小説『めだかボックス 〜From despair to hope 〜』
作者:じーく()

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第7箱 「今日は…みんなで仲良く鬼ごっこ…のはずだよね…?」





今日も一日!がんばろうーってことで!


僕と善吉君は幼稚園にいます。


とりあえず・・・

病院ではオセロ、

幼稚園の初日は将棋、

(今度は何が来るんだろう・・・?)

って考えてました。

なぜなら…


「ふふふふ…………」


めだかちゃんが凄く笑顔だったからです。

そう 勝負をする前の……… 苦笑  



そして次はなんと!!



≪鬼ごっこ!!≫



…え?

室内から突然お外で元気よく遊ぼうと言う事になったみたいです。

理由は、

「ねー2人とも! 僕も一緒に遊びたいよ!」

っと善吉が言ったところから始まりました。

それで、園内の運動場を使った鬼ごっこ大会?が開催されました。



ワ〜ッ!! パフパフパフッ・・・・!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「で・・・なんでこうなったのかなぁ?めだかちゃん?」

僕はため息をつきながらめだかちゃんに聞く。

「ふむ・・・ 他のメンバーは皆私が捕えているからな!後は劉一、貴様だけだ!貴様相手にあのルールでは私が不利のようだったな!これならば公平であろう!」 凛ッ!!

らしいです・・・

最初から思い出そう。




ええっと・・・・・・・・・





確か参加者は10人ほどで・・・ この幼稚園の運動場・・・幼稚園の運動場なのにサッカーグランドぐらいの広さが合ってね・・・

いくら遊び隊盛りの園児でも流石に広すぎるから、鬼を複数決めようとか、範囲を絞ってやろうよ!っとか、様々な意見が子供たちから出まして・・・

そこで、めだかちゃんが・・・

「鬼なら私がやろう。何処へなりと逃げるが良い!そして、制限などつけなくても良いぞ?」凛ッ!

って言い出したのが始まりだった。

みんな鬼はあまりやりたくなかったんだね?

みんな喜んでたし、何より何処へ行っても良いというめだかちゃんルールに更にヒートアップしたみたいだ。

「めだかちゃん・・・?いいの??ここ だーいぶ広いよ??」

善吉はちょっと心配そうに言うが。

「ふッ・・・望むところといったところだ。私は誰からの挑戦も受けて立つし、制約なんてみみっちい事は言わないぞ?」

唯の鬼ごっこのはずなのに・・・

何やら雲行きが・・・

めだかちゃん・・・さっきから僕の方を見てるし・・・

(これは早々に捕まった方が・・・)「劉一ッ!」



ビクッ!!



「・・・良からぬ事を考えてはいないよな??」

あ・・・あれ?

僕…声に出てたのかな??

「え・・・っと、僕?何も言ってないよ・・・?ねぇ 善吉君?」

直ぐ側に善吉がいた為、確認の意味も込めて聞いてみた。

「え? うん!りゅう君何にも言って無かったよ!」

善吉は笑顔で答えてくれた・・・

(うん!何も言ってないみたいだね!)

安心していると・・・・

「・・・話を聞いてなかったのか?良からぬ事を≪考えて≫はいないよな?っと聞いておるのだぞ。」

めだかはジト目で見ている……

(うう… 頭の中読めるの?めだかちゃん…)

とりあえず・・・

ズルで捕まるのは認めてくれないみたいだ・・・

僕に関しては・・・全力でと くぎを刺されてしまった・・・

何で僕??



「ふむ 準備も整ったようだな?ふむ・・・そうだルールを追加するぞ!」

めだかが何やら思いついたのか、話しだした。

「休み時間は丁度今から10分ある・・・ あの時計で5分間逃げ切ったらお前たちの勝ち!そしてそれまでに1人でも私が捕まえられなかったらお前たちの勝ちでどうだ? 」

めだかが宣言した。

周りはルールを理解していて・・・

次のめだかの言葉に更にヒートアップした。

「もし・・・お前たちが勝ったのなら、この間のようなお菓子をお前たちにやろうではないか!」 凛ッ!

