小説『めだかボックス 〜From despair to hope 〜』
作者:じーく()

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第16箱 「元気出してめだかちゃん!・・・痛い・・・」













それは…動物園に足を踏みいれたとき…



「ううぅ…… グスッ……」



誰かが泣いている…?

そして、程なくして……

動物園の異常性に気付きました!

なんていったって……

「あ…あれ…っ? なんで…?動物いない……」

そう!動物園!という名前の施設の癖に動物がまーったくいないのだ!

ナマケモノでさえ見当たらない……し……

「何?これ……?ここって動物園だよね?ねぇ?まぐろさん?」

「……うん、入り口にはZOOって書いてあったし、間違いないと思うよ?」

しかし……

これはまたどういうわけか……

大災害が起きる前の予兆かな??

「原因は≪アイツ≫だ。」

ぐじらさんがっこっちにきて 指を刺した。

その指をさした先には…

めだかちゃんが泣いていて、それを善吉君が慰めているという状況だ!!


ええ…

「ッ!!ど…どうしたの??めだかちゃん!!」

急いでその場所へ!

めだかちゃんが…涙を流すなんて……はじめてなこと…だもん。

劉一は…すごく心配顔で…傍にいった。

そしてめだかが気づき…こっちを振り向くと…


「りゅっ!りゅういちぃ!!!」


バッ!!


抱きつかれた……


「りゅういち〜!!どっ どうぶつがぁ〜!どうぶつがぁぁぁ!!」

そして…ポロポロ涙を流し…泣いていた…

めだかちゃんがこんなに泣くなんて……



「これは……どういうことだい?」

「全く動物が出てきてくれなくて泣いてるみたいだ。 さてなぁ……アイツの圧倒的な威圧感のせいってゆーか、単なる偶然か、まっ 後者はありえねーから前者だな。動物は強いモンには服従するしかねぇから。 しかし まぁ……異常だからな…… 興味深いぜ?……フフフ…」

「くじらちゃん……」

あの変態(まぐろ)引いてるほどの……表情だったのだろう…… 苦笑

「うう…… なんで……出てきてくれない……」

泣き止みはしたんだけど・・・まだショックのようだ。

「めだかちゃん……」

善吉も動物がいないことより、めだかちゃんが悲しそうな顔をしているほうが辛いようだ……

異常な子供といっても、やっぱり子供だ。

本人からしたら動物に完全に無視されているようなものだからね……

「さあおいで!めだかちゃん!僕が抱きしめ 慰めてあげよう!!」

そこへやってきたのは、まあ大体わかると思いますが、変態(まぐろ)さん。

めだかちゃんは変態(まぐろ)さんを見るや否や猛ダッシュ!

「おお!ついに妹と抱き合うことが!!」

変態(まぐろ)さんは大喜び!!


だけど………


めだかちゃんの勢いは止まらぬまま…… そのままの勢いで……



めだか 真空跳び膝蹴り!!!



ドガン!!!



「ぎゃふぅ!!」



哀れ……

変態(まぐろ)さんは吹き飛ばされた。

その先には・・・

「くっ くじらちゃーん!お兄ちゃんを抱きとめておくれ!!!」

くじらがスタンバイ。

「ふんっ!!」


ズガン!!

「ふげっ!!」



ネリチャギ……所謂、かかと落としがグッド・タイミングで決まっちゃって………

そのまま変態(まぐろ)さんは地面にめり込んでしまっていた。

「………彼女達は武芸百般なのかな?? ねえ 善吉君……?」

「 もうなれちゃったよ! まぐろさんもすごいや。」

さっきは全く元気の無かっためだかちゃんだが…… 活発に動いてくれて?善吉は嬉しそうだ…

でも、ボコられているまぐろさんを見て喜ぶ善吉…

性格悪くないかな?

