outside/
「ごめんね」
私はそう呟くしかなかった。
『彼女』の世界が崩壊していく中でも、『彼女』を逃がすことしかできなかった。ほかに私には何かできることがあったんじゃないかって思う。それ以前に『彼女』の世界がこんなことになるのを防げたかもしれない。
結局、今となってはもうどうすることもできない。後悔しても遅いんだ。
私は自分と『私』を比べてみた。
いつでも自分の中に閉じ籠って他人はおろか自分すらも信じることができない私。
どんなときでも私を信じてくれた『私』。
いつもいつもあの時からずっと私の心の拠り所だった。いや、それともすでに私の一部になっていたのかもしれない。
いまさら何をしても意味はないかもしれないけど、ただひとつ私は『私』を信じられるようになりたい。
ふと視界が歪んだ。
「あ、あれ・・・・・・」
私はなぜか泣いていた。
そんな私を宥めるようにヘッドフォンの向こうから
「ありがとう」
と声がした。