第１０箱 「ええ！…ゆ…夢の中まで？」
日付が変わり・・・
ここは、
【人吉家】
「ふあああ・・・・もう・・・食べれない・・・・よ・・・ ｚｚｚ」
「ちょっ・・・ めだか・・・ちゃ・・・ やりすぎ・・・ ｚｚｚ」
善吉・劉一それぞれ夢に中で楽しそう・・・
・・・？？ どっちかは楽しそうというより・・・苦しそうって感じがする。
夢の中にまで・・・入っているみたいなんだね・・・・ めだかちゃんは。 苦笑
劉一の夢 side
「よし！ もう一度勝負だ！！今日はジークンドーの指南を受けた！それを見てくれ！！」
めだかは構えだした。
「えええ！！ またやるの？？って さっきはムエタイだって言ってたのに・・・いったいどれだけ習ってるのさ・・・」
ちょっと疲れながら・・・驚きながら・・・そう答える。
夢も現実も変わらないな〜・・・苦笑
「ふふふ・・・見せてきたのはほんの一部だ！まだまだあるぞ？ 」
不敵に笑う・・・
「そんな事実・・・知らなきゃよかったかも・・・」
苦笑いしてしまうのは無理ないだろう・・・
「では・・・行くぞ！！」 凛ッ！
「へうっ！！」
めだかが構えだした為、劉一も慌てて臨戦態勢を取ってると・・・
「む・・・・・？？」
めだかが急に後ろを見て止まっていた。
「？？ん？ どーしたの？めだかちゃん？」
勝負の寸前に止まってしまうという、らしくない行動にちょっと驚きながら聞くと・・・
「・・・ふむ。今日はここまでだな。では劉一！今日は楽しみにしておるぞ。善吉にもよろしくと伝えておいてくれ！」
そう言うと・・・
めだかは後ろを向いて歩き出し・・・視界から消えた。
「あれ・・・？消えちゃった・・・まあ めだかちゃんだし そんなには驚かないけどね。」
笑いながらそう言うと・・・
「あははは そうだねぇ。めだかちゃんだしねぇ 僕もそう思うぜ。」
突然背後から声が聞えてきた。
「え？ あれ？ 君は？？」
驚きながら後ろを見ると・・・・
女のコが立っていた。
歳は・・・ 同じくらいかなぁ？
長い髪を靡かせながら立っていた。
それに風景がいつの間にか変わっていた。
これは・・・学校の教室・・・かな？
「やあやあ驚かせて悪いね。劉一君 君とめだかちゃんのバトル・・・もっと見ていたかったけど 僕も君に会いたかったんだ。だからそれに免じて驚かせたのは許してくれないかい？」
笑いながら・・・そう言った。
「許すも許さないも何も無いよ！別に後ろから声を掛けられたからって 僕は怒ったりしないしね。 ええっと・・・君は僕の名前は知ってるみたいだけど。僕は君のこと知らない・・・ 名前はなんていうのかな？」
僕も・・・つられて笑いながら話す。
「あはははッ！悪い悪い！言ってなかったね。僕は安心院なじみって言うんだぜ。で、親しみを込めて君には安心院（あんしんいん）さんって呼んでほしいな。」
「あんしんいんさん・・・ あはは！何するにも安心できそうだ。 うん！わかったよ。安心院さん！よろしく。」
笑いながら手を差し出した。
「へぇ・・・やっぱり君は変わってるね。」
さっきまで普通に笑顔だったのに 何故か目を細めだした。
「え・・・？どうしたの・・・？ 握手は嫌いなのかな？安心院さん。」
ちょっと驚きながらそう聞くと。
「いや、嫌いなわけじゃないぜ？ただ君は君の夢の中に知らないかわいい女のコがきて話しているって言うのに何も驚かないのかい？ 驚かせることが好きな僕にとってはちょっぴり傷つくんだぜ？」
「いや・・・そういわれてもね・・・ 確かにちょっとは驚いたけど・・・ 傷つくほどだったの？」
互いに苦笑しあっていた。
「で・・・ 僕に何かようがあるのかな？安心院さん？」
笑いながら聞く。
「ああ！話がちょっとそれちゃってたね。君に会いに来た理由はね・・・」
笑うのをやめた安心院は真顔になり・・・・・
「僕と付き合ってくれないかい？」
っと一言！
・・・・・ええっと、
付き・・・合う・・・？
・・・・ま・・・まあ 僕は2歳児だ、
ここはわからない振りを・・・
「ん？ええっと・・・何に付き合ったらいいのかなぁ？安心院さん。」
顔が引きつっちゃったよ・・・
「んー？君分かってて恍けていないかい？ また傷ついちゃうぜ？こう見えても僕は純粋（ピュア）なんだ。」
ちょっとムスッとしながら答える。
このコはめだかちゃんと同じで嘘を見破ってしまうんだね・・・
「・・・・あ・・・はははは・・・ ごめんなさい・・・でも、付き合うって言ったって・・・僕2歳児だよ・・・？ 早くないかな？」
今回は真面目に答える。
「ははっ 愛に年齢(とし)なんて関係あるのかな？」
こりゃまた定番なセリフを・・・言っちゃうね。
