小説『とりあえず転生したらキルア君の妹になったイラストレーターのお話。』
作者:みちる。()

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『そろそろ仕事を考えなきゃいけないと思うの』





次はカルトだ!とは言ったものの、今あたしはすごく重要な問題に敵面している。
「あたしの部屋はどこだぁぁぁァああああああああああああ!!!」
とまぁ、こんな具合に。
いやいや可笑しいでしょ。なんで、こうなった?そもそも此処広すぎない?
あれか、あたしが9年間過ごした場所はゾルディックのほんの一部分にすぎないといううことかっ!
何それこあい。

「五月蠅いよ、エル」
「イル兄ぃ!」
とりあえず、ひょっこり顔を出したイル兄ぃに駆け寄る。
そして、なんでもない風に装って聞いてみた(てか、それしか選択肢ないからね!)
「ねぇねぇ、此処どこ?」
「は?」
珍しく表情筋を動かしたイル兄ぃの顔はとても滑稽でした。
「え、うそ、もう一回言って」
「だから、此処どこ」
「家だけど」
「そうじゃなくて、あたいの部屋はどこ」
「それ、まじめに言ってんの?」
「うん」
あたりまえだと、胸を張って言うとくくと、口元を押さえるイル兄ぃ。
え、ちょっと笑われてんだけど、どうゆうこと。
「ふふっちょっと、うそで・・ぶふっ」
「おいこら、人の顔見て笑うとか失礼極まりないからな」
いや、まァイル兄ぃの笑う理由はもっともだが・・・、な?
なんか、悔しいです。



その後、あたしはイル兄ぃに案内してもらって、自室に見事到着することができた。\ヤッタネッ!/

「さて・・・と、どうすっかなァ」
ボスっと、ベットに倒れこみながらつぶやく。
考えてることはもちろん今後のことですよ。
とりあえず、ゴンたちと一緒に旅するのは決定事項じゃん?たぶん、ゴンのことだからライセンスは使わないと思うから、家にいるのは1カ月ってとこか。
その間にできることといえば・・・嫌だけど修行かぁ。
できればゼノ爺ちゃんがいいなァ。
いや、父さんとは今日十分話したし・・・ね?
イル兄ぃ?駄目です。論外ですよ。
あと、やるべきことといえば・・・仕事?
だって、今の残額飛行船一回分位しかないもん。
旅はしたいけど、森で野宿とか嫌だよ。できれば屋根があるところで休みたいよ。
ちなみに、6歳の時行った天空闘技場のファイトマネーはすでにお菓子とギャルゲー(含む乙女ゲー)に費やしたので、すでにない。
だって、あのときお金が必要とか知らなかったもん。
うーん。あたしがやれること…何だろうなァ。
前世はイラストレーターやってたけど・・・。
でもそれだって、その道一本で食べてけるようになったのは、28とか30のころからだし。
それまでは、いろんなとこでバイトしたり、漫画家さんのとこでアシスタントしてたりしたんだが・・・。
あ、今思い出したんだけど死ぬ1週間前くらいに、小説家のSさんとコラボ企画が決定してたんだがなァ。
ほら、今よくある2人で一つの漫画を描くって奴。
かなり楽しみだったんだけど・・・、此処にはキル兄ぃもいるし後悔なんてしてなかったんだけど・・・。
うーん、改めて考えるとちょっとさみしいな。
「って、違う違う。そうじゃなくて・・・「何が違うの?」え、そりゃぁって、ぎゃぁぁぁぁあああああ!!!」
調子に乗って考える人のポーズ取りながら真面目腐ったことを考えてたからいけなかったのか。
目の前にはイル兄ぃが無表情で鎮座していた。座り方綺麗だな。
「で、何考えてたの?」
「話の切り方テキトーすぎない?いま、凄い切り方だったよ?ぶった切ったって感じだったよ?」
「エルフ五月蠅い」
「そっちから聞いてきたのに何それ酷い」
「どうでもいいよ、そんなの」
「ええー、まぁいいや。ちょうどいいから相談のって。とりあえず、殺し以外の仕事考えたいんだけど」
「暗殺でいいじゃん」
「人の話聞いてましたかァぁァァあああああああああああああああ?!!!!」
ごめんなさい、聞いたあたしが馬鹿でした。お願いだから年頃の女の子()の部屋には無断で入らないでください。
「エルフが女の子とか世界の女の子に失礼だよね」
「てめぇ、いっぺん表でろぉぉぉおぉぉおぉぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
ナチュラルに人の心を抉るって!無表情だからダメージ百倍だよッ!



その後、あたしは全力でイル兄ぃを退散させました。
ただし、3つ何でもいうこと聞くってんのを条件にな!嫌な予感しかしないんだけど!!



「はぁ・・・、イル兄ぃに相談してもダメか・・・、こうゆうときどうしようかなァ」
がくっと、顔を下げたときあるものが目に留まった。
「ケータイか・・・」
ん?ケータイ?
ケータイ→もらいもの→元の主→シャル→シャルってばいろいろ知ってたよね?→よっしゃ、とりあえず相談だ


「と、言うわけですシャルくん」
『おもっきしざっくりな説明ありがとう。つまり、暗殺以外の仕事を探せと』
「そうゆうこと」
『ええー、何それ人任せすぎない?』
「それがあたしですから」
ドヤ顔で宣言すれば、画面向こうで苦笑している音が聞こえた。
2,3秒の間が空き、まぁエルフだしね。と、苦笑から爆笑に変わりながらもOKしてくれた。
そこで爆笑する意味はあるのだろうか。
『うーん、エルフの得意なこと・・・、ああ、あれは?薬。屋台作って渡り歩くの』
「あたしは、チャルメラのおっさんかよ」
『じゃぁ、ネットでやれば?』
「客の顔見たいから却下」
『・・・・』
相談しているみで申し訳ないが、ズバッといわせてもらった。
少し部屋の温度が下がった気がしたのは気のせいだろう。
『うーん。じゃぁ運び屋は?あと、なんでも屋』
「運び屋とか何それ魔女の●急便?なんでも屋はそのうち殺しの依頼がきそうだからヤダ」
『ああ、確かに。なら、情報屋は?動かなくてすむよ?』
「!シャルくん・・・」
『何?これもダメ?』
「それだァァァァぁァぁァぁあああああああああああああああああああ!!!!」


エルフ12歳。情報屋になる。

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