小説『短編集』
作者:tetsuya()

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人はどうして生きようとするのだろう。どれだけ長く生きようがいずれかは絶対に死ぬのに。

 生きることは苦難の連続だ。ちょっぴりの幸福をつかむために、比べ物にならないほど大きな苦しみを味わわなければならない。

 本人に非があるかないかに関わらず、不幸は容赦なく津波のように押し寄せてくる。非がありそうなのは、世間を騒がすような殺人事件を起こして死刑になった被告くらいとそんなに多くない。あとはどうしようもない世界をわたしたちは生き続けている。

 ふだんは無意識だが、危険はいつわが身を襲うかわからない。地震や大雨などの自然によるものから、人為的なものまでありとあらゆるところに潜んでいる。運が悪ければ命を落として終焉を迎えることもある。地震や殺人で命を落としてしまう理不尽さには慰めの言葉もかけてあげられない。殺人に関しては自業自得だった場合をのぞいて。

 その他にもいろいろな支離滅裂なことはある。だけどそれと闘いながらも生き続けるのは、ほんのちょっぴりの幸せを掴んだり、自分が生きた証を残したりするためなのかもしれない。目的があるからこそ生きられる。

 それぞれは与えられた使命が必ずある。それを信じて前向きに生きていこう。





 
 

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