小説『緋弾のアリア ―交わらぬ姉妹の道―』
作者:Pety()

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プロローグ











人生においては僅かな年数。

しかし今となっては遠い過去。


『いい? アリア、マリア。 貴方達は将来、一緒に戦い、信頼出来るパートナーを見つけるのよ?』


大好きなお母さんの言葉。

物心ついた時から何度も繰り返し言われた事だ。


『いつか武偵になるなら、貴方達に絶対に必要になるからね?』


私達の頭をそっと撫で、優しく微笑みながら語りかける。

私は、そんなお母さんの仕草が好きだった。


『そんなのいらないもん! アタシとマリアが一緒になれば、こわいものなんてないんだからっ!』


隣にいる私のお姉ちゃんが、無邪気に笑って腕を組んでくる。

お母さんと同じくらい大好きなお姉ちゃん。

何をするにも二人一緒で、離れる時間なんて殆ど無かった。


『うふふっ、そうねぇ。 アリアは運動が得意だし、マリアは頭がいいものね』

『そうよママ、アタシたちがパートナーになれば、わるい奴らなんてみーんな牢屋行きよっ!!』


得意げに胸を張るお姉ちゃん。

私もお母さんも、その様子に笑っていた。

それを見て、お姉ちゃんは怒ったけど、はたから見ればそれすら微笑ましい日常の風景だろう。


『いいわねマリア、アンタが考えてアタシがつかまえる。 二人で最高のぶていになるんだからね!!』

『うん、わかった。 もっといっぱい勉強して、おねえちゃんのパートナーになるね』

『あらあら、頼もしいコンビが出来ちゃったわねぇ』


お互いに向き合って、笑いながら約束する私達。

それを見て優しい笑みを浮かべるお母さん。

家の人達には、いつも蔑まれてばかりだった。

父親ですら、殆ど関わることなく振る舞って、私達を遠ざけていた。

欠陥品姉妹とその母親。

それでも、三人で過ごすその時は、笑顔が溢れていて。

二人で武偵を目指すと決めた時は、未来に胸を馳せていた。

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