どうもです。
スイマセンが、トキVSライザーは次回からです。
もうそこに行くまでの前置きが長すぎですね、分かります。
作者もライザーさん潰したくて潰したくて堪らないんですが、もうちょっと我慢します。
それと、一話で決着はさせないつもりです。 ジワジワ殺ります(笑)
第29話「頼むから真面目にしてッ!」
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「あらあら、来るのが遅かったかしら?」
背後に向くと、ニコニコしながら頬に手を添えている朱乃さんがいた。
どうやらコチラの援護に来てくれたらしい。
朱乃さんにも、これといった怪我は見当たらない。 着ている制服も汚れ一つ無い。
疲労している様子もないし、敵『女王』に完勝したようだ。
本来ならもっと早くに決着がついていただろうが、朱乃さんはドSだ。
敵を痛ぶって楽しんでいたのだろう。
……お気の毒に。
「さっきぶりですね朱乃さん。 どうでした?」
「修行のおかげで難なく勝てましたわ」
「あぁ、朱乃さんもトキに修行つけてもらったんですよね? やっぱり凄かったですか?」
木場なんて精神がイカレる程シバかれたんだ、女性には厳しいモノだったろう。
などという心配を抱いたので、朱乃さんに直球で聞く。
すると、予想外の反応を見せ始める朱乃さん。
思い出すような仕草をした後、急に顔が赤く染まり、
「………トキ君ったら、修行中なのに大胆なんですもの……/////」
……。
……………。
……………………。
「トキィィィィィィィィィィィッッ!!! テメェいい加減にしやがれぇぇぇぇぇぇッッ!!!!!」
俺の真の敵はライザー・フェニックスなんかじゃない!
空中で小猫ちゃんにセクハラしてる、そこの銀髪のバカだぁぁぁぁぁッ!
だからコッチが真面目に戦ってる最中に何やってんだよ!?
小猫ちゃん! いつも俺がエロい事しようとした時のように、そのバカにもキツ〜いお灸を据えてやってッ!
……小猫ちゃん? 何で君はそこのバカに甘えてるの? 超可愛いんだけど、俺の時と反応に差が有り過ぎない?
トキの頬っぺにチューして、お顔が真っ赤に。 あら可愛い……、じゃなくてっ!
そして木場!
この十日間でお前の精神に何があった!?
何か死んだ魚の様に虚ろな目でブツブツ呟いてて怖いんだよッ!
――ドォォォォォォォォォォォォォォォォンッッ!――
校舎の屋上にそびえ立つ火柱とそれに伴う爆音。
部長の魔法は消滅系統だ。 あんな爆発音はしないし、火柱も立たない。
ということは、今の爆発音は必然的にライザーの野郎が起こした事になる!
コレはヤバイんじゃないか!?
「おい、トキッ!」
「ああ、ちょいとヤベェな。 俺は一足先に行っとくから、お前らも後から来い」
そう言って俺らに背を向け、手をヒラヒラと振るトキ。
それを見て、ライザーの妹が叫ぶ!
「ちょ、ちょっと! あなたは人間でしてよ!? 死んでしまいますわ!
それにお兄様は不死、あなた達が束になっても勝てるはずありません!
どうせ負けるのですから、ここで私とおしゃべりしていた方が健全で安全ですわよ!?」
そりゃそうだ。 確かに安全だ。
ただし、ライザーがだ。 魔王様をパシリにする奴がフェニックス如きに負ける訳ねぇだろ。
ていうかさっきの俺と木場とのコンビネーションアタックでリタイアしなかったのか…。
そういえばアナウンスでも『僧侶』一名って言ってたっけ?
どうやらトキ達と同じく空へ逃げてたらしいな。
トキはライザー妹も言葉を聞いて立ち止まり、ニッコリと微笑む。
「おやおや、心配してくれんのかい? 生憎だが、ソイツァお前の兄貴にしてやんな。
ま、俺の言葉が信じれねぇんなら、見に来りゃあいい。 このゲームの終幕を…、な」
そう言い終えた瞬間、トキの姿が消える。
何の音もなく、まるで居なかったかの様に。
もう部長の所へ行ったのだろう。
それにしても、どうやって消えてるんだろう? 移動か転移か……。
魔力は封印によって使えないはずだし、筋力も抑えられてるはず………?
てか、このフィールド内では転移魔法は使えないはずだし……。
まぁ、トキだから何をしても不思議ではないか。
そう自己完結した俺は、地面に突っ伏している木場を立たせて、朱乃さんと小猫ちゃんと共に屋上へと歩を進めていった。