小説『ソードアート・オンライン〜Another story〜』
作者:じーく()

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5話 ログアウトできません




























「あれ……?ログアウトボタンがねぇ……」


異常……それはクラインのその言葉からだった。

「無い?よく見てみろよ。」

キリトにそういわれ、再び確認するが……。

「ん……やっぱ、何処にもねーよ。」

初心者だからか?

「メインメニューの一番下に無いのか?」

リュウキもメニューを出して確認するが……。

そのメニューには ≪Option≫と≪Help≫その二項目だけだった。

本来一番下にあるはずものもがなかったのだ。

「………無いな。」

リュウキもそう答えた。

「本当か?…………無いな。」

キリトも確認するがやっぱり無かった。

「まっ!今日が正式サービス初日だからな、こんなバグもあるだろう。今頃運営は半泣きだろうな。」

クラインはそう言うけど……。

「あの男がそんな初歩的なミスを見逃す……か?」

リュウキは疑問でいっぱいだった。

茅場の事は知っている。

彼の仕事は完璧に近い。

だからこそ、再び共に仕事をしたいと言ったのだ。

「ん?何か言ったか?」

聞こえてなかったようだ。

だが、言う必要もない。

「いや……なんでもない。」

だからそういった。

「それよりお前は楽観的に構えててもいいのか?」

リュウキがそう聞く。

「あん?どう言うこった?」

わからない……?

「時刻を見てみろ。今17:25だ。後5分だろ?」

そう返すと……。




「あっ……ああああああああ!!!!オレの!オレの!テリマヨピザとジンジャーエールが!!!!」




絶句!!


「はぁ……さっさとGMコールしろよ。」


キリトはそう言う。

「は?……とっくに試したさ。でも全然反応が無いんだよ。他にログアウト方法は無いのか?」

「ん……無い。」

キリトは答えた




「……これは明らかにおかしい。」




そしてリュウキも……そう言う。

GMコールはリュウキも試した。

それの反応も無い。

そのことの異常さが直ぐにわかった。

「どう言う事だ?」

「……プログラムのバグ=顧客の信用を失うも動議だ。システム的バグ1つで信頼は落ちることだってある。それが、この手のバグだったら致命的。ログアウトできないんだぞ?そんなバグが見つかったと、少なくとも1万人に知られたわけだ。そんなゲーム……今後誰がやってみたいと思う?」

リュウキはそう答えた。

……その問いに皆の顔が曇る。

クラインは、どうにかしてログアウトしようと色々唱えたりしてるが、無駄だ。

マニュアルの中にも緊急切断システムは無かった。

「……対応の初歩中の初歩を怠っている。」

リュウキは続けた。

「そりゃなんだい?」

クラインが聞く。

「……まずはアナウンスをし、全プレイヤーの強制ログアウト措置だ。そして、システムをオールチェック。バグを可能な限り潰してから謝罪を行う。……だろう。」

「う……ん〜〜……。」

「確かに……。異常があった時、β期間だったらアナウンスがちゃんとあった。信用問題にならない様に措置はしっかりとっていたのに……。」

キリトもそう答える……。

「だったらどうすりゃいいんだ!おっ!そうだ!ナーヴギアを外すとか!!」

おりゃ!っとあげるようなしぐさをするが……。

「無駄だ。現実世界では体は動かない。ナーヴギアの後頭部の部分が脳から体に伝える信号を遮断しているんだから。」

キリトはそう答えた。

「……く〜〜どうすりゃいいんだ!」

クラインは……お手上げと言う感じだ。

「後は、現実でナーヴギアを外してもらうしかない……。」

「え〜でも、オレは1人暮らしだし……。」

「オレは、1人じい……祖父がいる。だが、とらないと思うな。」

……始める前に言ったのだ。

その事については。

だが、別にとりあえずは問題ない。

何日でもいるつもりだったからだ。

「オレも妹と母親がいる。夕食には起こしてくれると思うが……。」

その言葉を聞いたとき!!

「!!!な……なっ?キリトに妹がいるのか??」

ガシッ!!っと掴みかかっていた。

「ちょっ!妹は体育会系で……ゲーム嫌いだし、人種が……」

「いいじゃねえかよっ!」

クラインは喰らい付くのをやめなかった。

(……異性がいなくてよかったな。)

この時そう感じていた。

「っていい加減にしろって!」





“ゲシッ!!!”





金的にHIT!!



「ギャーース!!……ってそうか、痛くないんだった…。」

クラインは起き上がった。

「さて……。悪ふざけもそこまでにしたらどうだ?オレは、ログアウトするつもりは無かったし、システム的不備と運営に関しては ずさんだと思うが、とりあえずは問題ない。解散するか?」

「まあ、まて。明らかにおかしいんだ。少なくとも原因が分るまでは、いた方がいい。」

「オレもそう思うぜ?日も暮れるし。」

「……まあ、それでもいいが……。」

とりあえずは、3人で行動することにした。

その時……







“ゴォーーン……ゴォーーーン………”







はじまりの街にある鐘が……鳴り響いた。


まるで……何かの合図のように……。





-6-
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