いやいや純粋に遊んでいると判断したんだろう……

そう思いたいなぁ。

でも……

まずはめだかちゃんだね。

泣いてる姿をいつまでも見たくないし・・・

「うっ…うっ……」

やっぱりまだダメみたいだね・・・

「めだかちゃん。」

後ろからそっと抱きしめた。

「っ………りゅ…りゅういち…?」

めだかはいつもの力は全く無く、そのまま劉一の腕にしがみ付いて涙を流していた。

そんなめだかちゃんにしてあげられること…

(震えてる…体が落ち着くまで…)

止めてあげる事だけだった。

僕で止めれるかは分からないけど・・・

暫くは・・・ めだかちゃんが嫌がらない限り・・・こうしていようと思っていた。

弱弱しく…震えている体…

いつもなら、想像なんかできないけど…

こうしてると…めだかちゃんは……

女の子…なんだ…もん……

守って…あげなきゃ……








徐々にではあるが…

震えは収まっていた。


「めだかちゃん…大丈夫……?落ち着いた?」

「う…………っ…」

ほんの数分間・・・

劉一はめだかを抱きしめていた。

くじらさんは流石に空気を読んで黙っていてくれた。

まぐろさんもだけど……ね……

(視線が痛いよ・・・・・・)


 

「メラメラメラメラメラ………………」


≪メンチビーム≫


……光線!絶賛直撃中… 苦笑




「う……うん… 大丈夫…」

めだかはいつもどおりとはいかなくとも、涙と体の震えは止まっていた。

「今日はきっと、タイミングが悪かったんだよ。 動物のみんなだって…ゆっくり休みたい時だって…さっ?…うん…きっとね!」

笑顔でそう言う。

「ほ……本当……かな……」

まだ赤い瞳をこちらに向けながらめだかはそう言う。

「簡単にあきらめるなんて…… めだかちゃんらしくないじゃん! 僕との勝負中…… 負けたらめだかちゃんそんなに落ち込んでた? ……違うよね! これまでか!!って感じで何度もやってたよね。めだかちゃんは…あきらめない…よね?」

そう言うと…… めだかの表情は徐々に明るくなっていく……

「うん!何度でもトライ!それが……めだかちゃんだよ。」

笑顔で……言った。

「りゅ…う……」

めだかちゃんは…目をうるわせ……

「りゅういちぃ…… りゅういちぃぃ!!」

めだかは感慨極まったのか、再び泣きながら…… 抱き返してくれた……

(うん…… たまにはこういうめだかちゃんも可愛いかもしれない…… でも 泣き顔は見たくないかな?やっぱり…… って……あれ?)




……………??

………………………う……あれ…

…………………………ううう……あ…れ…れ…?



ミシリッ…



徐々に…違和感が…

と言うより…

痛み?………が……

「い………いたい…………」

ミシミシいってるけど……?

「い…いた…痛い!!いたたたた!!!あっ…めっ…めだかちゃんちょっと!強すぎだよ!!いたいいたい!」

めだかは無意識に抱きついた為か、力のリミッターを外しているようだ……

んで、結構大きな声で泣いてる為、こちらの声は聞えてないみたい……




「いたぁーーい!!」

ひええええっ!!っと叫ぶ 劉一くん。

「うわぁーーーん!!」

感慨極まり、うれし泣きをするめだかちゃん。




暫く…サバ折りを喰らっていたのだった



(痛い…… 今回…の…感動のお話じゃなかったんだね… ぐすん……)


まぐろさんとくじらさんに悲痛な視線を送り…… SOSをして……

何とか解放してくれた。

解放の際に…… まぐろさんから凄まじい殺気に襲われたのはいうまでも無かった……

で…


「めだかちゃん!!僕が〜!!」

まぐろさんも…そう言いながらって抱きつきにいったけど…



バキッ!!



一蹴……

哀れ………変態(まぐろ)さん……



とりあえず……

今日は動物が見られなくみんな残念そうだったけど……

めだかちゃんが元気になってくれたのは良かったとほっとしているようだ。

これが後でいう、


≪スキル「動物避け」≫なのである……


でも、そのスキルより……まぐろさんの妹命の方が怖いかな……

あのさっき凄かったからさ……

劉一くんは良く考えたら無理やり連れてこられて、慰めたのに 攻撃を喰らって……

ちょっと悲惨な1日に感じました……♪

…でもね…。

本人はまんざらでもないようだ♪

「うう… まぐろさんと一緒にしないで…本当に疲れたんだよぅ… からだ…イタイ………」







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