小説『とあるUMAの伝説物語』
作者:神死槍()

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「あんたが侵入者…わりぃけど、ここで大人しく捕まってもらうよ…」そう…謎の少年の正体は又馬希助だ。え?解ってた?またまた〜嘘ばっかり〜( ´∀`)


回りには、光などは一切なく、侵入者の体は、肉眼でかろうじて、見えたぐらいで、顔等は一切見えなかった。


「大人しく捕まると思うか?」侵入者は鼻で笑いながら、深い声で返事をした。


「そっか…そりゃそうだよね」又馬はため息をつきつつも、何処からともなく、手錠を取り出した。


「てか…捕まえろなんて命令されてないけど…まぁ個人的に聞きたいことが…………だから力ずくで拘束するだけだ!!」又馬は上にのって、手錠をかけようとするが、不可能になる。侵入者の姿がない。



「何処行った?」又馬が回りを見回そうとすると、後頭部に振動が走る。何者かに、殴られた…しかし、この空港には、又馬と侵入者しかいないはず…


「そこかぁ!!」又馬は後頭部を押さえながら、高速の回し蹴りを、当てようとするが、勢いづいた、脚は思いきりくうをきり、空振りに終わった。何も当たらなかった。


奇妙な風だけが吹いている…何処かで、足音が聞こえる。


(集中して…音を聞け…できるはずだ…相手を見つけることぐらい…)


カツン…カツン…と、足音が静かに又馬に近づいてくる。


ピタリと、音が止んだ…
すぐ後ろに居る…やれる!!又馬はそう思うと、凄まじい速さで、裏拳で背後を攻撃した。

しかし、やはり、攻撃は当たらない。

(なぜだ!!なぜ当たらない!?敵の姿が見えないのは…何かトリックがあるのか!?)又馬が相手に攻撃が当たらない事について、必死で考えていると、再び後ろから、殴られた


「ガハッ!?」又馬は殴られたダメージを無理に、耐えつつ、目の前にある、ガラスに身を任せ、その場に座りこんだ…
顔を前に向け、目で侵入者を見ようとしたが、やはり誰も居ない…


「クソッ!!明るくすりゃ良いんだろ…そしたら見えるはずだ!!」又馬は叫びながら、手を上にかざして、軽い電撃を天井にぶつけた。電撃は天井を走り、ありとあらゆる、電気器具に衝撃を与えた。数秒もしないうちに、又馬が居る空間は、明かりで満たされた。



「さぁ…て…何処に…」又馬が辺りを見回そうとした時、すぐ近くの窓が割れた。



「しまった!!」又馬は急いで、割れた窓から外を覗くが、人らしいものは居ない…


「チッ!!ん…いや、ちょっと待て…」又馬はここにきて、初めて今居るこの状況がおかしいものだと感じた…


「今の今まで、思いっきり、スルーしてたけど、ここは、空港………空港なら夜でも人がいるはず…それに、ここは、管制塔…オペレーターやらなんやらでごった返してる場所なのに…なのに…人が一人も居ない…」又馬は状況を把握出来ないまま、近場にあった、イスを蹴った。


「ワケわからん!!一体…」又馬はもう一度、外を見た。
又馬の目に飛び込んできた、光景は、異常だった………


「飛行機が一機も無い…」そんなバカな…と言わんばかりに、又馬は口を開けて呆然とする。


「取り合えず…侵入者を探さなきゃ…確かにここの窓から飛び出して行ったんだ…いるはず…」又馬は空間移動で、ガラリとしている、滑走路に移動した。


「久々に、カエル顔の医者に貰ったこれでも使うか…」又馬がズボンのポケットから眼鏡ケースを取りだし、中から、特殊な眼鏡を取り出した。


「ジャジャーン!!超ハイテク眼鏡〜!!(←今、名付けた)」又馬は寂しさを紛らせるために、取り合えず叫んでみた。だが、心は寂しくなっていく一方だと思い、叫ぶのを止めた。


