78話「魚人島の乱〜純真無垢な破壊神〜」
〜海の森〜
〜サンジside〜
ウヒョーー!!に、に、二年ぶりのシオリさ〜ん!!やっぱり美しい〜!!
それにしても…なんつーか…雰囲気が変わったなぁ〜…あれは…赤いスカートに…桃色の…胴着?…確かあれはワノ国の羽織袴とかいう服だったか?
髪もポニーテールにしててすげぇ色っぽい…
それになんか…お胸もさらにビッグサイズに…
「サンジ…とやら。それ以上凝視したら目玉くり抜くぞ?」
ヒィッ!?なんて覇気……あれ?なんかシオリさんの後頭部になにか…いるな…そのせいで艶っぽいはずのうなじが見えねぇ…
いや、あの赤ちゃん…女の子か…将来が有望そうな…なんかシオリさんに似てるけど…
「シ、シオリ…アンタに引っ付いてるの何?」
さすがにみんな突っ込むよな「ギャーーーー!!?」!?ど、どうした?ルフィ!いきなり…
「なっなんでアヤが来てんだよ!?勘弁してくれー!!」
「ア、アヤって?」
「ああ、私の娘だ。」
!!?ハア!?マジすか!?
「?…あぁ…親戚の子とか誰かから引き取ったとか…」
「いや、私自身がお腹を痛めて生んだんだが。」
「「「ええぇ〜〜!?」」」
そ、そんな馬鹿な!?シ、シオリさんが…う、生んだぁ!?
「なんで連れて来たんだよ!シャレになんねーぞ!!」
ルフィが本気でビビってる…一体…どういう事だよ!?
「ちょ…ちょっとルフィ急にどうしたのよ?」
「だ〜〜るふぃ〜♪」
シオリさんがアヤ?とかいう赤ちゃんをルフィに近づけさせるが…ますますパニクってやがる。
「ソイツは化け物なんだよ!!」
ルフィの一言にその場が凍りつく。
…おい…ちょっ待てよ!お前はそんなヒデェ事言うヤツじゃねぇだろ…
「こらこら。一言抜けてるよ。『化け物みたいに強い』だろ。
で…実際アヤは…ルフィの数倍強い。つまり私と大体同じぐらいにな…」
え?…シオリさん…何を言って…
「シオリお姉さまっ!」
しらほしちゃんがシオリさんに話し掛ける…知り合いだったのか!?
「ああ、しらほし…ちょっとぶりだな。修業は怠けてないか?」
「はい!毎日言われた通りに鋼鉄の柱を指一本ずつで思いっきり突いたり巨大鉄球を受け止めたりしてます〜」
「「「!!?」」」
マ、マジかよ…なんてえげつねぇ特訓だ…
「お前は特別な存在だからな。姫だからって温室育ちにするわけにゃいかんかった。ネプチューンにはだいぶ泣かれたがな。」
「でもそのおかげでちょっとたくましくなれました〜」
「あれでちょっとかよ〜!?」
不細工男をぶっ飛ばしてたもんな〜
「それはそうと…あなたが子を生むなんてね…ちょっと抱っこしてもいいかしら?」
とロビンちゃん。相変わらずのスルー能力だ…それでこそロビンちゃんだが。
「それは止めておけ。私ぐらい体が強くないと潰されるから。」
「「「え?」」」
「そういえば…アマクサぐらい強いとかなんとかほざいてたが…正気か?」
「そうだな…ザックリ言えば…私から悪魔の実の力…要はリヴァイアサンの能力、戦いの駆け引き、『手加減』を引いた感じだ。
異名は『破壊神』。懸賞金7億ベリーだ。」
「「「ハア!!?この赤ちゃんがぁ!?」」」
おいおい冗談だろ…?ロビンちゃんどころじゃねぇぞ…
「この前も黄猿を半殺しにしたからな。」
「えぇぇ〜!?あの化け物みたいに強い人ををを〜!?」
ブルックが仰天してるな…確かにそれはいくらなんでも…あの野郎の強さは常軌を逸してた…そんなヤツを倒すなんて…マジっすか!?
