小説『もしもの世界』
作者:餓鬼()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

クエスト屋に行きジョブエクステンド専用のクエストを受注してドームに向かう。

「ふぅ、一人でクエスト行くのが多いな」

 今回も含めて腕輪然りレベル上げ、ほとんど揺光やクーン(1回だけ)といくとき以外はほとんど一人で行動してるよな。

「まぁ、行くか」

 そんな事も諦めてクエストに向かう。

「えっと、クエストの内容はっと」

 確認する為にメニューを確認するがクエストの内容は書いていなかった。

「はぁ、とにかく奥まで進んでいくか」

 こうなったらとことん奥まで進んでダンジョンから出ようか

「何で出たいときに限って迷路みたいにいりくんでるんだよ」

 俺は歩きながら呟きながら前を進んでいたら目の前に誰かが現れた。

「誰だ」

 俺は問いながら武器を構えた。

「えっ、なんで転送されていきなりダンジョンに?」

 俺の話が聞こえていないみたいだ

「おい、そこのハリネズミ聞こえてるのか」

 俺は目の前のPCの特徴の灰色の服と頭の角を見てそう言った。

 男は気づいて振り返り

「えっと、俺はトキオだ」

 トキオ? 顔は見たことあったがこんな姿をしていたか……

「お前、あの時いたトキオだよな」

 その言葉にトキオと言った少年は首を傾けながら

「あの時って」

「R:1の時に学校の制服着てた奴だ」

 その言葉を聞いてトキオは

「あの時のメンバーで解放できてないのは……」

 小さな声で呟いて聞こえない

「もしかしてアスノなのか」

 俺の名前を知っている?

「そうだが何でわかった」

 俺が聞くと

「その喋り方が昔と変わらないからかな?」

 と能天気な事を言われた。

「なっ、そんなんで俺と分かったのかお前」

「それより、何でここに居るんだ?」

 それよりトキオがここに居るのが変だ。

「お前、もしかして」

 俺が睨みながらトキオを見ると何かがばれたような顔をした。

「チートか何か持ってんのか?」

 その言葉にトキオはお笑い芸人の様に滑った。

「何でそうなるんだよ」

 そう叫ぶトキオに

「だってお前、このダンジョンはジョブエクステンド用のミッションだぞ」

「実は転送のバグでこのダンジョンに転送されたんだよ」

 へぇー、運営側もミスするんだな。

「トキオ、ここであったのも何かの縁だしアリーナに一緒に出てくれ」

 それを聞いてトキオが驚いた。

「えっ、俺がアリーナに」

「そうなんだよ、メンバー一人足りなくて困ってたんだよ」

 俺は両手を顔の前で合わせて頼む

「お前、なかなか強いし手伝ってくれよ」

 その言葉を聞いて

「分かった、その話聞くよ」

 よし、これでメンバーは決まったが全員が攻撃中心のチームになったな。

「お前はどうするんだ」

 バグだと言ってもここに居るのはまずいだろ。

「えっと、一緒にいくよ」

 この後、トキオと協力してダンジョンをクリアーした。

 マクアヌに戻り

「さて、報告の前にお前にメンバーアドレス渡しとくよ」

 俺はトキオにメンバーアドレスを送った。

「じゃ、俺はこれで戻るよ」

 そう言ってトキオはログアウトした。

「それにしてもアイツのPCってなんか特別だよな」

 俺は頭を掻きながら考える。

「それより報告に行くか」

 クエスト屋に報告した瞬間に目の前の景色が変わりどこかの廊下に転送された。

「手が込んだイベントだな」

 光に包まれ体にまとっている防具の姿が変わっていく。

 光がおさまると防具が変わりマクアヌのクエスト屋の目の前に戻った。

「これで武器が変わったのか」

 するとメールが来ているのでログアウトして確認することにする。

 メール画面に移動して誰からなのか見ると

「宛先不明かよ」

 内容はジョブエクステンドの事だった。

「確か俺が選んだのは銃戦士だったよな」

 メールの文面には

 槍使いについて、ジョブエクステンド特別ミッションにクリアーおめでとうございます。このたびは最初に設定されたジョブではなく新しく考案中の槍使いへのエクステンドにさせていただきました。

 槍使いの特徴についてですがこのジョブは考案中の為、武器はショップでは販売されていませんのでこちらから武器をお送りさせてもらいます。

「はぁ?」

 俺はメールの文面を見て固まった

「槍使いって何だよ」

 何が新しく考案中のジョブに変えられてるんですか?

「最初に決めた意味がなくないか」

 そう考えながらメールを見てみると新しいメールが届いた。

「今度はCC社からだ」

 文面は先ほどの槍使いの武器などを添付しており使い方についての説明もあった。

「こんなの使いこなせるか?」

 操作方法が今までより難しく使うのが困難だと思う。

「まぁ、使って見ないと分からないけどな」

 M2Dを外して少しだけ休憩を取ろうと思い時計を見ると

「夕食の時間だ」

 予想以上に時間がかかっていたみたいだ

「お腹が減ってるのにも予想がつくな」

 部屋を出てリビングに向かうと夕食にラップがされておりお皿の下に置手紙があった。

「『遊びに行ってきます。by母さんより』こどもの手紙かよ」

 文面に突っ込みを入れてから夕食をレンジの中に入れて加熱する。

「なんで、一回冷めたのに母さんの飯は美味いんだろうな」

 いつも思うことを口にしながら飯を食べていく。

「さて、飯も食べたし続きでもしようか」

 そう思い部屋に行きM2Dを着ける。

 ログインしてマクアヌのゲート前にアバターが転送された。

「さて、トキオでも誘っていくか」

 そろそろ、レベルもいいから登録は明日でいいか

「こんな時間にトキオは居ないよな」

 と思いながら探していたら一人だけ目立った格好をしていた。

「目立ちすぎだろ」

 周りからはどう映っているのかは知らないが俺からしたらすごく浮いている。

「見つかったからいいか」

 俺はトキオに近づいていく

「トキオ」

 肩に手を置いて挨拶すると

「うっわ、ってアスノか驚かすなよ」

 何だかリアルの反応すぎて笑える

「なんだよお前、何だか感触があるような反応しやがって」

 と冗談を言ったら

「い、いや気づいてたに決まってるだろ」

 と冷や汗をかきながら言っている。

「おいおい、そんなに冷や汗かいてんだよ驚きすぎだぜ」

 それよりこので冷や汗って掻くのか?

「それより、クエストに行こうぜ」

 笑顔で言うと

「どうしたんだそんなに機嫌が良くて」

 トキオは分かってないみたいだな

「エクステンドしたんだが武器の使い方を覚えたいんだよ」

「エクステンドしたって事は武器が変わったんだよなアスノの2ndはどんなんだ!」

 目を輝かせながら聞いてくる。

「あー、クエストに出たら見せるからここでいうのは少し無理だ」

 周りの奴に今ばれるのは少し嫌だな。

「それにしても防具、薄くなってないか」

 トキオの問いに

「そうなんだよ柔軟性を取り入れてるような防具だよな」

 前の防具は硬さが主体の防具だったが今の格好は聖杯の戦いに出てきそうな槍使いのそうに薄いです。

「それじゃ、ここに行かないか」

 トキオはここではなくθサーバーのクエストに行こうと言った。

「それならタウンの移動か」

 俺とトキオは転送ゲートに近づいてタウン移動をする。

-8-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




.hack//Link O.S.T.(初回限定盤)
新品 \2902
中古 \1500
(参考価格:\3360)