「さて…と後はどうやって見つけるか…だよな…コイツには確か、遠くが見える望遠モードと、暗闇でもへっちゃらな赤外線モードがあったはず……………取り合えず、赤外線モードにして、後は……風を使うか…」又馬は通販番組のような説明を終えた後、両手を、頭上に持っていった。手のひらを重ねるようにしたら、そこに、風(空気)が集まってきた。


「これで…!!」又馬が素早く、手を振り下ろすと、先ほど、集まっていた空気(風)が又馬を軸に、360℃にすさまじい勢いで、広がった。


(この風に、当たれば、その物の場所、大きさ、形、全てが手にとるようにわかる!!この風を侵入者に当てる事で、相手の居場所を、つかむって寸法よ)

風は、滑走路全てに渡った。確かに反応は、あった。しかしそれは全てコンテナや、建物だった。人間の反応は無かった。


(おかしいだろう…人間が居ない…なら俺は、何で殴られた?姿を消す能力なら、己の体を透明にしたり、光の屈折を利用したものでしか、姿は消せないのに…当麻が、言ってた魔術ってやつか…やっかいだな…法則が分からん…)


又馬が頭を抱えて考えていると、どこからともなく、声が聞こえてきた。


「我は聖人だ…ただの凡人には我は倒せん」どこからともなく聞こえてくる声に、又馬は言い返す


「言ってくれるねぇ〜なめられたもんだ…ゼッテェ倒してやる…」又馬は笑いながらも、怒っていた。
そんな又馬を無視して、侵入者は続ける。


「我が名はアーデルベルト・シャミッソー」


「…」


「人は我をこう呼ぶ………二重身(ドッペルゲンガー)と…」


「ドッペルゲンガー…影?まさか!?」


「完全には理解しきれまい…だが教えてやろうドッペルゲンガーの意味を…」
アーデルベルトは又馬の返事は聞かず、話を始めた。


「影は、夢や想像に現れる死者などのイメージであり、魂に付随する第二の魂でもある。自分自身の姿を見ることを『自己視』というが、自己視は魂の身体からの離脱を意味し、『二重身』の現象と関連する……………これがドッペルゲンガーの意味だ」


「はぁ…長い説明お疲れさん…正直言うと、そんな話くらい知ってるよ…だがな…テメェが、ベラベラ喋ってる内に、こっちも打開策が出来たんだ…」


「打開策だと?」アーデルベルトは驚いた様な声質で、聞いてきた。


「あぁ…こうして、雷を放って!!」又馬は手を開き、頭上にかざした。そこから、大量の雷が飛び出した。その雷は滑走路全ての、電灯に当たった。
次の瞬間に全ての電灯に光が灯った。


又馬とアーデルベルトの二人しか居ない、滑走路が、光に包まれる。


「!?」


「RPGとかでよくあるだろ?闇なら光に弱い…つまり、あんたの姿がみえなかったのは、影になって、闇に潜んでいたからだつまり、見えなくて当たり前…つまり、明るくしちまえば、影を見つけることだって可能だ」


「しかし、貴様は、勘違いをしている。確かに、影いわゆる、闇は、光に弱い…が、同時に闇は、光に強い。つまりは矛盾」


「……………。」又馬は辺りをみまわす。アーデルベルトの影がどこかにあるはず…確かに、影はあった。しかし、肝心のアーデルベルトがいない…影だけがひとりでに動いている。


「なんだ…これ……」又馬はふと、自分の足元に目をやった。影はあった。自分の足元にあった。


「……………。」又馬はもう一度前を見てアーデルベルトがいない事を確認すると、走り出した。アーデルベルトの影も同時に、又馬を目掛けて走り出した。


(どうすれば、倒せる?どうすれば、攻撃が当たる?相手は、地面に張りついてるし……………って表現であってんのかな?)
又馬とアーデルベルトとの影の距離は、一メートルも無かった。
又馬は地面を強く踏み込み、前に飛んだ。


「ウォォォォォォ!!」又馬は思いきり、何もない、空間を殴ろうとした。下に、影があったから、姿を消して、影だけが残っていると信じていたから…
しかし、又馬の拳は、思いきりからぶった。


