小説『日本式魔術師の旅〜とある魔術編〜』
作者:ヨハン()

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Side-レイゴ

「ハアアアアア!」
頭上から地面えと振り下ろされる一閃

「フッ!」
錫杖を使用し、相手の刀に合流させ軌道を変える。
それにより神裂きの一撃は振り下ろしの軌道から逸らされる。

(さすが聖人、地力がちがいますね。完全に受け流せませんでしたか。
しかし、恐れるほどでもない)


そこから連撃、切り落とし、薙ぎ払い、突き、切り上げ、袈裟切り。
聖人としての力を存分に発揮し普通の人ならば耐えられない刀の雨嵐が襲う。

しかし相対する存在も普通ではなく、前世もちの転生者であり
なおかつその前世は武術の達人。
しかもその武術は受け流しや、自らの力を一切使用せず
自然や相手の力のみを利用し、敵や相手の技、場を完全に操作する奥義豊富に所持している流派。
そのため見切りの力は極めて高い。

ゆえに、

「くっ、なぜ当たらない!」


いくら早くても、いくら力が強くても、例え聖人であろうとも



受け流せない道理はない


しかし彼の武術は受け流すだけしか能がないわけではない、彼の武術のもう一つの特徴は


「そこです」

「グァ!」


円運動等を利用したカウンターの豊富さ。


しびれを切らし、技が大きくなる
それは刹那の瞬間。よほどの実力者では気づくことすらできない隙に敏感に察知し

当て拍子によりタイミングを崩させ、力をでたらめな方向に受け流し、踏込を狂わせ隙を増大させる

それはあたかも神裂自身が作ったように、神裂自身が気づかないほど巧妙に


そしてその隙に今までためていた力をぶつけた
その威力は聖人である神裂を吹き飛ばす威力であった。

しかし、
(本来の武器でない以上やはり威力は落ちますか。)

そうである、彼の流派である円神理念流は武器を選ばない流派ではあるが、
本来の戦闘方法は、無手・鉄扇・刀・苦無・小太刀・双刀・十字剣といった小回りが利く、
もしくは手数が多い武器なのである。

錫杖は転生してから、魔術との組み合わせの戦闘に利用するため学んだものである。
もともと基礎ができていたため、現在の腕前は達人級なのだが、
実際は聖人を相手するには少しばかり力量不足であるのだが。

神裂の実力不足、また怒りによる荒々しさが要因となり打ち勝てている状況である。


もっと精進しなくてはいけませんね。
私がそう思考しているうちに声がかかる。

「なぜ・・・ですか?」

-17-
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