小説『とあるUMAの伝説物語』
作者:神死槍()

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※前書き
始めに謝罪を…学生が書くこのメチャクチャ小説を読んでくれている皆さん…

投稿が遅れた事を深くお詫び申し上げます…
実は、家のパソコンが不調で…高校入試の入学祝に新たなPCを買おうかとも考えているのですが…
何はともあれ、まず受験を頑張らないといけません…

なのでまた投稿が遅れるかもしれません…どうかその点はご了承ください…

新年もどうかよろしくお願いいたしますm(__)m

「そんなのやってみないと解らないだろうが…!!」又馬はそう言い返すと、もう一度、その場を思いきり踏んだ。

今度の攻撃はどうやら当たらなかったらしい。その代わりに、又馬の脇腹から赤黒いものがにじみ出ている。白いシャツの色が変わってくるのがわかる。

「っ!?」又馬は激痛を抑えながら、アーデルベルトの影を見る。

見れば、アーデルベルトの影はなにやら尖った物を持っていた。

(あれで、攻撃したのか…なるほど…影に起こったことは、現実にも起こると…大体予想はついていたが…やっぱり、ビンゴ…)

「なら!!」又馬は、空間移動で、空中に飛んだ。
下を見て、アーデルベルトの影を見つめて、その影と手が重なるように、手をかざした。そうすると地面が、爆発した。

黒煙を出して、その中から、アーデルベルトが飛び出してきた。

「出てきたか…」又馬が呟いた瞬間、アーデルベルトは目の前に居た。

「んな!?」又馬は驚いたが、それよりも早くアーデルベルトが右腕を上げた。手に持っているのは、サバイバルナイフ…

「ッ!!」アーデルベルトが降り下ろすよりさきに、又馬は、服の内側に潜めておいた、木刀を取りだして、降り下ろされたサバイバルナイフを弾き返した。

キン!!という高い金属音を出しながら、サバイバルナイフは下に落ちていった。
ナイフを失ったアーデルベルトは二本目のナイフを出そうと考えたが止めた。
又馬希助が殴りかかっている。

アーデルベルトは左腕でこれを防ぎ、右手で反撃する。

又馬は、その勢いを利用して、横に回転しながら、太い腕を避けて、アーデルベルトの背後に回ることに成功した。

「うぉぉぉぉぉ!!」又馬の拳は、アーデルベルトの後頭部を狙っていた。

「フッ…」アーデルベルトは右腕を勢いよく後ろに下げた。

(肘打ち!?)又馬が思うより先に、頬からゴン!!と鈍い音が響いた。

「クソッ!!」又馬は空間移動で地上に一旦足をついた。


(奴は!?)又馬が上を見たときには、アーデルベルトはもう又馬の背後に迫っていた。
又馬は、短くため息をつき、取り合えず、アーデルベルトの攻撃をかわす。それから、距離を取り、いつも左手首に着けている、リストバンドを勢いよく破いた。

リストバンドの下から腕時計が現れた。

よく見れば、指針の数がおかしい。三本ではなく、八本ある。

一本目は一秒間に三周も回る。

二本目は一秒間に一周回る。

三本目は一秒間に反時計回りに二周回る。

四本目は一秒間に0.25秒分進む。

五、六、七、八本目は動いていない。

又馬は、舌打ちしながら、腕時計についているボタンを全て同時に押した。

キュィィィンという起動音が静かな滑走路に響きわたる。全ての指針の動きが、変わる。

「行くぜ……覚悟しな……一分で終わらせてやる…」
「なんだと?」

「能力…全開!!!!」又馬は目を見開き、地面を思いきり踏み込んだ。

「!?」アーデルベルトがまばたきするその前に又馬はアーデルベルトの背後にいた。そして背中から思いきり殴り飛ばしていた。

「ッ!!」アーデルベルトが先程までいた、場所を見ようとした瞬間に脇腹に激痛が走る。何か刺さった。そう気づいたのは、又馬から、追い討ちの攻撃を受けて殴り飛ばされていた後だった。

アーデルベルトは10メートルほど飛んだ後、地面に落ちた。ザザザザザ…と音を立て、床を転がった。体が止まると同時に、体にかかる重力がぐんと上がった。
アーデルベルトは重力に負けて、指一本動かせない。
「これでは…魔方陣が書けない…」アーデルベルトが呟いた時、体が凍り始めた。