「ってまあ とりあえず冗談はおいといて・・・ でもまぁ 8割がたは本当だから覚えておいてくれよ。」
8割の冗談って・・・なんだろう？
ほぼ本当ってことだね・・・ 苦笑
「君に興味が湧いたんだ。君はいったい何なのかなっ？ってね。」
笑いながら答える。
「なんなの？って言われてもね・・・僕は劉一！今は人吉家にお世話になってるから人吉劉一・・・かな？ それ以上は・・・ちょっとわかんないな・・・」
苦笑しながら答える。
「またまた 恍けちゃって・・僕はいろんな異常者（アブノーマル）も過負荷（マイナス）も見てきたけど 君ぐらいなんだぜ？ 僕のささやかなスキルの１つ輪廻解析（アナスタシス）で解析（み）れないなんてさ。」
・・・・・？
首をかしげていると・・・
「ははは。分からない振りはもういいよ？ 劉一君、君は良く分かってるはずだ、異常（アブノーマル）についても過負荷（マイナス）についても。僕の質問の真意にも、君について根本的なことは解析（わ）からないけど、大体の事は解析（わ）かるんだぜ？ 恍けた振りっとかさ。」
なるほど・・・
やっぱり さすがは安心院さん、恍けたくらいじゃ誤魔化しできないんだね。
「はは・・・・ うん 分かったよ。答えられる事には答えるよ。 僕の出生や正体については・・・唯の2歳児・・・の異常者（アブノーマル）って事で納得してくれないかな？ 僕はこの世界（いま）を楽しみたいんだ。あまり思い出したくも無いって事もあるんだ。」
苦笑しながらも 真剣に答えた。
「ふうん・・・ それは本当みたいだね・・・ だけど残念だ、君のこともっとよく知りたかったんだけどね。不思議だよ。君の事を解析（み）れば解析（み）るほど、わかんなくなっちゃうだよ・・・ まあいいや、今日は君と話せただけでも良かったからね。」
最初こそ難しそうな顔をしていたけど・・・ 最後には笑いながら言っていた。
「君とは又いつか直接会いに来るよ。その時付き合ってくれるかどうか、答えを聞かせてくれよ？」
笑いながら話す・・・
「2歳児にはまだまだ早い内容だと思うけど・・・とりあえず うん。 考えておくよ安心院さん。」
苦笑・・・
「ははっ 僕は結構真剣なんだけどなぁ・・・ まあ きっと会うことになるからその時改めて君に聞くとするよ。」
そう言うと、教室の入り口のドアが勝手に開いた。
「そこから出れば夢から覚める、今日はめだかちゃんの家に遊びに行くんだろう？ まあさっきみたいな事の繰り返しになると思うけど、楽しんでおいでよ。劉一くん」
「いや・・・もうちょっとほかの事で楽しみたいんだけどね・・・ バトルばっかじゃちょっとね・・・」
さすがにやれやれって感じだね。
「まあ そう言ってやるなよ。 君ぐらいなものなんだ、めだかちゃんと渡り合える同い年なんてさ、いや同い年に限らず君くらいなんだぜ？ 」
安心院は座っていた机から立ち上がりながらそう答える。
「そうだとしてもね・・・さすがに毎日はね、疲れちゃうんだよ？安心院さん・・・」
首を左右に振りながら答えた。
「はははっ 君はさっきこの世界（いま）を楽しみたいッ って言ってたじゃん。 その疲れだって楽しみの1つじゃないのかな？」
ううっ！そーかもしれないけどさ・・・
「はぁ・・・ そうだね」
疲れながらも楽しんでいる事に気付かれてたんだ・・・
そりゃそうだ。安心院さんだもん・・・
「はははは！図星だね。君も楽しんでるのにそれを隠そうとするなんてシャイなんだな〜？ めだかちゃんにちょっと妬けちゃうな。 まあいいや、そろそろいきなよ。寝坊しちゃうぜ。」
うう・・・引き止めたの安心院さんなのに・・・ まあ いいや・・・
「・・・うう じゃ、じゃあ！安心院さん！！また いつかッ！！」
恥ずかしくなった為慌てて教室を飛び出した。
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
「あははは 思ってたよりウブなんだなぁ 劉一くんって・・・」
1人残った安心院は笑っていた。
「今の時代はいい時代だ。球磨川くんにめだかちゃん。そして劉一くん。いろんなサンプルと出会えてね・・・」
笑っている顔が・・・ちょっと不気味だ・・・
「大体めだかちゃんと球磨川くんは解析（わ）かるんだけど・・・ 劉一くんだけが解析（わ）からないんだよな まあ 彼もきっと箱庭学園に来ると思うし、その時不知火くんも目をつけると思うから、その時ゆっくりと調べてみればいいや・・・」
そう言うと・・・
安心院も出入り口のほうへ向かった。
「次に会うのを楽しみにしてるからね？ 劉一くん。」
そう微笑みながら・・・教室から出て行き、この空間が消えてなくなった。