小説『Tales Of The Abyss 〜Another story〜 』
作者:じーく()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

#57 悪夢の宣告




























アル side




ガーランドに、言われたとおりに……。

ジェイド、そしてアルも、急いで、入り口へと戻る。

そこで見たもの………それは、



「はあッ!!」



“ズバン!!!”



「ぐああああっ!!」



ティアと神託の盾(オラクル)の兵が……戦っているのだ………。

幸いにも、ティアに怪我らしい怪我はない……が。




いったい……なぜ……?





「ティアっ!?何してるの!!」


胸騒ぎがする。

この尋常じゃない不安は……一体なんだ?

アルは、拭いきれない。

叫んで、誤魔化してはいるが……。

そのまま、ティアのもとに駆けつける。


「アル!大佐!!」

ティアは、2人が来た事に、少し安心していたようだ。

だが…それでもティアの表情は……。

「一体どうしたのです?」

そして、少し遅れて、ジェイドも駆けつけた。


「……先遣隊が、全滅していました………。神託の盾(オラクル)が待ち伏せしていたんです。」

ティアは、表情を暗くし、そう言った。

「えっ……?」

先にアクゼリュスを救う為に、送られた部隊だ。

なぜ…?そんなことをするのか?

分からない……でも分からないが……。

「そんな………。 でッでも………あのヴァン謡将もいたのに………?なんでそんなことが………。」

主席総長がいるのに……っとアルがそう言う………。

実際に僅かだが、戦う所も見た。

かなりの…使い手。そう感じたのに……。



「………違う………の………。」



ティアはこの時………表情の質を変えてそう答える。






「これは……罠だったの。私をおびき出し………連れ出す為の………」








連れ出す………?

ティア………を………?

なんで……?

神託の盾……オラクルの人間だから?

い……いや………それより……。





【今……ティアは……なんて言ってた………?】





さっきから……ずっとだ。


ずっとずっと……胸騒ぎが止まらない……。





違う………………?




一体何が………………違う?





【ヴァンがいたのに………先遣隊が全滅した………】




それが………………違うの………………?




(ま………さか………………………。)



自分の何処かで……心の何処かで感じていた恐ろしい仮説が………?


頭が急速に回転する……。


ぐるぐる……とこれまでのことが回っていた。


そして、回りながら……頭の中でこれまでの断片(ピース)が1つになっていく………。




「何故……… 貴女を?」

ジェイドがそう聞いていた。



そして。



その後の………ティアの一言で………断片(ピース)が全て繋がった………。



「兄ですッ!兄が私を巻き込まないようにする為に!兄は恐ろしい事を実行しようとしています!」



ティアは、もう叫びだ。

必死の形相で……そう叫ぶ。


「え………………?」

「………………」


アルも………そしてジェイドも………驚愕の表情に変わる。


そんな時!


「おい!!しゃべってる暇があったらあのクズを何とかしろ!全員死ぬぞ!」

声が…聞こえてきた。

その主は………。

「えっ……?あれは……アッシュ………?なんで…………ここに……? それに、死ぬ?いったい何言ってるの………?ここをオレの故郷を助ける………助けてくれるン……だよね?ルークも………それにヴァンさんだって………。」


なんだ………?

一体……なんだ?

本当にオレはそう思ってるのか………?

なら………なんで………心底体が震えるんだ………?

少しも安心できないんだ………?

どうして………どうして………こんなに不安で不安で……不安に押し潰されそうになるんだ?


「ちぃッ!!」


放心しているアルを確認すると、アッシュは。


“ガシィッ!!”


アルの胸倉を掴みあげた!


「てめぇッ!!しっかりしやがれ!!このままだとここにいる皆死んじまうっていってんだ!てめぇは 戦力になるんだ!! さっさと急ぎやがれ!! 走りながら何が本当なのか確認しろ!!!」


アッシュが物凄い形相でアルを一括する。

だが………今はその一括がアルにとってありがたかった…………

あのままだと…全く動けなかったからだ。

自問自答を繰り返して……。

そして、目に光が戻ったと確認したアッシュは、そのまま奥へと向かった。



「なぜ………彼がここに?」

ジェイドはアッシュがここにいることの方がわからなかった。



「彼が……… 教えてくれました。 ………アル!聞いて!兄は………兄は………アクゼリュス……を。」



ティアは……必死に…必死に…伝えようとする。

だけど……だけど………。







【そこから先の話は……聴きたくなかった。】













「アクゼリュスを消滅させるつもりなの!」

















side out





-59-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




テイルズ オブ エクシリア2 (初回封入特典:プロダクトコード同梱) 特典 予約特典「オリジナル短編小説「TALES OF XILLIA 2 -Before Episode-」&「設定資料集」付き
新品 \5250
中古 \3400
(参考価格:\8380)