し笑みが掛かっていた。戸締りだけ言うとそのまま家を後にした。
三咲「ん〜〜何か気になる・・・あ、今日の占い占いっと」
外はいつものように寒かった。コートに冷たい風が吹き付けてくる。
裕一「・・・・さぶっ」
晃 「オッス!」
後ろからパタパタと現れたのは晃。そのさらに後ろから茜もやってきた。
晃 「今日は学校午前中に終わるってのにその紙袋はどうしたんだ?」
今日は先生たちの3年生の進路に関する会議のおかげで学校は午前中に終わる。
裕一「ちょっと・・・な」
晃 「ん???」
すると服の袖を茜がクイクイと引っ張る。
茜 「・・・その紙袋の中、誰かさんにあげるプレゼント、でしょ?」
裕一「・・・なんのことやら」
茜の顔は笑っていた。
茜 「・・・やっと吹っ切れたようね」
裕一「・・・さぁな」
晃 「おいおい2人してなに話してんだよ」
裕一「お前が隣に居てウザいなって話してたんだよ」
晃 「マジかよっ!!」
その隣で茜は大笑いしていた。
3人でバカやって歩いているとあっという間に学校に着いた。