第81箱 「やあやあ!よくきてくれたね!ようこそだ!1年ぶりだぞ?愛しの妹めだかちゃん!」」
劉一は暫くして、めだかちゃんと合流した。
だけど……その姿に驚いていた!
「めっ……めだかちゃん!!どうしたのっ!」
服はボロボロだし、顔も怪我してる…!
急いで、ハンカチを濡らし、めだかちゃんの顔をふいてあげた。
「む……//ありがとう!劉一!」
“ガバッ!!”
抱きつかれた!??
「わーー!ちょっと待って!今は駄目だって!ほらっ!傷見せてよっ///」
拭いてるのに!
「傷も消毒しないといけないし……!」
劉一は……抱きつかれながらも必死にか介抱〜を。
「カッ……オレもいるんだけどな……。」
その後ろに善吉がむくれてるし……。
「わっ……そうだね?……むぐぐ。めだかちゃ……苦しいって……。ぜ…ぜんきち……はいっ!」
救急セットを投げる!
「さんきゅ……。」
善吉はそれを受け取り、礼を言っていた。
……今の状況から僕も助けて欲しいけど。苦笑
そして、粗方説明は聞いた。
都城……先輩にやられたんだと。
「……あの時理事長室にいた人か。むぅ……」
劉一は……珍しく怒っている。
めだかちゃんや善吉に怪我をさせたこともそうだけど
……そのっ…めだかちゃんにっ……。
「結構めだかちゃんもデレデレだったぞ?」
善吉は言わなくていいことをいっちゃう!
「むむむむ……!」
劉一は再び……妬いちゃった。
「む……?確かにキスを自分からした事はあっても、されたことは無いからな。」
「む〜〜……」
劉一!更に!
「ふむ……した事はあっても、【さ・れ・た】ことは無いからなッ!」
何やらめだかちゃんは複雑そうだ。
劉一がヤキモチを妬いてくれてるのは 凄くうれしい反面……よくよく考えたら、キスをしたのは私からであって、劉一からはないから……。
「あ……ぅぅ……///」
めだかちゃんの言っている意味を理解した劉一は赤くなっていた。
その点では、都城先輩のように、積極的にできる事は少しうらやましいかも……。
「……///」
赤くなっている劉一。
そんな劉一を見ためだかちゃんは……。
「りゅーいちーー!」
「わーー!」
“ドサッ……”
更に抱きついて押し倒しちゃった。苦笑
更に更に時間がたった後……。
「う///な……なるほど、それでお兄さん……まぐろさんのところへ?」
善吉が手伝ってくれながらめだかちゃんから何とか解放された。
そして、今後の事を聞いたのだ。
「ああ。そう言うことだ。んで、めだかちゃんはぜーーってー!1人で行きたくねーんだと。それで俺と劉一が一緒に行く事になったんだ。」
「勿論だ!」 凛ッ
どうやらやっぱし 1人で会うのは抵抗があるんだろう……。
「あ……ははは。変わってないもんね?まぐろさんって……仕方ない……かな。」
劉一は、入学して会った事はあるのだ。
と言うよりまぐろさんから接触してきてくれた。
彼も……僕を探してくれてた人の1人。
だから、会いに行こうとしたんだけど……まぐろさんの方が早かったんだ。
なにやら、解析がどうのこうの……見えないとか何とか言われててよくわかんなかったけど…… 苦笑
そして、その彼がいる場所……。
箱庭学園の片隅で旧校舎だ。
旧校舎と言ってもそれは40年以上前に使用していた校舎で、解体される事無く風雨に晒されてて、
その風貌・崩壊寸前の建物。だから生徒からは『軍艦塔≪ゴーストバベル≫』との愛称で親しまれている。
……って聞いたんだけど。
僕が調べた結果によると……全然親しまれてないよ……? 苦笑
とまあ、そんな場所で管理人を務めているのがめだかちゃんの実兄。
すなわち、黒神真黒なのである。
そして、入り口に入るや否や……。
「やあやあ!よくきてくれたね!ようこそだ!1年ぶりだぞ?愛しの妹めだかちゃん!」
まぐろさんが迎えてくれた。
まあ、主にめだかちゃんにだけだけど… 苦笑
☆ 黒神 真黒
年齢:18歳
血液型:AB型
職業 :箱庭学園旧校舎管理人
学歴 :箱庭学園中退(元十三組)
「まったくもう!僕がこの軍艦塔に住み込みで働いていることを知りながら随分と遅い挨拶じゃないか!来てくれたのは劉一クンだけだし?僕はめだかちゃんのことをこんなに愛していると言うのにね!お前は昔からおにいちゃんに対する礼儀がなってないんだよ。」
めだかちゃんの肖像画。
めだかちゃんの写真。
めだかちゃんの年齢別のアルバム。
めだかちゃん人形。
めだかちゃんストラップ……etc
あたり一面めだかちゃんワールド♪
……………………。
めだかちゃんは……
“ずずぅぅぅぅん……”
あからさまに引いていた……。
(め……めだかちゃん、平常心平常心。)
(笑顔笑顔!)
そんな めだかちゃんに劉一と善吉は必死に説得。
めだかちゃんは意を決したように……深呼吸をし。
「ご無沙汰しておりますお兄様!挨拶が遅くなってしまったことをめだかは本当に申し訳なく思っております!でも お兄様も少しは実家にお顔を出されたらいかがですか?お父様もお母様も大変心を痛めてらっしゃいますよ?」
精一杯!
100万ドルの笑顔っ!
愛くるしい笑顔っ!
凄く可愛いんだけど……
凄く不自然。 苦笑
でもそんなめだかちゃんに対し……
まぐろさんはゆっくりと歩き出す。
「お父様?お母様?そんな奴らは知らないね。」
そして……めだかちゃんに!!
