小説『自由に短編[完]』
作者:ハル()

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時は急激に進み、いつのまにか光の四十九日。

早いなぁなんて呟く私の体は、重苦しい脱力感を背負いながらもなんとか二足歩行を保つことができていた。



2:03 花屋にずるずると到着し、黄色の菊の花を買う



2:17 自転車で霊園へ到着





「光、元気?」


大理石の墓石に打ち水を2、3回し、ホッと一息。
そうだ、と思い出して買ってきた菊を供える。


「光、黄色の菊の花言葉を知ってる?」


「゛わずかな愛゛なんだって。私らしいと思わない? だって光みたいに私、愛情表現下手くそだからさ」


「・・・だから、その、さ。罪滅ぼしっていうのかな。私があげられなかった愛情をもう光にはあげられないわけじゃない、だからせめてって思って黄色の菊を買ってきたの。―――――ごめんね」


ああ、嫌だなぁ。涙がボロボロ出てくるよ。ぼろぼろぼろ。


































(泣かないで、雪乃―――)




聞き覚えのある声が聞こえた。










2:32 声に誘われ、彼女は意識を無くしたそうだ




【君、もしかして。】

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