「うぉぉぉぉぉ!!」そこに、凍てついたアーデルベルトの腹に、又馬の拳がめり込む。体に付着している氷は振動で全て砕けた。

「ガハッ!!」アーデルベルトの口から、赤黒い、塊が飛び出す。

又馬はアーデルベルトの足を掴み、宙に投げた。二メートル位だろうか…

又馬は、空間移動で、距離を取り(三十メートル位い)
「これが最後の一撃!!」又馬は、己の、拳を硬化する。そして、足に体重をのせて踏み込んだ。

次の瞬間には、又馬の体は前に飛んでいた。

(己の拳の肌質を鋼鉄に変換!!移動速度をマッハに!!後は自然発火する己の体の炎と、勢い、全体重を乗っけて、拳をぶつければ…!!)

「倒せる!!」又馬が叫んだ時には、拳はもう上から落ちてきたアーデルベルトの腹にめり込んでいた。


「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」勢いよく腕を振るう。アーデルベルトは物凄い勢いで飛んでいく。

100メートルくらい飛んだ所で石油を積んだトラックに当たり、爆発した。


又馬は腕時計についている全てのボタンをもう一度、押した。

「が…ぁ…ぁぁぁぁぁ!!」又馬は頭を抱えてその場に座り込んだ。

「頭…が…痛…い…オ…バーヒ……トか…」又馬は、霞んでいく視界の中で恐ろしいものを見た。

霞んでいたが、よくわかる。アーデルベルトは炎の中で立っていた。
「最後の賭けだ…」アーデルベルトが言った時、地面には巨大な、魔方陣が展開されていた。
「私自身が生け贄になる…」又馬は、もう言葉も聞き取れなかった。その場に突っ伏し、ピクリとも動かなかった。

「後世にこの魔術を与え…目の前にいる能力者に過去を知られないように…」

「あん…たの…事は…もう理解した…」又馬の口は自然と動き、言葉を発していた。意識なんてとうに飛んでいるのに、又馬の口は動いていた。

アーデルベルトは立ち尽くしながら、少し黙り込み夜空を見上げた。

「無念」その言葉と同時に魔方陣ごとアーデルベルトは消えた。





五時間後
(何時間経った…?アーデルベルトは?)又馬はゆっくり目を開けて回りを見回す。又馬の目に入ったのは、この前まで、お世話になっていた病室だ。

(なんで…?)

「気づいたかい?」
カエル顔の医者は、病室の入り口に佇んでいた。

「君は一体何をしてるんだい?空港の滑走路に倒れていた…意味が分からないね…」

「ちょっと能力を使いすぎたんですよ…だから…オーバーヒートして…」

「喧嘩に能力を使用したのかい?」

「いや…使ってn…」又馬が何かを言いかけた時、カエル顔の医者は、血が付着した、サバイバルナイフを取り出して又馬に見せた。

「脇腹にナイフを刺されたんだろ?」


「……………。」


「だが、このナイフに付着している血は君の物ではない…」

「それは…」

「話してくれるかい?」







「上からの命令で動いていた…だって?」カエル顔の医者は、又馬の顔を見ながら、質問を始める。

「…はい」又馬は簡潔に答える。
カエル顔の医者は、しばらく黙り込んでから、一息置いて、再び喋り始める

「まぁ…いい…その腕時計は?」カエル顔の医者は人指し指を又馬の腕時計を指した。

「はい…前に木原の研究所に行ったときに、気づいたら…ついてたんです…それで、気になったから、恐る恐るボタンを一気に全て押してみたら…指針が、急に動きを変えて回転しだした時、頭が、スッキリして、計算能力がグンと上がったんです…」