以前・・・

入学祝?でめだかのスポンサーであるお菓子会社が幼稚園に送ってきてくれていたのだ。

当然みんな喜んでいた。

歯はしっかり磨いてね?っと先生に言われていたけど。

「「「「「わーーーーい!!やたーーーー!!」」」」」

歓声が上がる・・・

「めだかちゃん!ほんとだね?嘘ついたらヤダよ!」

みんな同じだった。

「ふむ・・・この私に二言は無い!・・・私から逃げ切れたらの話しだからな・・・」

不敵に笑う・・・

ここにいるみんなはまだめだかとの付き合いが短い為か・・・

勝ちをあんまり疑ってなかったんだね・・・

まあ何はともあれ・・・
 
 「りゅうくん!がんばろうね!お菓子♪お菓子♪」

善吉も他の園児と同じように喜んでいた。

「そうだね・・・ とりあえずがんばるよ・・・ちゃんと監視の目も厳しいみたいだしね。」

劉一は苦笑していた・・・


「よし・・・では準備も出来たな?では・・・逃げるがいい!」 凛ッ!

めだかの号令?と共に、

第一回箱庭幼稚園鬼ごっこ大会(仮名)がスタートした。








幼稚園の運動場とは思えないほどの広さの運動場を・・・

逃げる逃げる園児達・・・

傍から見れば無邪気に走り回る楽しそうな子供たちなんだけど・・・

「ふん!」

めだかが何やら力を入れるような声を出すと。


「うわッ!」「ええ!」「うそだー!」


一気に3人捕まっちゃったみたいです・・・

(・・・善吉君 めだかちゃんって足に何かついてるのかな?)

小声で一緒に逃げている善吉に聞く。

「あははは!めだかちゃんすっごいや!」

善吉は相変わらず能天気で笑っている。

だってまだまだ始まったばかりだしね・・・


とか何とかしてるうちに・・・

更に4人が捕まり・・・

残り3人!

所要時間・・・0.5分?

1人あたり大体4秒も掛かってないな〜・・・



鬼ごっこは、障害物(ブランコ・すべり台)を中心に円を書くように逃げていると相手が疲れるとかしないと捕まる事は無いと思うんですけど・・・

めだかちゃんにはそう言った常識はあまり通じないみたいです。

相手の動きを観察して・・・目の動きを観察して・・・ 筋肉の収縮具合おも観察して・・・

次の動きを予測・・・そしてまるで瞬間移動のような動き・・・

気付いたら前にいた!ってみんな言ってるよ・・・

って・・・ やりすぎだよ・・・

「ほんとにすっごくすごいや!めだかちゃん!」

善吉君・・・

仮にも仲間がどんどん鬼に捕まっていってるのだからもうちょっと危機感を・・・

まあ遊びだからね・・・

でもお菓子掛かってるって事忘れたのかな?あんなに嬉しそうだったのに。

まあ僕はあまり甘いものが好きって訳じゃないからどっちでもいいんだけどね。

唯手を抜いたら怒られる・・・・

「善吉君!このままだと僕たちもあっという間に捕まっちゃうから ここは分かれて逃げよう!」

固まっていてはいい的だからね。

そう善吉に提案すると。

笑顔でOK!ッといってくれた。

「めだかちゃんは凄いけど!僕だってがんばるよ!! りゅう君もがんばってね!」

そう言って二手に分かれた。

「よっし… これで多少は時間が…」

っていってるうちに…

「よし!捕まえたぞ!!善吉!」

「うわあっ!」

めだかと善吉の声が……

振り返ってみると…

その言葉どおり、善吉が捕まっていた。

「うひゃああ・・・・ 凄いね! めだかちゃんはやっぱり!」

善吉はちょっと悔しそうにしていたが。

直ぐにもとの調子に戻った。

「ふ・・・では 最後だ!ゆくぞ?劉一!」


(笑顔が凄くまぶしいよ?……めだかちゃん……)



-8-
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