「黄猿を攻撃できるって事は…まさか覇気を…」
「ああ、生まれた瞬間からな。おかげでドクQ…ああうちの医者なんだが…そいつが最初の犠牲者になってしまってな…危うく死なせる所だったよ。一緒にいたダブルフィンガーは無事だったが。」
「…ルフィがビビるわけだ…スーパーどころじゃねーな…」
「サンジも気をつけろよ。手を出したら死ぬぞ?」
「そそそそんな!いくらなんでも赤ちゃんには手は出しませんよ!」
うぅ…シオリさんのおれに対する印象がががが…なんかナミさん達の視線が冷たい…
「正気で言ってんのか?こんなガキ…いや赤ん坊が…」
マリモが生意気な口を聞く。
「現実を見ろ…ゾロなら少しは相手の強さが分かるだろ?」
「…………」
脂汗がすげぇな…マジって事かよ…
「そうだな……スリラーバークで私の強さを見ただろ?全力にはほど遠いが…今のお前達ならあれで私の力を測れるはずだ。
肉体や覇気の強さでは私が世界一だがアヤもそれに劣らない。」
あ、あの強さはホントにとんでもなかった…強くなったから分かる…シオリさんは今のおれより…10倍は強ぇ…
「確かに人間離れしてるけど…世界一って大きく出過ぎじゃない?」
「いやだって…四皇の二人や海軍大将と戦って勝ってるからなぁ…」
そういや頂上戦争とかいうので海軍大将をあっさり倒してたような…って今なんかサラっとすごい単語が出たような…
「よよよ四皇ってあの四皇ぉっ!?」
ウソップが腰ぬかして「前と違って女っぽいし子供出来てるし…あ!子供出来てるって事は…結婚してんのかぁ!?ツッコミ所が多すぎだろ!?」
ツッコミの鬼だな…つかツッコミ入れないと生きられない人生なのか!?
てか…けけけけけ結婚〜〜ん!だだだ誰だぁ?シオリさんとぉっ……うらやましいぃぃぃ!!!
「ああ、ロブ・ルッチだ。籍は入れてないがな。」
「「「………」」」
はいぃ!?今なんか予想だにしなかった名前が……ロブ・ルッチって聞こえたような…
「「「えぇぇ〜!?あのCP9とぉ〜!?」」」
「………」
泰然としてるシオリさん…って事は…
「マジなの?」
「ああ…酒って怖いな…まさか男とやるなんて…
ちなみに恋のキューピッドはバスコショットって…お前らは知らんか。」
「確かに…めちゃくちゃ美人なのに男っ気がないし…口調といい振る舞いがなんか男みたいだったし…
そういえば前は『俺』とか言ってたけど今『私』になってるわね。一体何があったのよ?」
「あぁ…娘生んだ直後にちょっとしたアクシデントが起きて…色々あってこんな風になった。」
「危篤状態は『ちょっとした』とは言わんがな。」
エネルがツッコむ。き、危篤ってマジかよ!?人類の大切な財産が危うくなくなる所だったじゃねぇか!!
「臨月なのにあっちこっち飛び回ったりカイドウ様をイジメてたからですよ〜」
めちゃくちゃにも程があるな…
「まぁ、そう言うなよ…それに悪魔の実の力であるリヴァイアサンはともかく私の正体はちょっと他言できるシロモノじゃないのでな…
荒唐無稽すぎて到底信じられないだろうし…気が向いたら話すよ。」
「正体…というかツッコミ所が多すぎてねぇ…」
「アマクサ…テメェ…さっき四皇がどうのこうのはざいてたが…」
もうコイツここまで来ると逆に尊敬するわ。アホすぎるだろマリモ。
「うん。この二年で色々あってな…ビッグマムのバケモンババアやカイドウのバカとは敵対関係だ。
個人としては私の方が数段強いが…さすがにお互いが大勢力なんでな…なかなか決着がつかない。」
「大勢力ぅ?」
「あぁ…そこら辺はこの島でのイベントが終わったら話すさ。」
「アーロンも言ってたけど…イベントってのはなんだってんだよ!?」
「鼻ップ…久しぶりだな。」
「誰が鼻ップじゃあ!……ってこのやり取り二回目じゃねぇか!」
「相変わらずのキレまくりのツッコミだな。Mr.3と良い勝負だ。」
「やかましいわ!誰だMr.3って!?」
あのガネガネ言ってたヤツだろ。
「この島は私の知識を生かせる最後の舞台なんでな。盛大なお祭りをする事にしたんだよ。
アーロンが納得いく強さに、ボンちゃんがなんでもありになったのがキッカケでな。
ちなみに王族、島民、ハチ、クロオビ、チュウ、マクロ一味含め全員参加。で、ホーディ率いる新魚人海賊団がエサだな。」
「悲惨にも程があるがな。我々にギンやバサラ達…それにヘルズベアーマシン全てを駆り出すからな…戦場が焼け野原になりかねん。」
「ヘルズベアーマシンってなんだ!?」
「さすがに鋭いなフランキー…ルフィやチョッパー達が大好きなモノだ。後で見せてやるよ。
あと…エネルも雷迎とママラガンを使える様になったしな。」
え!?あのえげつない技ってマクシムとかいう空飛ぶ船がないと使えないんじゃ…「クワァー!」
「おお、どうした?ヒノよ。猛っているのか?」
エネルの肩に止まってんのは…一見普通の鳥に見えるが…隼に近いか…!?なんだ?これは…覇気…か?
