小説『短編集』
作者:tetsuya()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

 アスペルガー傾向の障害を持っている人は理性より先に本能で行動してしまうため、極めて生きにくい。他人の胸倉を掴む、限度を超えた叱責、完璧でないと口出しをせずにはいられない、潔癖症など、様々な悩みがついてまわる。上記以外にも、露骨な障害により社会から弾き飛ばされてしまう。

 アスペルガー症候群は他人視点が、著しく欠如しているのが大きな問題だ。自分の思い描いたとおりに他人が動かないと、脳内で極度なフラストレーションに見舞われる。アスペルガー傾向の人は、他人が生きる機械、もしくは奴隷として動かせなければ生きにくい。どうしても心を大切にできないし、素直さの欠如も障害となってつきまとう。

 最近、裁判員裁判でアスペルガー傾向で引きこもっていた人に求刑を上回る量刑がいいわたされた。心の安定をという理由である。

 誰かに守ってもらって更正していくという発想事態は間違っていないと思う。だけど、社会復帰をさせないのはどうかと思う。彼の生存権などの権利を奪っている。生きる道をしっかりと提示してあげることこそ、社会の安定につながるのではないか。最近の新聞を見てそう感じずにはいられなかった。アスペルガーなどの障害を抱えながらも立派に生きている人間はたくさんいる。


 
 

-9-
Copyright ©tetsuya All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える