毎日ロケが終わったら特にやることもないし、持って来た漫画は全部読んじゃったし優海、本当につまんない。
同じ旅館に泊まってるはずなのに、どれだけ旅館の中をウォーキングしても晃さんにも会えないし。
なんとなく外に出てみたら、お月様とお星様がとても綺麗だった。ロマンチック。
「今日ケーキ食べちゃったから、ウォーキングしないと。アイドルは大変よ」
自分で自分を励まして夜のウォーキングに出てみた。
小学校まで来たら、なんと、、、、、晃さんの姿が見えた。キャーーー
「晃さん。何してるんだろう?」
誰かと喋ってる。
まさか女……
女が晃さんを追いかける。
「今度こそ許さないから」
「うそうそ。こわっ」
声だけ聞こえてくるけど、暗くて誰だかわからない。
「あっ!美香先生だ。まさか…あの二人……」
どこまでも続く海岸線。お日様が沈みかかっていてあたり一面オレンジ色に染まっている。
「ここまでおいかけてごらん」
晃さんが優しく美香先生に語り掛ける。
「まって晃さん」
美香先生が手を晃さんに伸ばす。
「美香、こっちにおいで。」
晃さんも手を伸ばす。
「ってそんなわけないか。きっと本当に鬼ごっこしてるの」
優海、冷静に考えるとそうだと思った。
「待たんかい!」
「いやだよ。おしりぺんぺん。」
晃さんと美香先生のはしゃぐ声が聞こえてくる。
「もう、本当男の人達っていつまでも子どもなんだから」
優海はしばらく二人の様子を見ていた。