「魚人島の隣のライジン島でこやつと出会ってな。そのおかげで更なる高見に登れたのだ。」
エネルの野郎も顔付きが全然違うな…あの時の極悪さがカケラもねぇ…
「ところでアンタ…ずっと聞きたかったんだけど…なんでルフィ…いや、私らに構うのよ?」
「「「!!?」」」
張り詰める空気…ナ、ナミさん…
「ルフィはもちろんお前達全員が気に入ってるんでな。もちろん1番大事なのは部下達と国民達だが。」
国民?
「あぁ…グランドラインや四つの海の国々はいくつか私達の傘下だ。まぁ…細かい事は後でな。」
「シオリさん…世間話もいいが…これからどうするんじゃ?ホーディ達がどんどんギョンコルド広場に集結しておる…とんでもない数じゃ。」
「ああ、把握してるよ。だいたい20万ぐらいかな。覇王色を使えば199999人ぐらいは瞬殺出来るよ。」
えぇっ!?どんだけなんすか!?マジで…
「ちなみにルフィなら…7万は削れるだろう。頂上戦争の時と違って有象無象が多いからな。
…が私自身は使わない。ストレス発散のために直接薙ぎ払う事に決めてるのでな。」
「あの暴力があやつら大群に振るわれるのか…気の毒な…」
「クックックックッ…ザコが100万人集まろうとも所詮ザコでしかねぇ…」
うっ…このプレッシャーは…なんでここに来るんだよ!?
「え!?誰?このおじさん…」
「ギャー!!ギンとか言うヤツだ〜!?」
さすがにパニクるよなチョッパーは。
「えぇ〜!?ギン〜っ…て誰!?」
フランキー、ブルック、ロビンちゃんは知らないか。
「誰だっけ?」
ナミさんとウソップは覚えてないか…マリモは…驚い…いや、呆然としてるな。あの時のおれと同じく。
「バラティエを襲撃しやがったクリークの部下だ。」
バラティエか…みんな元気かねぇ…
「………あぁ!あの顔色悪かった人………えっ!?ホントに!?別人すぎじゃない!?共通点が全くないんだけど。」
「クスクスクス…威勢の良い姉ちゃんだ…たまらねぇな…」
「こらこらギン次郎、手は出すなよ?カリファじゃないがセクハラだぞ?」
「へっ!分かってるよシオリ!…そう頭ごなしにこの俺に指図するなよ………………喰っちまうぞぉ?」
「そう言って何回私に倒された?いい加減力の差を理解しろ。」
ビシィッッ………
うっ!?なっなんだ…この重圧…お互いが発する…これは殺気を伴った覇気…
「だぁ〜♪」
「「げっ!」」
いきなり二人がギョッとする。
「や、やっぱり次にするか…今やる事はねぇだろ…」
「そ、その通りだな…」
「だぁ〜↓」
アヤちゃん…なんかガックリしてるように見えるが…
「機嫌が悪いアヤと戦うぐらいなら四皇のアジトや海軍本部に乗り込んだ方が楽だ。」
手加減出来ないシオリさんだっけ…………………地獄絵図だな…
「とにかくそろそろ広場に向かうか…そこでネプチューン軍と合流する。
姿を隠す技とか兵器があれば手間が省けるが…」
「あっ私出来るわよ。」
「では、頼む。敵が強いんなら色々アイテムとか渡すが…幹部含めザコばかりだ。間違っても苦戦するなよ?」
「分かってら!お前との特訓の成果をおもいっきし見せてやる!」
作戦はほとんど無しか…まぁいいか…あのオカマ共に比べりゃどこだって天国だ!!