エレクトリカル6. 美食屋の覚悟!!
誰かが言った・・・
数キロ離れた場所からでもその甘〜い匂いを感じる事ができ、食べると甘く、ヒンヤリしている“ソフトクリームの木”があるとーーー!
鉱山から稀に発見され、黄金に光り輝く金色のチョコレートがあるとーーー!!
この世はグルメ時代。未知なる味を探求する時代
というわけで、名無しのゴンベです。
いやお前誰だお前と言われても。俺も結構困ってます。
ちなみに、今はお昼時でご飯を食べています。
「本当に何も覚えてないのか?」
「はい。それどころか、あそこにいるまでの記憶等を含めて抜け落ちてしまってます。」
「お主、それでよく生きてられたの・・・。」
シュンペイタでラフマンゴーを下ろした後、無理言ってグルメ市場を見学させてもらった。
しかし、育ち盛りの体は必然的に腹が減る。
お腹が減って困っていたら次郎さんが近場のチェーン店で奢ってくれた。
なんて優しいんだ次郎さん!!
でも、料金が最低でも5000円からとか逆に食べ辛いよ!!
「どうかしたか?」
「いえ、何でもないっす・・・。」
目をそらしつつチュルチュルとジュースをすする。
ちなみに、このジュースはココナッツグレープと呼ばれ、一杯なんと10000円。
庶民には手がでん・・・
グレープの甘み口全体に広がり、人によってはグレープを嫌う原因にもなるであろう酸味が逆に病みつきになりそうだ。
ハッキリ言っておいしい。
むしろ悔しい。
元の世界では、高額商品とか大抵詐欺なのに、高さ=ウマイが成り立つこの世界よーーー!!!
「どうして泣いておるんじゃ?」
「泣いてるじゃないよぉ!!世界の不条理を味わってるんだよぉ!!」
「?まぁ、ええわぃ。」
やけ食い気味に手元のハンバーガー(絶対高い)を口に押し込んでいると、目の前の席に座っていた次郎さんがアゴを肘をついた手に載せながらこちらを見つめてきた。
「で、お主はこれからどうするんじゃ?」
「ハイ?」
ハンバーガーを口に押し込みながら次郎さんを見つめた俺はうっかり手からハンバーガーを落としそうになった。
次郎さんの目ーーーいつもは酔っ払ってヘラヘラとにやけているその顔がキュッと引き締められ、細められたその目が光を放つ。
ーーー真剣ーーー
その言葉がこれほど似合う顔は無いだろう
「お主はワシの弟子になりたいと言ったが・・・、その意味を理解しておるのか?」
「どういうことですか?」
「美食屋・・・確かにこのグルメ時代においては花形と言えるような仕事じゃ。」
しかし、それだけ危険がともなう
360度どこから襲ってくるか分からない“死”
食材とひきかえに自ら死地へと飛び込むと言うこと
「それに耐え切る“度胸”と“根気”はあるかのう?」
「・・・。」
漫画で見たら誰でも美食屋になれるのかと思っていたが、実際は予想以上に厳しい仕事なのかもしれない。
俺が少し甘かったのかな・・・。
「お主はまだ若い。人生の選択肢などいくらでもある。決断を急ぐ必要はあるぞい。」
「でも、俺は・・・。」
(ピピピピピピ)
俺が言葉を返そうとしたその時、次郎さんの懐から急に甲高い音がなった。
「・・・出てもいいですよ?」
「ぁ?おぉ、すまんの。うっかりしとったわい。」
へへへと笑いながら懐から携帯を取り出す次郎さん。
あ、でもここは携帯変わらないんだ。ちょっと安心。
「ワシじゃ。おぉ、兄者!!久しぶりじゃのう!!いつ以来じゃ!?んあ、依頼?っ!!それは本当か!?分かったすぐ行こう!!」
興奮しながら次郎さんは電話をきった。
一体どうしたんだろうか?
「まぁ、美食屋になるかどうか今はおいてこう。まぁ後々考えればいいからの。」
さて、と一拍置いた後次郎さんは口角をニヤリと上げながら嬉しそうに言った。
「ところで、お主は七味に変わる伝説の果実を食べたくはないか?」
「えっ!?」
ままま、まさかそれって!?
エレクトリカルトリッパー
menu1.虹の実
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ココナッツグレープ
捕獲レベル:2
値段:一個5000円
生息地:(人工栽培可能)
1本の幹に1つの巨大な実がなる樹木。この木から取れる果実はグレープフルーツに似た味だが、グレープフルーツを嫌う理由である酸味が適度に抑えられ、程よい甘味と確実にクセになる旨味を持つ。この果実を付け合わせにしたり、そのまま食べたりとその使用方法は多岐にわたる
ちなみに・・・
ハンバーガーチェーン店 Isao
主人公が食べたのはシュナイダーチキンセットと言います。
荒牛のハンバーガー
シュナイダーバードのナゲット
スパイシーポテト
ジュース選択自由で
なんと合計“78000円”!!
今ならクーポンで二割引に!!
安い!!