小説『短編集』
作者:tetsuya()

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人は昔からたくさんの争いごとをしてきた。その度にたくさんの人間が命を犠牲にしてきた。
 
 古代は剣や弓などを用いる。殺害は残忍だが、遠距離からの不意打ちができないので、平和はある意味守られていたかもしれない。交戦時を除いてはそれなりに安心して寝床につけただろう。

 それから時がたち、中世には拳銃などの一段階も二段階も発展を遂げた武器が登場した。当時にとっては画期的な武器で、相手を瞬時に射殺できる威力に恐れをなしたことだろう。弓の何倍ものスピードで向かってくるため、かわすのはきわめて困難だった。

 だけど拳銃の距離も高々しれている。日本から諸外国に向けて拳銃で攻撃できない。
 
 文明の進歩は続き、現代となっては剣や弓、それよりはるかに殺傷能力の大きい拳銃ですら子供じみている戦闘機が開発された。

 空から攻撃を行えるのが、これまでと全然違う。しかも相手が見えないところからだ。剣、弓、拳銃などは至近距離に近づかなければ、相手を殺害できないのに対し、戦闘機は上空から爆弾を落としたりできるため、無差別殺害を行え、奇襲攻撃にも抜群の威力を誇る。高速移動もでき、はるか遠くであっても短時間で攻撃を加えられるようになった。

 平和を守るためというくだらない名目のために、強力な武器開発が繰り広げられるようになった。それらは人間の安全にするどころか、どんどん危険に晒している。 
 
 武器を作るのは自由だ。だけど、利害、嫉妬のために大切な人命が地球上から奪われていってほしくない。人々が平和で生きられることを心より願ってやまない。 

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