「わっ!止めた方がっ!」
劉一は……嫌な予感がして止めようと声を上げた!
でも……。
「何を言ってるんだい?愛しのめだかちゃんだよ?大丈夫!それにおにいちゃんにはただ1人……妹がいればそれでいい。」
劉一の制止も聞かず……
“ひしっ………”
抱きつく!
「あっ………」
劉一はサァァァっと血の気が引く……
遥か昔の記憶が蘇って……。
だから、劉一は動こうとしたんだけど……
“ゴッ!!!!!!!!!”
一瞬で乱神モードになり殴った!!!
んで……いつも通り?に……。
「わーーーーっ!!」
“ドッ!!ドガアアアッ!!!”
まぐろさんと校舎の壁にサンドイッチしていた……。
「一瞬だッ!一瞬でめだかちゃんが乱神モードに!それになんだか懐かしい光景だ!!」
善吉は、どうやら……劉一が一緒に吹っ飛ばされちゃったシーンが何か覚えていたようだ……。
――……冷静にならないで、助けてよぉ……。
劉一は……サンドイッチになりながら……そう思っていた。
「っと……ともかく!」
(あっ!善吉っ気が付いて??)
劉一は…・・・そう思っていたが………。
違った。苦笑
(めだかちゃん!気持ちは…わかるが落ち着け。まぐろさんにお願いがあったんだろ??)
そっちだった……
“しくしくしく………”
ただただ、泣き寝入り……。
そして、めだかちゃんは落ち着きを取り戻し……
乱神から帰ってきた……。
だが、次のめだかちゃんは七変化!
「別に!お兄ちゃんにお願いがあるわけじゃないんだからねっ!」
(ツンデレ!!)
「お願いを聞いてくれないならおにいちゃんの全身の骨を折りたたんでやるんだから……」
(ヤンデレ!!)
「ではなく、殴ってゴメンなさいお兄様!めだかのお願いを聞いてください!」
(素直にクール!!)
………。
「うぅ……善吉ぃ……遊んでないで助けてよ……」
劉一は自力脱出し、戻ってきた。
「あ……わりぃ……キャラが崩壊してるのを見てナ……。」
善吉も頭を抱えた。
まぁ気持ちはわかる。
だって……。
「まぁ……まぐろさんは相変わらずの変態だし……。めだかちゃんもおにいちゃんの前じゃ、何だかんだで、ただの妹……だもんね?」
劉一も読みきったように……
そう言っていた。
そんな時だ。
「ふむふむ……なるほど。弱くなったね?めだかちゃん。」
まぐろさんが、悟ったように……話し出した。
「!!!」
それに驚くのはめだかちゃんだ。
「全体的に筋肉量が落ちている、怠けている証拠だ。筋肉の質も中学一年生の頃の半分以下だな。肌つやから見るに睡眠もまるで足りてないね。それに身長が伸びてるのに体重が変わっていないぞ?栄養管理がおろそかになってると見えるよ?」
次々に言い【当てて】ゆく。
「生徒会長になって忙しいんだろうけどさ?めだかちゃん。。自己修養がちょっぴりお粗末になっているんじゃないかい?」
めだかちゃんは……何もいえないようだ。
全て当たっているから……。
「やっぱし……すごいね?僕も話には聞いていたけど……。」
「ああ……軽くハグして 一発殴らせるだけでそこまで見抜いてるんだからな。相変わらずだぜ……この人……。」
黒神真黒はこう呼ばれているのだ。
【伝説の分析家≪アナリスト≫】、マネージメントの天才、それは魔法使いとまで呼ばれたトレーナーだ。
善吉は……彼と小学に入学するまではよく遊んでいたのだ。
失礼だと思ったが……
めだかちゃんが余りに凄かったから、比べてしまったんだけど。その頃のまぐろさんの印象は突出したところのない、善吉と同じような普通の幼児……だった。めだかちゃんの実兄と思えないほどに……。
だが、彼の才覚は中学校に入ってから爆発したのだ。
自分では何も出来ない……その代わり、他人をプロデュースすることに関しては神がかり的に長けていた。
13歳の頃から実家の企業コンサルティングを陰で担当。
大きな声では言えないが、日本有数の財団から世界有数に変えたのが彼だ。
身内の仕事だけじゃなく、個人から企業に至るまであらゆるマネージメントを請け負う生まれながらの参謀。
めだかちゃんちおは違う意味で……他人の為に生まれてきた人間なのだ。
「あはは!それに比べて善吉くんは随分鍛えてるみたいだねーー!その筋肉は触らなくても見ればわかるよ!いやっ!見違えた。頑張ってるみたいじゃないか?善吉くん!」
「……///!!」
善吉は何やら照れてたけど……すぐに表情を元に戻していた。
何かあったのかな?
「…………。」
次に劉一のほうを見る。
「な……なんです?まぐろさん……。」
ちょっと引きつりながら、聞くが……。
「いや……なんでもないさ。キミも無事で本当に良かったよ。もう、あんなめだかちゃんは見たくないからね〜!」
そのことだけは感謝してる!
でも……今も昔も変わらず嫉妬の念は受けてる。
結構強くに…… 苦笑
「あ……はい。ありがとうございます……。」
劉一はそう言って頭を下げるだけだった。
「………。(やっぱり……何度やっても分析えないんだよね……。【彼】だけは。)」
まぐろはそう考えていた。
【解析】の異常をもっている自分でさえ気づかない彼の中。
……我が妹を凌駕する(本人は認めないけど)力を持つ男だ。
……簡単にわかるとも思えないが。
とりあえずまあいいか。
そして、まぐろさんは、再びめだかちゃんにスキンシップを求めて……。
また、殴られてた……