又馬は、一度黙り込んで、もう一度話し出す。

「リミッター解除みたいなもんです…多分…」

「そのなんだかよく分からない腕時計を使って、副作用はあったかい?」

「頭が、オーバーヒートするんです…(正確には、頭に入っている超小型機械)」

「…………はぁ…」カエル顔の医者は、溜め息をつき病室の、ドアを開けて出ていく。最後に言葉を残して
「あまり無茶はしないことだ。頭がもたないよ…」

ガラガラと音を立てて閉まるドアを又馬はしばらく見ていた。

「てか、最近、入院しすぎのような…ヤバイな…」又馬は苦笑いしながら、軽い睡眠を取ることにした。





「アレイスター」カエル顔の医者は、誰もいない部屋で電話を使っていた。

[なんだ?]アレイスターは返事をした。

「あの子に何をやらせているんだい?」カエル顔の医者は無表情ながらも、怒っていた。

[何を言っているのか分からないな…]アレイスターはつまらなさそうに、答える。

「もうあの子に無茶はさせないでくれ」カエル顔の医者はそう言い残して、受話器を置いた。



翌日早朝
病院の入り口前
「もう行くのかい?」カエル顔の医者は、荷物を抱えた、又馬に聞く。

「はい…いろいろありがとうございました。」又馬は簡単に挨拶を済ませる。

「風紀委員の仕事も頑張ってね」カエル顔の医者は、微笑みながら、又馬に優しく告げる。

「はい」又馬はそう言うと、百八十度回転して走り出した。

「ふぅ…まったく…入院患者が多くて、困るよ」カエル顔の医者はそう呟き、病院内に入っていった。





「当麻〜」又馬は教室で自分の机に伏せながら、前に座っている上条当麻に話かける。

「ん〜」上条当麻も似たような、格好をしていた。面倒くさそうに答えると、又馬が顔を上げて話し出した。

「お前今日暇か?」この質問を受けると、大概面倒な事に関わらされる事になると上条当麻は知っている。
だが、だからといって放っておいても、あれなので、取り合えず話しは聞くことにする。

「なんで?」上条の答えに、又馬は頭をかきながら、話を続ける。

「いやぁ久しぶりに再会したわけだから、昔について語りたいな…って」

「なんで?」上条は先ほどと同じく面倒くさそうに答えた

「いやだって…」又馬は少し間を開けて、再び答える。

「記憶を喪っているであろうから…さ」

「なん…!?」






わたくし上条当麻の回りにはいつも、不思議な人たちが集まるのである。俺の席の後ろに座っている又馬希助もその一人である。
彼は、不思議な力を使い、風紀委員の仕事もする。それでいて、俺の昔からの友だちらしい…そしてさらに、俺が記憶喪失な事も知っているらしい。そんな摩訶不思議な、友人は今、俺の家にいる。部屋が隣だから、すぐこれると言うのに、わざわざ空間移動で来る。午後10時と言うのに、いっこうに帰らない。

「んでさぁ」上条は迷惑そうに話し出す。

「いつになったら、昔の話をするんだ?」

「そーだな…そろそろか…」又馬は、ベットに横たわる、インデックスが寝たのを確認するとカバンから何かアルバムらしきものを取り出した。

「なんだそれ?」

「アルバムだよ」又馬は、アルバムを開けると、幼い頃の、上条と又馬が泥だらけになって遊んでいる、写真があった。

「懐かしいなぁ…これは、泥で転けた当麻を起こそうとした時、俺も足を滑らせて…一緒に泥だらけに」

「ハハハなんだそりゃ」

二人は、しばしの間楽しい時間を過ごした。

それから一時間後、上条と又馬は、焼酎を飲み始め、酔い始めた。そして本音が飛び交い始めた。

しばらく、二人の会話をご覧ください。




「だからさぁ〜希助…俺思うんだよ〜モテねぇなぁ〜って」

「てんめぇ……家に、一人の少女をかくまっているやつの言うことか!!ったくよ〜モテねぇってのは俺の事を言うんだよ」

「お前はイケメンだから良いだろうがよ…俺なんて…俺なんて…」

「おいおい…なに言ってやがる…当麻…いいか?俺がイケメンなら、世界中の男がイケメンって事なんだぞ!!」

「チクショー!!なんでモテねぇんだよ!!不幸だ!!」

「じゃあ逆に、なんでお前の回りにはいつも女が集まってんだよ!!答えろ当麻!!」

「お前…それはあれだ…あれ…そう…主人公の特権てやつだ」

「はぁ?マジか…そんなんで…そんなんで…モテるってのかよ!!」

「そんなに落ち込むなって…よくあるよくある」

「ねーよ!!」



こうして夜は明けていった。


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