小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

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#17 チーグルの森・遭遇



























戦闘も終わり……

ウルフ達を一掃。

そして…イオンのそばまで来た。

「もう!イオン!危ないじゃないか……。 行くならせめて、オレに声を掛けてくれればよかったのに。」

「すみません・・・ どうしても早く真実を知りたかったので・・・」

やれやれ……。

やっぱり 思った通りのようだ。

イオンの性格ならそうなるはな……。

「おいおい、あんま ネチネチと苛めるなよ。 無事だったんだから許してやれよ。」

「ちょっと!ルーク!!無事だったのは彼が助けてくれたおかげでしょう!! 」

ああ……横から見てると苛めているように感じたのか。

それにしてもこの2人はしょっちゅう言い争ってるような……。

喧嘩するほど仲がいいってことかな?

「あはは・・・ 苛めてたわけじゃないんだけどな。まあいいさ、君の言うとおり無事だったんだし、」

とりあえず 表情を緩めた。

イオンは…ずっと申し訳なさそうな顔をしていたけど……。

とりあえず、落ち着いてくれた。

困った顔なんてあまり見たくないしね?







「そーいやぁ イオンはこんなとこに何しに来たんだ? 後お前も。」

暫く森を歩いて……。

ルークが聞いた。

「あ……はい 実は盗難事件が気になって……。 チーグルが人間の食べ物を盗むなんておかしいんです……それで………。」

「やっぱり……予想的中。オレはイオンを追いかけてね。 後オレの名前はアルっていうんだ。よろしく。」

一通り自己紹介とここに来た理由を説明した。

彼も自己紹介をしてくれた。

夫婦かな?って聞いたらスッゴい勢いで拒否。

なんか……絡み具合が面白いな。

いつか夫婦になったりして……な……。



で、話は変わり。

「フーン だったら目的は一緒ってワケか」

「えっ……。 ではお2人も?」

イオンは少し驚きながら話した。

そして ルークは……。

「しかたねーな おまえらもついてこいや。」

一緒に行く事を示唆した。

しかし……ティアは反対した。

「何を言うの!イオン様を危険なところへお連れするなんて!! あなたもそう思うでしょう?」

そこでオレに振るか・・・

「えーっ?帰したってコイツまたのこのこと森に来るだろ こんな青白いカオでぶっ倒れそうなヤツほっとくわけにもいかねーじゃんか」

(……口は悪いけど、彼……根は優しい感じがするな。)

オレはそう思いながら、

「そうだよな……。 そもそも黙ってここに来るぐらいだから、このまま帰ってって言っても頑なに拒むと思う・・・真相を明らかにしないとね・・・ 何よりチーグルだし・・・・ティアさんが言うのも分かるけど、こう言う人なんだイオンって・・・たった数日の付き合いだけど大体理解したよ。」

苦笑しながら話す。

「・・・たった数日・・・? え?貴方は導師守護役(フォンマスターガーディアン)じゃなかったの?」

ティアは驚きながら話していた。

まあ・・・昨日はイオンに付きっ切りだったからそうとられても仕方ないか。

「えっとそれは確か・・・女の子の方ですね。オレは違いますよ。あー後・・・」

イオンのほうに向きなおした。

「ムリをしたらダメだ。イオンは体はよくないらしいじゃないか。 彼ら・・・協力してくれるみたいだし、ここは任せて・・・な。」

とりあえず、誤解を解き、イオンに伝えた。

そしていろいろ話しているとイオンが喜びながら。

「あ・・・ありがとうございます! アル! それにルーク殿は優しい方なんですね!!」

満面の笑みでそう答えた。

「「は?」」

・・・・・?

「え?なんでそこで「?」が出るの?お礼を言われてるのにさ・・・?」

突っ込むと、

「だ だ 誰が優しいだァ!! アホな事言ってないで大人しく着いてくりゃいいんだよ!!!」

またまた騒ぎ出した・・・

これが所謂ツンデレだな。

その上ルークはイオンはムリするなと言ったら、

更に感激されて またまたテレ騒ぎしていた。

「面白い人なんだね・・・ ルークって・・・」

ティアに話しかける。

「彼・・・正真正銘の箱入りだったらしくてね、こんな風に言われる事あまり無かったんじゃないかしら?」

「箱入り・・・? 彼は貴族の人だったのか・・・」

ふーんとマジマジとルークを見た。

まだ、メチャクチャ照れていたなぁ。  笑

「さ・・・ さぁ・・・ 私は詳しくは知らないから・・・」

???

あからさまだな・・・ 態度が。

「話したくなければかまいませんよ。オレはマルクト軍じゃないので、報告したりーとかはしないので。」

何か事情がありそうなんだけど、追求はしない。

興味ないことは無いけどさ。

「ありがとう・・・」

ティアは礼をいい腑と前を見てみると・・・

「あ!!」

「ん??」


みゅっ!!


何かの影が見えた。

「チーグルです!!」

「何ィ!?」

イオンが叫ぶと同時にルークも反応、

「逃げたぁーー!!」

まあ・・・そりゃ逃げるわな・・・

いきなりあんな大声を出すと。

「えーい!!畜生!!とりあえず追うぞ!!」

だーーーー!!

っと叫びながら ルークはチーグルの後を追いかけていった。

「ヴァンのこと・・・ 聞かないほうがいいですか?」

イオンが心配そうにティアを見ながら聞いた。

確か・・・命を狙ってるとか何とか・・・

ルークが騒いでいたので内容は大体把握している・・・

「すみません・・・私の故郷に関わる事です・・・ ルークやアル・・・イオン様を巻き込みたくは・・・」

話を・・・聞いていた・・・ 深い事情があるのだろう・・・

だけど・・・

「ティアさん・・・ 事情については追求はしないけど・・・ 血縁者同士で争うなんて・・・ 悲しい事だと思うよ・・・ オレ・・・記憶が無いけど・・・ それ位は分かる・・・よ。」

少し表情を暗くし、ティアに言った。

「・・・ありがたく受け取っておくわ・・・ だけど、これだけは・・・譲れない思いがあるから・・・ それよりも貴方も記憶が無いの?」

ティアは自分の決意の強さをだしたが・・・最終的には一応受け取ってくれたようだ・・・それより・・・

・・・・・貴方も(・)?

「ん・・・? ひょっとして彼(ルーク)も?」

この場にいるメンバーで記憶が無いそぶりを見せている人はいない。

記憶があることに明確なのは、イオンはもちろん、ティアも自身の故郷の事も言っていたしな、

なら、消去法で行くと・・・

ルークだけになる。

「ええ・・・そうらしいの・・・」

「へぇ・・・記憶障害者同士、仲良くできたらいいけどなー」

と言ってアルは笑った。



ティア side

ティアは一瞬余計な事を聞いたと思い謝ったがこれまた笑いながら「気にしなくていい」と言われた。

イオン様いわく、彼はとても強い心を持ってるとのこと、

記憶が無いというハンデを背負いながらも前を向いて歩いていると・・・

そういう風に言うと 彼(アル)はあからさまに照れていた。

早くルークを追いかけよう!っと話題をそらしながら・・・ 微笑

イオン様もとてもまっすぐな方だ。

思った事は直ぐ口にする。

もちろん相手を罵るような事ではなく、良い所しか言わない。

これは 良い事なのか・・・ 相手によると思うが悪いことではない・・・

ルークにとったら おそらく初めて屋敷の外で褒めてくれた人だし。

でも・・・・・

同じ記憶が無いもの同士でも・・・・

ルークは少しアルを見習って欲しい・・・

ティアはそう感じていた


side out


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