又馬は頭で必死に考えた…いや、考えようとした…しかし、考える事が出来なかった。又馬の体は見えない拳に殴られて、後ろに飛んでいたから…

ノーバウンドで、二メートルくらい飛んだ。地面に落ちた時に強い衝撃が、背中じゅうに走る。


「クソッ!!」又馬は素早く足を上に持っていき、地面に手をつき、体を持ち上げた。(逆立ち状態)もう一度、腕を曲げて、勢いよく腕を伸ばした。そのまま後ろに飛び、ストッという音をたてながら着地した。


「身体能力が高いな…」何処からか、アーデルベルトの声が聞こえる。その言葉は又馬にとって、挑発行為以外の何でもなかった。


「数少ない取り柄の内の一つだからな」又馬は強気な反応をする。


「どうすれば…」又馬はついつい一人で呟いてしまった


「貴様には一生かかっても、この魔術をやぶることはできん!!」その時、アーデルベルトの影が、赤く光だした。丸い円が空中に浮かび上がる。円の中には何かの紋章らしきものがあった。RPGで言うとこの、魔方陣と言った所か…

その魔方陣から長身の男が出てきた。アーデルベルトだ…


「初めてアンタの顔を見たよ…」又馬は鼻で笑った


「新たな生け贄が必要だな…」アーデルベルトは又馬に聞こえるか聞こえないかの間の声で呟いた。
又馬はアーデルベルトが何か喋ったのは気づいたが、何を喋ったのかまでは気づかなかった。


(今気づいた事と言えば、奴が何らかの手段で、姿を消し、影を操っている…くらいか…いや、これはあってるかどうかは解らない…ただ、他にも仮説はとれるけど…だぁーもう!!面倒くさいな!!魔術ってのは!!)
又馬は頭をかきむしりながらアーデルベルトをゆっくりと見る。


(身長は197cm大柄で筋肉質で、服の内側にはサバイバルナイフを二本…か)
又馬が黙り込んでいると、アーデルベルトが口を開いた。


「貴様の打開策と言うのは、もう終わりか?」又馬の肩がビクッと動く。
正直な事を言えば、又馬は完全な打開策を思い付いていた訳ではない…ただの強がりという訳でもないが…


「しっかし…不味いなこりゃ…」又馬は小言で呟く。無理に笑おうともした。しかし、その無理な笑いが消えるのに五秒もかからなかった。
また消えた。アーデルベルトがまた消えた。


正確に言えば、アーデルベルトの体が光り、魔方陣の中に消えていったと言うのが正解なのだが、魔方陣が出現したのが、アーデルベルトの影だった。


「サンキュ…わかった…やっと攻撃方法が分かった…」又馬はうっすら笑いながら、アーデルベルトに礼を言う。その顔には汗が伝っていた。


汗が、下に落ちた。地面に当たり、周囲に弾けたその瞬間…


アーデルベルトの影が、ひとりでに動いた。

(やっぱり…攻撃していたのは影…ただしその影は俺の影にしか攻撃してこない…ていうかそうじゃなきゃ、多分攻撃出来ないんだろう…なら!!)


「その理屈なら!!俺の攻撃だってあたるはずだ!!」
その言葉を受けたアーデルベルトの影はピタリと止まった。

「ッ!?」
「ッ!!」

先に動いたのは、又馬だった。空間移動で、アーデルベルトの影の上に…ではなく、影からすぐ近く(35?くらい)に飛んだ。

又馬は着地するさいに、自分の影の足がアーデルベルトの影の頭にくるようにした。
着地したさいに、アーデルベルトの痛がる声が確かに聞こえた。
(攻撃が当たった!?やっぱり…ダメージは与えられるんだな…)そう思った瞬間…


「たとえ理屈が解ったところで…貴様に我は倒せぬ…」





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はい…かなりな文字数になったのではないでしょうか?


正直な所、バトルは苦手です。どうすれば、上達するのか…

どうか心優しい方は、コメントかなにかでアドバイスしてください…


こんな作者でスイマセン…ここまで読んでくださった方…本当にありがとうございます。

今年も、後わずか!!皆さん!!よいお年を〜( ´∀`)ノシ

※一言
来年も頑張るぞー!!ボヤくと思った?ボヤかないよ〜(笑) スイマセン

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