小説『魔法科高校のイレギュラー』
作者:rassan()

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 転生



「は?・・・いや、え?・・ここ、は・・・・・」


 と、テンプレで始まってしまったわけだが。

 とりあえず、現在自分が置かれている状況を説明すると、




   真っ白


 はい、これもテンプレですね、ありがとうございます。

「いやいやいや・・・・」

 いやまぁ、トラックにはねられてという、これまたテンプレで自分が事故ったのはわかっていたのだが、

「まさか、トラックにはねられたやつはもれなく転生とか・・・」

 混乱している割には意外と冷静に判断できているのは僥倖だろうか。

「ここで紙・・・いや、神的な人が出で「いやまぁ、この姿が人かどうかは」き・・おわっ」

 これもテンプレで・・・いや、微妙にテンプレじゃなかった。

 これもいついたというか、あったというか、とにかく自分の左側に2mぐらいのだるまが覗き込んできた。

「あっ、メンゴメンゴwwwとりあえず自己紹介をするなら君のいっていた神的な存在だよ?」

 えぇ〜なにこのだるま、軽っ! 渋顔なのに少年のような明るい声があってない。

「あっそうだ、先に言っておくけど、トラックで転生というのはないからね?」

「まぁ、それはあまり思ってませんでしたけど・・・・」

 顔がだるまだからどうしても敬語になっているが、声があっていないため、周りから見るとおかしな光景に見えるだろう。周りはあいかわらず真っ白だが。

「それで、俺はこれから転生するんですか?」

「あぁ〜まぁそうなんだけど、転生っていってもどこにいくかはきまっているんだけどね☆」

 なんだろう・・すげぇ違和感しか沸かない・・☆て・・・

「それで君が行く世界は『魔法科高校の劣等生』の平行世界だから、原作も無視していいよ♪ただし、君にとっては現実になるから「俺がオリ主だっ! グヘヘヘ」ってなるとこの世界は厳しいと思うよ?」

 いや、誰があんな世界でそんなことできるんだ? 日本は大東亜連合と戦争中だし、現代日本に近いとはいえ、結構死が身近にある世界だぞ。普通を自他共に認めている自分には無理ゲーすぎるだろ・・・

「まぁそれはわかりましたけど、転生特典とかあるんですか?」

「えっほしいの?」

「えっもらえないの!?」

「えっ、と・・もしかして、君、神・・つまりわしがミスして転生とか思ってた?えっマジでww」

 違うの! こういうところはテンプレだと思ってたけど!! あと、一人称がわしって!!!

「とりあえず説明したほうがいいかな? 君にこの話をしているのは実験なんだよ。」

「じ、実験??」

「そう、まずわしは神的な存在といったけど、高次元生命体といったほうがいいかな? そして、わしたちにとって低次元世界の管理観察が仕事ということになる。そこで定期的に・・といっても君たちにとっては数万年に一度かな? 別の世界から別の世界にイレギュラーを入れてみる実験をしているんだよ。」

 うん、すげぇつっこみたいことばかりなんだが・・・

 なんでだるまなんだ? だるまは高次元生命体を模したものだったのか? わしたちってだるまがたくさんいるのか? 数万年ておまえいくつだ?

 まぁ今は関係ないから聞かないが・・・

「あぁそう・・で、その実験体が俺?」

 だるまの顔に慣れてきたし、神様とは違うみたいだからもう普通に話すことにした。

「まぁそうなんだよ。こっちとしてはその世界にいてくれるだけで仕事になるから、第二の人生として何をしてもかまわないよ。」

「へぇ〜それは楽でいいな。なんか命令されるかと思ってた。」

「で、脱線しちゃったけど、転生特典については基本的になしにしているんだ。」

「えっ何で!?」

「イレギュラー度が増して世界の管理が面倒になるからね・・・いや、結構大変なんだよ? これだけでも」

 いやまぁ・・・そうだけど・・転生特典無しとかorz

「まぁ基本的だから被験者が希望してきたときは対応するようにしているよ?」


 がばっ

「マジで! あぁ〜よかったぁ普通な俺だったら魔法使えなかっただろうから・・・」

 いやまじで結構な確立でそうなりそう・・・自分で言ってて悲しいけど・・・・

「じゃあ普通な君に素敵な特典をあげようかな☆とりあえず、ほしい能力とかを好きに言ってみて。叶えられるか検討してみるから。」

 検討? わしたちっていってたし、その人たちで話し合うのかな? まぁこんなときのために中二を全開にして考えていたことをあげていった。


1.完全記憶能力

2.前世で見聞きしたことすべてを劣化せずに思い出せる

3.想子、霊子の総量をその世界最高の2倍ずつ

4.魔法演算領域の範囲を大幅に拡大(例:無意識領域も意識的に使える等)

5.身体能力の強化、脳の処理速度の高速化

6.成長限界の撤廃

「うぅ〜ん・・大体は大丈夫だけど、3だけはむずかしいかなぁ〜さすがに世界管理がめんどくさくなるんだよねぇ」

えぇ! 3だけなの? ほかもけっこうチート臭がすごいと思ってたんだけど・・

「あの〜・・ほかは大丈夫なんですか?」

「えっ、うん。世界に及ぼす影響が強いのが3だけであとは君に影響があるだけだし・・」

「えぇっ! 俺に何か影響ってどういうこと!?」

「うん? 魂の改造をするんだからその影響のことなんだけど?」

 あっいやまぁここまでのチートはそうしないとだめなんだろうな・・・

「じゃあ、想子と霊子は世界最高と同等ということにしておこう、うん。これでいいよね?」

 と、ずいっとだるまが近寄ってくる。いやこえぇよ・・・慣れたと思っていたけど全然だったわ・・

 引きつった顔で少し後ろに下がりながら、

「ああはい、それで大丈夫です、はい。」

 また敬語になる。いや普通はそうなるから。ていうかさっきからしゃべっているけど、だるまの表情は全然変わっていない。

「よし、じゃああとは落ちてもらうだけだから」

 うん? 落ちる?


 ヴゥン

 あ? 奇妙な音とともに足元が真っ黒の円になった?

「ああそうそう。ここは君の世界の1次元上の世界だから下に落ちるのはわかるよね? わしたちの次元からはここの次元までしかこれないから、君の世界にあるわしたちが意思を伝えられる物質からしゃべっていたんだよ? まぁそんなことはどうでもいいんだけどねwww」

 あぁうん、そんなことは本当にどうでもいい# とにかく、

「穴に落ちるとかテンプレをここでつかってくるなぁ〜〜〜・・・・」

 というテンプレで締めくくられた。

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