ほぼ説明回になります
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
エレクトリカル7. ブララヤ大森林!!
世界の台所から南下すると、その森はすぐに見つかる。
ブララヤ大森林
その広さは1万4000平方キロメートル(東京、神奈川、埼玉を合わせた位の面積)にも及ぶ。
先日、この森の近くに配置されているIGO第一ビオトープにあるこんな情報が入った。
曰く、
ブララヤ大森林で“虹の実”が実ったとーーー
虹の実
原作でも登場した果実だ。
その味は湿度や温度に合わせて七味に変化するという・・・
俺達は数日世界の台所の近場のホテルに滞在した後、(実際はラフマンゴーワインを作る期間)ブララヤ大森林に向かっている。
直接の依頼とはいえマッハヘリをポンと貸してくれるIGOマジぱねぇっす。
確かこれってすごい高いよね?
まぁいいや、話を戻そう。
「でも、何で次郎さんが仕事を?そういうのってIGO職員の仕事じゃないんですか?」
「おぅ、その職員がグルメ税を払えない国を配給で出回っておるらしくってな。全員都合がつかんで、ワシが仕事を受けることになったんじゃよ。」
ここで、少し説明させてもらおう。
元は国連の一機関だったIGOは、その使命として美食が全ての人に供給されるように流通を管理することだ。
その際、IGOは加盟国からグルメ税を徴収して機関を成り立たせているが、富裕層ならともかく、一般家庭では1万やら10万といった高額な食材をそうそう食べることができない。
しかし、IGOはそういった家庭にも食が流通するように月に一度高級食材を配給しているのだ。
しかし、そのグルメ税を払えない家庭やそもそもIGOに所属していない国も存在する。
そういった特別な事情を持つ人々にも食が行き渡るようにするための“特別な配給”も存在するのだ。
最も、その配給は公には知らされず、IGOのトップや各国のvipのみしか知らされないシークレットとされているが・・・
「ハァ、それで幹部やらが全員出払っているから虹の実を捕獲できる要員がいない。で、フリーの美食屋である捕獲の依頼が次郎さんに回ってきたと。」
「そういうことじゃな。」
そういいながら先日作ったワインをチビリ、チビリと飲みながら肴を食む次郎さん。
「で、本音は?」
「虹の実ワインじゃよ!!」
「でしょうね。」
この人のことだからそんなこったろーと思ったぜ!!
「ウマイぞ虹の実ワイン!!口の中で味が変化する、あの感覚が忘れられん!!お主も飲んでみんか!?」
「いや、未成年(たぶん)に何しれっと酒すすめてるんですか、犯罪ですよ。」
「もったいないのぅ・・・。」
それに俺は飲むより食べたい派だからね。
トリコ世界独特の味を堪能したいぜ!!
「後はいつ届けるかじゃなぁ。ブララヤ大森林から第一ビオトープは近い。一兄のいぬ間にうまくマンサムと会えればいいがのぅ・・・。」
なぬ!?マンサム!?
「マンサムってもしかしてあのマンサム所長ですか!?」
「はっ!?イヤイヤこっちの話じゃよ!?それよりも、ほれ見えてきたぞ!!」
誤魔化された気がしなくもないが、俺は次郎さんの言葉に従ってマッハヘリの窓から外を覗き込んだ。
すると、向こうに霧に隠れてうっすらと何かが見えていた。
遠くからでも分かる。そう。
「あれが・・・ブララヤ大森林じゃよ。」
「えっ、今ハンサムっつった!?」
二人を乗せたマッハヘリより遠く離れた地で急に大男が変な動きをし始めた。
「誰もそんなこと言っとらんじゃろがい!!」
それをすかさず初老の男性がツッコむ。
それを遠巻きに彼等を見ていた子供達が愉快そうに笑いながら眺めていた。
「・・・ハァ、ここらへんの配給は終わったじゃろう。そろそろ次の場所にいくぞ。」
「ハイ、会長!!」
ノシノシと歩く初老の男を今しがたはたかれた頭をさすりつつ大男が自分よりも遥かに大きい袋を持ち上げつつ、慌てて追いかけた。
彼等はこの後、この世界を揺るがす出会いをすることになる。
そして彼等がこの物語に関わる未来はすぐにやってくるだろう。
しかし、それはもう少し先のお話。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
IGOのグルメ税については独自の解釈を展開しました。
まぁ、読み切り版トリコを少し参考にしたんですがね。
今回は食材は出てこなかったので解説は無しです。