小説『DOG DAYS〜俺が最強の勇者になってやるよ!〜』
作者:音無()

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【 第15話 】








『ドスンドスン』


と夕日が照らす中をヒナさんのセルクル(ムラクモ)が歩いている。


俺が乗っているセルクルより大きい図体をしている。


今俺とユキ・ヒナさんはビスコッティを目指してゆっくりと進んでいた。


「なんでユキは乗らないんだ?」


「拙者にはいらないでござるよ」


「…………」


なんか今の言い方じゃセルクル達がかわいそうだぞユキ!


ユキはムラクモについている紐を引っ張りながら言う。


「こんなゆっくりでいいんですかヒナさん」


「いいでござるよ」


ヒナさんはマイペースなのかな?


俺は夜に用事があるだけだから構わないんだけど。


そう今日の夜は姫様とお話をする予定になっていた。


まだ、気にしてるのかな?


そんな言葉が俺の中で浮かんでくる。


俺は別にかまわないのに……


今はもっとユキやヒナさんと仲良くなりたい。


それだけを考えよう。


「ユキとエクレはいつごろから仲が良かったんだ?」


「う〜んエクレが4・5の時から仲良くしてるでござるよ」


「じゃーもう10年くらいの付き合いになるんだな」


「そうでござるね」


やばい……


話が続かない……


「ヒナさんはいつ俺と闘ってくれるんですか?」


俺は話し相手を変えてみる。


「そうでござるな……」


ヒナさんはゆっくりと考え込む。


「明後日はどうでござるか」


「お願いします!」


「楽しみでござるよ」


よ〜し、明日はもう特訓だ!


…………


しまった。


話が終わってしまった。


無言が続く中、俺達3人はビスコッティを目指た。









「すまないでござるよ」


ビスコッティの街に入ったのはいいものの、ヒナさんのセルクル(ムラクモ)が大きすぎて皆さんの邪魔をしてしまっていた。


「わぁ〜ヒナ様だ」


などと言う声もたまに聞こえる。


人気者なんだなヒナさんは。


ユキは相変わらずムラクモについている紐を引っ張り目的の場所に連れて行こうと前を歩いていた。


「ヒナさんユキ俺はここで」


「明後日楽しみにしてるでござるよ」


そう言って俺はユキ・ヒナさんと別れた。


俺はそのままフィリアンノ城へ向かう。


「疲れたし部屋でゴロゴロするか」


これを勇者がしてもいいのか知らないが少し疲れてしまった。


意外にセルクルに乗ってるとしんどいんだぞ!


そんなこと言ってもわからないよな……


俺はとりあえずセルクルを乗用置き場に置いて城の中に入った。


「勇者様ぁ〜!」


リコが遠くから手を振りながらこっちにくる。


「おっリコじゃないか!」


「姫様から聞いたでありますよ」


「ああ。ごめんな勝手に本を読んじゃって」


「勇者様はどうするでありますか?」


「どうもこうも今の段階ではまだ決めれないや」


「そうでありますよね」


「エクレには言わないでくれるか」


「なんででありますか?」


「エクレには俺から言うからさ」


俺は愛想笑いをし言わないように頼む。


「わかったであります」


リコは敬礼のポーズをしながら言う。


「じゃーまた」


「はいであります」


リコと別れ俺は自分の部屋に戻った。


さぁ〜て、風呂にでも入ってこようかな。


俺は着替えを持ち、大浴場に行った。


この考えがミスだったことに気づいた時にはもう遅かった。

-15-
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